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7/ 僕の妹(だと言い張っている謎のエキゾチック美少女)の名前を聴いたけど..それってぜったい妹じゃないよ〜!

どうしよう...

僕は今着ている《ジプシーファッション》を座長に返却しなければならない...

一週間共に過ごしたこの愛着のある衣服を、僕は買い取る気満々だった(本当は餞別せんべつとしてもらえると思っていた)しかし、座長は300トラを要求してきたのだ。

足りない...

あと200トラ足りない...


裸..

裸は嫌だ..

せっかくの転生、やり直したこの人生、スタートダッシュで生き恥を晒したくない...


...そうだ!

もう一度、この劇場に置いてもらおう!

それがいい!僕はたった一週間でナンバーワンになった踊り子だ!

しかも女の子に混じって!男の子は僕だけ!その環境でナンバーワンになった踊り手だ!

手放す理由などないはず!


「あのお、座長..辞めると言った手前なんですがあ...ぼ、僕をもう一度...」

「そうそう。新しい踊り子がもうすぐ来るんだ。はやく出てってくれよな」

「!!」

強めの否定をかぶせてきた...

おしまいだ....


スルリ...

僕は肩からジプシーファッションを落としていく。

これでいいんだ..これで...


「お待ちなさい」

!?

ああ、忘れていた。

自称・妹の美少女だ。

水晶と金色のタロットカードを持ちながら僕たちの元に歩いてきた。

「わたしがお支払いします」

「え!?」

「わたしが姉さんのジプシーファッションを買い取ります」


「君に払えるのかい?」

「文句ないでしょ」

自称・妹はそう言って、水晶玉を座長に差し出した。

「で、でもそれは..!」

確信はもてないが、それはこの美少女の大切な商売道具のような気がしていた。その水晶玉は初めてみたときから周りの空気を大きく包み込む存在感があった。それを手放してしまう...本当にいいのだろうか...


「ほう。ふむ、300トラだな」

「たった!?」

僕は抗議の声をあげた。

だが当の自称・妹は黙っている。

「それでお願い」

凛とした表情でいった。


「ふふ」

座長が300トラを差し出した。

自称・妹が..300トラを受け取ろうと手を伸ばした...


ダメだ..

それはダメな気がする...

ダメだああああ!!!!


僕は自称・妹の前に立ちふさがった。

そして300トラを払いのけた。


「返却します!だからその水晶を返してください!」

僕はジプシーファッションを脱ぎ捨てた。

全裸だ。

「.....」

無言でたっている座長の手から水晶を取った。

座長はとくに抵抗はしなかった。


自称・妹が正座をして、脱ぎ捨てられたジプシーファッションを静かに畳んでいた。

「...あのお」

「はい」

「あなたの名前は...」

「パニールです。辛口からくちパニールです。姉さん」


(...!!名字、違うじゃん!!ぜったい妹じゃないよ!!)



つづく

【キャラファイル vol.4】


辛口からくちパニール...15歳の少女。153cm/33kg

自称・甘口かりの妹。職業ジョブは「占い師」


序章「コイーワの姉妹」の主役の一人。 カツシカディープ国タテイーシ町出身。

タテイーシ占術専門学校・水晶タロット科卒業。占術福祉士の上級資格、管理占術福祉士を保持している。

現在はプロ占い師。


冷静沈着で勤勉な性格、一方で恋に憧れるロマンチストでもある。

エキゾチックな顔立ちに紫色のツインテール、弾けるような褐色の肌をしている。

回復系の魔法をいくつか唱えることができる。


かりを「運命の姉」だと断定している。

その理由は今のところ不明。


あんみつが大好き。

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