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夏だ!海だ!小学生だ!

さて、小学生を満喫する上でこのイベントは欠かせないだろう。そのイベントとは!


夏休みである。いや、小学生に限らず学生なら一番胸ときめかすイベントだろうが、俺はまだ小学生だからね。中学や高校の夏休みはまだ経験できないのよ。まぁ、前の記憶はあるんだけど・・。あんまりいい思い出がないんだよね。これってやっぱり死神のせいだったのかな?やっぱりあいつら一遍締めなきゃ駄目だな。でもまだ会った事ねえな。どこにいるんだ?


さて、前の時と違い今の俺はクラスの有力者である。そりゃそうだ。だって俺大人だよ?自称人生経験年齢37歳だから。ぐわ~っ!なんだこの差は!名探偵のボウズだってここまで年齢差はないぞ!人生経験37年のくせして夏休みにときめく俺ってどうなの?


まぁいい。ときめくんだからしょうがない。しかも今日は学年行事の臨海学校である。残念ながら日帰りではあるがそんなことは構わない。なんせクラスのみんなと海へ行くのだ!前の時は水に対するトラウマにより強いプレッシャーを感じていた俺だったが、今回はそんなことはない。そう、俺は生まれ変わったのだよ!こっちの世界ではまだ未経験であるが童貞でもないんだぜ!・・うん、これってカウントしてもいいんだよね?あっちの世界の出来事って俺の夢ってオチじゃないよね?仮に夢なら今この時も夢ってことだよね?う~んっ、どっちがいいんだろう?


さて、まずは朝早く俺たちは学校に集合する。これは学校行事なので親たちは付き添わない。ただ先生たちだけでは人手が足りないのでPTAの方が何人か手伝ってくれる。


何を?勿論監視だよ。閉鎖された学校内と違い海は広大だ。そして俺を除いた小学生は基本アホだ。舞い上がってとんでもない事をするやつが出て来るのだ。先生方は長年の経験でそれを知っている。うんっ、先生って本当に大変だね。


さて、バスに揺られること3時間。とうとう俺たちは海に着いた。教頭先生はうずうずしている俺たちの興奮をよそに長ったらしく注意だ。そんな拷問時間が過ぎると漸く自由時間である!


「こらっ、健二!走るんじゃないっ!」

早速ゴリラ馬鹿先生の注意が飛ぶ。しかし、子供たちはお構い無しだ。男子だけでなく女子まで波打ち際に一直線だ。


「きゃーっ、つめた~い!」

「うわっ、なんだ?足がもっていかれるぅ。」

「あっ、魚だ!魚がいるぞ!」

「えっ、どこ?」

「あ~っ、駄目だ。いなくなっちまった。」

「ねぇ、もうちょっと沖までいってみない?」

「えーっ、大丈夫かなぁ。足がつく?」

「大丈夫さ、ここの海岸は遠浅なんだ。ほら、あの赤い旗までなら足が着くってネットに書いてあったぜ!」


そう言って男子は旗まで競争を始める。あーっ、行っちゃったよ。あいつら馬鹿だねぇ。あの旗は遊泳可能エリアを示す旗だよ。どこで情報を取り間違えたんだ?というか自分にとっていい方に情報を捻じ曲げるなよ。しかし、俺たちの先生は優秀である。忽ちアホな生徒を見つけてスピーカーで怒鳴りつける。


「こらっ!タカシたちっ!何やってるんだ、馬鹿もんっ!戻って来い!」

何人かの生徒はその注意に気付き泳ぐのを止めたが馬鹿タカシは馬鹿だから泳ぐのを止めない。でも安心してくれ。先生たちに想定外はない。先生は無線で沖合いに待機していたセイフガードのあんちゃんに連絡を取る。哀れタカシの冒険は強制終了となった。


そんなこんなで午前中を思いっきり遊んだ俺たちは昼飯となる。海の家を使うと他の海水客たちに迷惑がかかるので持参した天幕の中での食事だ。もっとも弁当は海の家経由で発注した弁当である。ただそれだけじゃつまらないので焼きそばも大皿に盛られている。海の家の人達などは地元で取れた新鮮な海産物を食べさせたいのだろうが子供の嗜好には合わない。先生たちもそれは判っているから辞退した。残しちゃうのが判っているからね。がっかりさせちゃうくらいなら初めから断るのが大人の礼儀なのさ。


午前中を遊びきった俺たちはその山盛りの焼そばをぺろりと平らげ昼寝としゃれ込んだ。如何に小学生とはいえ、さすがに疲れたのだろう。みんな、たちまち寝息を立て始める。俺は女先生の脇という特等席をゲットしていた。さすがに先生は横にはなれないがうとうとしている。


俺は先生の膝枕を心ゆくまで堪能する。先生もうとうとしながら俺の頭を撫でてくれる。ううっ、嬉しい!そうだよっ!これぞ、転生者の矜持だよ。ご褒美イベントだよ!あっ、まずい、もうひとりの俺が起き上がってきてしまう。くっ、なんで海パンってこんなにぴっちりなんだよ!窮屈だぜ!


俺はそっとバスタオルを引き寄せ大事な息子の位置を直す。しかし、ここで俺は大失敗を犯す。息子の位置を正したことにより安心してしまい寝入ってしまったのだ!ああっ、何てことだ!せっかくの膝枕の感触を味あわずして寝てしまうとは愚の骨頂である。しかし、人間の3大欲望では睡眠欲が一番らしい。こっちの世界ではまだ未経験とはいえ非童貞の俺はこのパラダイスをいとも容易く手放してしまった。まっ、心は大人でも体はまだ子供だからね。仕方ないか・・。


さて、短時間とはいえぐっすり眠った俺たちの回復力は勇者以上である。男の子たちは忽ち海へ飛び込んで行ゆく。しかし、俺は慌てない。俺には計画があるのだ。それは何とかして先生を海の中に引っ張り込むことである!


先生は万が一に備えて水着を着ている。水着の上にパーカーを着て誤魔化しているがその豊かなおっぱいは隠しようがない。しかし、俺が誘っても先生は首を縦に振らないだろう。そこで俺は一計を案じる。そう、女子グループに先生を誘わせたのだ。


「せんせーっ!一緒に泳ごうよ~!」

「ん~っ、先生はいいわ。みんなで行ってらっしゃい。」

「え~、先生と一緒じゃなきゃやだーっ!」

「ほらっ、先生はやくぅ~。」

「吉岡せんせーは遊んでくれてるのにー!」

「もうっ、駄目ですよ。」

くっ、中々ガードが固いな。誰かもう一押ししてくれないかな。俺は段々焦りだす。しかし、ここで救世主が現れた。


「まぁ、静香先生もせっかくですから子供たちと遊んであげてください。全体の監視は私たちで事足りるでしょうから。」

おうっ、グッドジョブ!さすがはPTAだ。子供たちに甘いぜ!

「そうですな、せっかく海に来たんですからな。それに子供たちの近くに先生がいた方が子供たちもはめを外さないでしょう。」

全体責任者である教頭の言葉にとうとう先生は折れた。


「そうですか・・、そうですね、ではちょっと行ってきます。」

「きゃーっ!先生、こっち、こっち!」

女の子たちに囲まれて先生は海に入る。勿論、パーカーなどという邪道なものは置いて行った。当然ながら俺はしれっとその中に紛れ込む。いや、これは学級委員として当然な行為だ。学級委員たるもの常に先生の側を離れてはいけないのだ。


そして先生と女の子たちは波打ち際でボール遊びに興じる。俺はひたすら先生鑑賞だ。う~んっ、あの薄絹の下に生乳があるのかと思うと俺の下半身が黙っていない。あっ、先生そんな!ボールを拾う為とはいえ、俺の目の前で腰を突き出すなどもしかして誘ってるんですかっ!うひょ~、顔を埋めてペロペロしたいぜ!


いや、そんな事はしないがな。俺はジェントルマンだからね、ただ鑑賞するだけです。脳内記憶装置に録画するだけです。ああっ、なんで他の男子はこんな時だけ大人しいんだ?普通は、滑って転んで先生のパンツを掴んでずり下げるもんだろうがっ!


しかし、現実は厳しい。俺の望むハプニングは起きなかった。でもいいんだ、乳揺れは堪能出来たし、海から上がる時の股間の滴りもばっちり目に焼き付けることが出来た。これ以上を望むのは分不相応だろう。


そして十分海を楽しんだ俺たちは今死んだように眠っている。バスの揺れが心地よく俺たちを夢の世界へ誘う。俺は当然、先生の隣をゲット・・、できなかった。俺、学級委員なのに・・。なんで?


今、俺の隣には先生ではなくクラスの女の子が眠っている。段々と体を寄せて来てとうとう俺の膝を枕代わりに眠り込んでいるよ。中学生くらいなら興奮して眠れなくなるかも知れないが今はまだ小学生だからな。


俺は仕方なく保存しておいた先生の水着姿を再生すべく眠りに着いた。しかし、やはり疲れていたのだろう。俺は先生の水着姿の再生に失敗し、夢も見ないくらい深く眠ってしまった。残念っ!


そしてバスは学校に到着した。学校にはそれぞれの親たちが迎えに来ている。その姿を見るやさっきまであれほど寝ぼけ眼だった子供たちが張り切りだした。中には腕にぶら下がって思いっきり甘えているやつもいる。さすがは小学生、たった一日親と離れただけなのに寂しかったのだろう。まぁ、かくいう俺もお袋に今日の出来事を喋りまくっているけどね。


こうして楽しかった臨海学校は終了したのだった。

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