賢者とスキル
また明日投稿します!
父さんの古い友人が住んでいるであろう小屋に着いた僕たちは、早速扉にノックをした。
コンコンと音を立てると、扉が開かれ、中から金髪碧眼の美少女が出てきた。しかし、よく見ると耳が長くとんがっている。つまり、エルフだ。
この子が父さんの言っていた人なのか……?
「あなたたち、だれ?ここに何の用?」
「あ、あの僕たちフリードって言う人の紹介で来たんです」
「フリード……?確か、マー爺がそんな名前を言ってたような……」
「マー爺………?」
「ああ、私の師匠よ」
「師匠?という事は、その人が………」
「多分、あなたたちの目的の人よ。私は、エミールよろしくね」
エミールの言葉を聞いて、思わず嬉しくなってしまう。
「まぁ、いいわ。上がってどうぞ」
「「お邪魔します」」
小屋の中は、外から見るよりも広く感じ、綺麗に整理整頓されている。
「マー爺、お客さんだよ」
「客?こんな所にか?珍しいのお…」
マー爺と呼ばれた爺ちゃんは、仙人のような格好をし、白く長い髭を生やしている。
「お主らかの?」
「は、はい。初めまして、僕はフリードの息子のジークと言います」
「私は、ジークの幼馴染のシルヴィです!よろしくね、お爺ちゃん!」
「ほっほっほ、元気があってよいのお。儂は、マーリンじゃよろしくな。さて、そちらの者は、フリードの息子と言ったな……」
「はい」
「して、そのフリードの息子が儂に何の用じゃ?」
「……実は……」
僕は、マーリンさんにここに来た経緯を話した。
「なるほどのぉ。歴史上最低の魔力値か………。それは、残念じゃったのう。それで、それでも戦う力が欲しいから儂に教えを請いに来たと?」
「はい……」
しばらくの間、マーリンさんが僕をじっと見つめてくる。やがて、にっこりと笑って、口を開いた。
「いいじゃろう。西の賢者マーリンが直々に鍛えてやろう!」
良かったぁ〜………。ん?今なんて……?
「え………?西の賢者………?」
「マーリン…………」
「「ああ!ええええええ!?」」
「お、おじいちゃん、本当にあの西の賢者マーリン様なの!?」
「そうじゃの」
「す、すごいよ!ジーク!賢者様に鍛えてもらえるなんて!」
「あ、ああ、そうだな」
「ほっほっほ、そんなたいそうなものでもないわい」
マーリンさんは、そう言いながらも、嬉しそうに笑っている。
「マーリンさん、それで具体的に僕は、何をすればいいのでしょうか?」
「そうじゃな、まずは、二人のステータスを見せてもらおうかの。最初は、シルヴィちゃんの方からじゃ」
「はーい」
「ほぅ………。魔力値2000か、随分と多いのう。スキルも充実しているし、鍛えれば、すごい魔道士になるかもしれんのう」
「でしょでしょ!さすが私!」
「次は、ジークじゃのう」
「よ、よろしくお願いします」
「うーん……。魔力値100か、確かにこれでは、戦えんわな」
「魔力値100!?そんなん無い物同然じゃない!」
エミールが僕の魔力値を聞いてそんな事を言ってくる。
………少し傷ついた。少しだけ。
「スキルは、優秀じゃのう。ん?魔力回復魔法?聞いたことないのう。どんな魔法じゃろうか………!?こ、これは、とんでもないのう!」
マーリンさんが僕のスキルを見て、一人でぶつぶつ言っている。
「ジーク!これは、ジークも戦うことができるかもしれんぞい!」
「本当ですか!?」
「儂の推測が正しければじゃが……」
僕にとっては、その情報だけでもありがたかった。
正直、ここに来るまで、諦めていたから。
「良かったね!ジーク!」
「ああ!それでマーリンさん、僕はどうすればいいですか?」
「そうじゃな、まず服を脱ごうかの」
「「え?」」
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