病弱な奏姫
パーティー会場の中心にあるグランドピアノ、そこで私達は演奏をする。
私は演奏の為に準備をしていると、
『本当にやるらしいよ』『うわぁ』
前回来てないと言う事実もあって会場はツンドリルちゃんに流されえー本当に弾くの?出来るの?王子様を避難させようか等今にもブーイングが起き、皆クスクス笑っている状態。
そしてそれは私が前に立ってもまだ続く。
『そんなに恥を書きたいんだ』 『耳塞いどこうかな』
『かわいそうに』
・・・・・いや、より酷くなっている。
「・・ハァ」
まぁやっぱりこうなるよね
・・・実際こっちの情報って前回来なかった、体が弱いらしい位しかないし・・・
まあ、だから少し悪いデマとかを流すだけで簡単に悪い印象が根付く・・・特に私は前回参加しなかった。
ってのもあって会場は陰口、嘲笑が跋扈して、王家主催とは思えない悲惨な状況だった。
まあ、少し耳障りになってきたし
ーーーーーそろそろやるか。
「♪―――ダァンッ!」
『!!?』ビクッ
その音一つで会場の雰囲気はガラッと変わった。
あんだけ嘲笑していたギャラリーは瞬間嗤うのを止め、聴いてられないとお喋りをしていた夫人たちは喋るのを止めた。お酒を飲んでクスクスと嘲笑っていた者は酒を置き、料理に集中していた者もフォークを置いた。
音が静まったのを確認し私は演奏をかなで始める
「♪~~~、♪~~~、♪~~~♪」
そして会場では皆が、一切の音をたてるのを止め会場の一点に意識をもっていった。
「♪~~♪~~、♪~~~、♪~~♪」
あれから、皆一切の音をたてるのを止め、嘲笑っていた事さえ忘れてただひとりの少女の奏でる音色にききいった。
セレネの演奏は子ども、大人だけじゃなく、
演奏前嫌悪の視線を向けていたもの
端から興味なく食べ物に夢中になっていたもの
それらを誰彼かまわず魅惑の音色に吸い込むさながアリ地獄のようなものだろう
文字通り次元の違う演奏でチャナキ嬢の時、皆少し感心する程度であまり演奏を聴かなかったはずが、セレネの演奏では、他の事に意識を向ける者がいなかった。
♪ーーー♪ーー・・・
音が止んでも誰一人動こうとするものは居らず、少しの間誰も音を起てず、動かず何処か上の空になっていた
そんなに会場に、元の空気が流れ込むきっかけはセレネのお辞儀お辞儀だった。
『パ、パチパチパチ・・・』
ズキッ!
私は演奏後、猛烈な頭痛に襲われるが、表に出さないようにする。
セレネのお辞儀で意識がこちら側に戻り、会場では大きな拍手をセレネにを送った。
『』パチッ
そこで私はアンリと視線を向け一回ウインクをパチッっとする。・・・まあ、会場の一部の男が興奮していたが無視しておく。
私のウインクで察したアンリは、ニヤッとした後私に向けてウインクをパチッとして私の元まで軽快な足音を立てながら向かう。
アンリがセレネの隣へ来たとき会場では急にセレネの隣に少女が立ったことにより混乱し、ざわつくものが多く、アンリが話そうにも話せない状況になっていた。
二回目か・・・
「はぁ・・・」
セレネはため息をするとおもむろにヴァイオリンを出し構えた。
♪ーーーギュゥイッーーーーー
ざわめく会場に音一つ。
それによって会場は一気に静まり皆が視線をこっちへ向ける。
セレネのヴァイオリンの音により、会場は一気にシンッとなった。
まともに話せる状況になったの確認しセレネははアンリの紹介を軽くし始める
「・・こほん。こちらは私の妹のアンリです。アンリは体の弱い私と違い武術などの方にもたけており、勿論ピアノの腕も同年代で並ぶ者がいない位高いと姉として思う位には高いので皆様を失望させることはありません。」
だが、まだアンリの実力を信用出来ないのか会場はアンリへ疑いの目を向けている
おそらく想定していたのだろうセレネは会場の疑いの視線を感じて、ふふっと笑みを浮かべそのまま話を続けた。
「・・・と、このように口では分からないと思いますので次は私の妹のアンリと私の姉妹で一曲お贈りします。」
そこでやっと貴族たちは、セレネがヴァイオリンに持ち変えていたことに気づいたらしくセレネがヴァイオリンをかまえた時少し動揺のざわつきが聞こえた。
だがそれもアンリがピアノの前で座り弾く体勢にはいったことによりすぐ静まることとなった。
会場に無音の空気が流れること数秒二人は目配せをしたあと音を奏で始めた。
♪~~~~♪~~♪~~♪~~♪~~♪
会場では誰もがその音に酔しれパーティー会場・・・王族のパーティーとは思えない空間が漂った。
♪~~♪~~♪♪~~
誰も喋らず、子供達ですらその音を聞き逃すまいと喋ろうとしたり、ましてや食べ物を取ろうとするものはいなった。
曲が終わり数秒、まだ会場はその音にの余韻に浸るものばかりで時が止まっているかのように誰も動かない。
会場に音が戻ったのはアンリが立つ音、セレネがかまえを解くことにより会場は拍手という名の音を取り戻した
うわー相変わらず反応オッソ!
会場は感動で動けないもの、まだワンチャンもう一曲あるかもと期待して動けないもの陶酔した眼差しを向けるもの。ハアハアと荒い息をたてながら熱い眼差しを向ける・・・ああこれは最初っから向けてたな・・・くそロリコンじじいが。
そして憎悪を瞳に宿らせ今にも殺しに来そうな男性と嫉妬を燃やす貴族のお嬢ちゃん。
っとそうやって思考に耽ったあと少し気を緩めると同時に
体の中で何かが急激に膨らむ感覚と共に、頭に靄がかかり体がフワッとした浮遊感に襲われた
「お姉ちゃん!!」
アンリの声が聞こえたと共に誰かに抱かれるような感覚がした。
そこで私はあの浮遊感はめまいで倒れそうになったからかと理解しそして今倒れそうになった所をいち早く気づいたアンリが私が地面に倒れる前に抱えてくれたらしい。
「お姉ちゃん大丈夫!?ねえ!死んじゃやだ!あっ、とりあえず人工呼吸!」
いやいや、飛躍し過ぎだろ!?しかもこれ今まで結構あったよね!?
今までとおんなじことしやがって・・取り敢えずいい加減なれろよ・・・あといちいち人工呼吸に持っていくな!
アンリはパニクった状態でそう言うと、顔を近づけて来る
「いや・・大丈夫ぅ、取り敢えず・・落ち着いて・・・深呼吸」
「ひっひっふー」
突っ込みを入れようと、安心させようと立とうとしたら
「あれっ」グラッ
足に力が入らない。
そうだった。この体めっちゃ雑魚かったの忘れてた
いや~~普通に忘れてた・・・・まぁここで疑問に思うのは、じゃあ何故今まで普通に歩けてたんだ?ってところでしょ?
答えは、強化魔法を使ってます。
ついでに言うと能力の暴走は成長してしっかり魂に収まって浸透したら自然となくなるらしい
ただ後遺症として体力低下、足腰に筋肉がつきにくく、強化してないと、歩くのが限界らしい。
後は体力の問題で日光に当たり過ぎるのは良くないし、極度の集中、長時間の集中で貧血を起こし、過ぎると気絶すること、
そして何より、魂が完全じゃなく、体が未成熟な今は能力発動したり、魔力を一度に大量消費したりすると、激しい頭痛や体が裂かれるような痛みが襲ってくる。
そんな形で幼少期はくッそ雑魚い、おまけに魔力で身体強化しないと歩くのが限界、歩くのも結構きつい位。
まあ、能力制限は子供の間までだし、体は強化すればいいし、それに付随するデメリットほぼないからそこまでロースペックではないと思う・・・・
まだ血のめぐりが悪いのか体が思うように動かない、身体強化も上手く発動できない。
この状態になると、身体強化は出来ないは、視力とか、他のまで一時的に落ちるからかなりきつい
私はなんとか手を前に出して阻止すると、切れ切れながら喋る
「お姉ちゃんっ!!!何でこんなことしたの!?!?」
「お姉ちゃんは体がよわいの!!能力にまだ耐えれないの!!」
そのことばを聞き周囲は驚愕でざわめく。
「何と何の能力使ったの!?」
心配させた罰として私は正直に言う
「場を静まらせてるのに二回、アンリの演奏を聞いて欲しいからこっちに集中させるようにずっと、後は身体強化?」
「大体体が弱いのに何でこんなことを?」
「大丈夫だと、思った。後は私が前回行けなかったせいでアンリまで、迷惑かけちゃ、いけないし・・・それに今は疲れて足が思うように動かないだけだし・・」
「お馬鹿!!」パシンッ
乾いた音が私の頬でなる。音だけでほぼ痛みがしないように気を使ってくれたらしい。
「そんなの気にしなくていいの!私は貴方の妹なの!!貴方のが一番なの!!」
そう言いながらアンリは私に抱きつく。、
ねえ、お姉ちゃん今、魔法使ったでしょ?何の魔法使った?ってかこの魔法の感じいつも常時使ってたみたいだね。
「えっと強化魔法、はぁほんとはさ歩くのも疲れるレベルで、足に筋肉がついていないだよね~前回アンリ言ってたでしょ?お姉ちゃんの足、ほっそーい羨ましい~って、まあ筋肉ないから細いのは当たり前なんだよね」
「えっく、ぐすっお”ね"いちゃんごめ"んなざい。」
まあまだ体に能力が、耐えきれず暴走しかけて、今その反動で魔力がまともに練れません!!
今はちょっとパニックってうまく魔法が出なかったらしい
スゥゥ~~~ハァァ~~~
「もう大丈夫だから」
バイト&6月の検定に向けてかなり書く時間なく、次は少し遅くなるかもしれません。
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誤字報告、ありがとうございます!
これからも宜しくお願いします。




