話し合い
話し合い
それは単純で、俺らを追い出した奴らに媚びを売るくらいなら他の街や村を目指したい。
「堺先輩は俺らを追い出したこの街に居たいですか?
そんな人達に助けてほしいですか?」
数十秒後、覚悟を決めた様に
「私も居たくない。よく考えてみれば不安しかない。無理してでも次の街を目指したい。」と答えた。
どうやら、同じ考えのようだ。少しだけ安心した。そしてこの国は期待出来ない。次の街に着いた後はレベリングをしながら、次の国を目指そう。そんな事を考えていたら堺先輩は懇願するような顔になり、
「私も連れて行って下さい。どんなことでもするし、足手纏いにならない様にするからお願い。」
「いいですよ」
「え?」
と驚いた顔をしていた。頼まれたものをOKして驚かれるのは、ちょっといい気がしないな。
「私見ての通り仲間外れでどんくさくて眼鏡で何の取り柄も無いんですよ?お願いはしたけど絶対足手纏いになるよ?」 とさっきから感情がコロコロ変わっておもしろいのだが、とても自信無さげだった。
「追い出された、仲間外れどおし協力するのは当たり前じゃないですか。それに誘われなかったら、僕から誘いましたし。」
「あ」
とまた泣き始めてしまった。
「何ですか?また怖いんですか?
それとも何か問題がありますか?」
「ううん。違うの。いつも仲間外れだったから嬉しくって。
でも敬語は辞めて欲しいなー。
これから一緒に旅するんだから。」
「わかった」
と笑った。
本当に感情豊かでおもしろいと思う京谷であった。