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神童だ!いやただの早熟です

そして時は流れ俺は小学生になった。自称人生経験年齢33歳で小学生・・。これは何の罰ゲームなんだ?


まぁ、如何に俺が馬鹿だと言っても小学生と比べられるのは心外だ。よって学業成績は常にトップである。親たちは狂喜乱舞だ。天才だ!いや神童だ!末は大臣だ!と持てはやす。いや、お袋よ、俺、思いっきりズルしていますから。将来は世間に順応できなかったニートですから。あんまり喜ばないで下さい。


しかし、ラノベではこの年頃で可愛い女の子との将来を見据えた、指きりイベントなんぞが発生するもんなんだが現実は厳しかった。というかはっきり言って俺はロリコンじゃないから同級生に擦り寄られてもちっとも嬉しくないのよ。水泳の時間でつるっぺたのまな板なんか見せられても何の感情も湧きません。男の子たちがうんこ、ウンコ言って喜んでいるのを見るのが辛いです。


でも担任の先生に褒められるのはすげー嬉しかったりする。そう言えばこの先生が俺の初恋の人だったな。前の時は俺もただの糞ガキだったから大変ご面倒をお掛けしましたが、今回は違います!先生っ!俺、文字通り生まれ変わりましたからっ!もう、先生が望めばなんだってやっちゃうよ?


でもそんな夢の時間も長くは続かない。3年に進級する時に先生は別の学校へ転任となった。俺は悲しくてひとり泣いたね。だって3年の担任ってあのゴリラ馬鹿なんだもん。まぁ、俺も今は子供ではないからね。卒なく2年間を過ごしたよ。


えっ、何故って?だって5、6年時の担任は別の若い女先生が担任になってくれるんだもん!俺、そのことを知ってるもん!


そしてやってきました5年生。小学校カーストヒエラルギーにおける高学年ポジション。中学生で言えば3年の前期!最強にして最高の学年!よってイベントも盛りだくさんだぜっ!


「それでは学級委員長は上条 佐野輔くんに決定です。上条くん、お願いね。」

「はいっ、先生!誠心誠意がんばらせていただきます!」

俺は思いっきり張り切っている。それが言葉として表れているだろう?


「何か分からない事があったら遠慮しないで先生に聞いてね。」

うおおおっ、聞いていいんですかっ!今日のパンツの色教えてくださいっ!


そう、漸く俺の体も性的興奮に対して反応するようになったのよ。くっ、長かったぜ、この10年!これからの2年間は如何にして先生のおっぱいを触るか考え実行してやるっ!ビバっ!二次性長期!おっと興奮して漢字を間違っちまったぜ!


まずはお決まりの身体測定だが、さすがにこの学年になると男子と女子は分けられる。まぁ、俺は別に同年代の女の子にはまだ興味が持てないのでスルーだ。ただ男の子たちが騒ぐので先生への点数稼ぎの為注意する。


「おいっ、馬鹿なことに興奮してないでさっさと測定しろ。」

「なんだよ佐野輔はお堅いな。この壁の向こうで亜里沙が着替えしているんだぜ?お前興味ないのかよ、あっ、お前むっつりだな?」

亜里沙は俺のクラスでは一番人気の女の子だ。うん、昔の俺も気になる女の子として見ていた。でも俺は既に大人だからね。ガキに用はない。とゆうか俺は中学時代に亜里沙に振られているからさ、今更なんだよね。


まぁ、亜里沙に告ったのは仲間内での罰ゲームみたいなもので、亜里沙も俺が本気で告っているとは信じていなかったのだろう。男子のアホな遊びに付き合う義理はないとぴしゃりと言われた。うんっ、人気のある女の子って大変だよな。平均点以下のアホ男子の欲望の的にされちゃうんだから。


さて、次なる点数稼ぎは運動会である。前の俺は運動に関しては至って平凡だった。駄目ではないが努力と言うものをしなかったので平均以上の結果は残せなかった。しかし、生まれ変わった俺は違うぜ!その時々に見合った鍛錬をちゃんとしたからね。筋肉ムキムキとはいかないがそれなりの体格と筋力を備えることができたのよ。うんっ、体格って栄養の摂取でこんなに変わるんだね。


そんな俺の見せ場は500メートルリレーの学年代表走者だ。500メートルリレーは赤組と白組に分かれ、各学年から6人づつ最高の選手が覇を競う。学年によって走る距離は違って5、6年生は100メートルだ。


「位置について、よーいドン!」

スターターの号令の元まずは一年生が走り出す。幼稚園から上がったばかりの1年生たちの走りは俺から見ても微笑ましいものがある。応援に来ている親御さんたちなど声も枯れよと大声援だ。そして2年生にバトンタッチである。さすがに2年生ともなるとスピードが違う。といっても比較対象が1年生だから傍から見たらそんなに変わらないのだが。


そんな中、ひとりの女の子が転んでしまった。親御さんは発狂寸前である。でもその子はすぐに立ち上がり前を追い始める。会場は割れんばかりの喝采だ。でもその子はバトンを3年生に渡すと泣き出してしまった。そうだな、悔しいんだろう。がんばって練習したんだもんな。でも俺に任せな!その程度の差なんて忽ち詰めてやるさ!


その後、3年、4年と走者が続く。さすがは学年選抜選手たちだ。力が拮抗している。俺の組はあのアクシデントのためビリだ。しかし、4年生の走者ががんばりその差がぐんぐんなくなる。

「お兄ちゃん、がんばれー!」

転んでしまった女の子の声援が飛ぶ。ああっ、あいつあの子の兄ちゃんなのか・・。成程、必死になるわけだ。

ふふふっ、だが残念だが見せ場は俺が貰うぜ!とっととバトンをよこしなっ!


そして俺は絶妙のタイミングで走り出す。バトントスもオリンピックの日本代表も真っ青なくらいに決まった。これでまず前を行く2人と並んだ。俺はそのまま加速しコーナーのインを塞ぐ。これでやつらはもう俺の前には出れない。小学校の運動会レベルでは全く必要としないテクニックだが最短距離を走るためだから致し方ない。


次の俺の獲物は5メートルほど前を走っている。中々悪くない走りだがそのスピードではインを維持できないだろう。俺はコーナーの出口でちょっとだけアウトに膨らんだやつのインを差す。そして直線に入ったところで引き離した。残りは2人。こいつらは抜きつ抜かれずのデットヒートを繰り広げている。俺の担当距離は既に50メートルを切っている。抜くにはちょっと距離が足らない。仕方がない、見せ場は6年生に譲ろう。俺はゴール直前で前の2人に追い付くと6年生へとバトンを託した。


その後の6年生たちの走りは俺から見ても素晴らしいものだった。なんと俺が抜いた組の最終走者がぐいぐい追い上げてきやがったのよ。俺の組の走者もがんばって2位につけているがその差は殆どない。そしてゴール前でのデットヒートだ!結果は写真判定が必要なんじゃないかと思うほど差がなかった。僅かに1位と4位は確認できたが2番と3番目は同着に思えた。これには先生たちも困ったようだが結局、俺の組である2番と3番目は同着となり点数を分け合った。


もう観客は大興奮である。誰もまさか小学校のリレーでこんな事が起こるとは思いもしないだろう。5位6位の選手たちにも惜しみない拍手が送られている。


いや~、すごいねぇ。小学生って成長に個人差が出易いから運動系ではここまで僅差となることはないんだけど今回はみんながんばったぜ!まぁ、一番がんばったのは俺だけどね。その日はお袋、俺をベタ褒めだったからな。兄ちゃんの目が怖いぜ。

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