13/ だったら..正式な仲間(パーティ)と認めてくれますか?
美少女が水晶玉を覗き込んでいる。
「...カツシカディープ国タテイーシ町...コイーワ村から約3.2km、徒歩で約40分、です」
パニールは水晶玉に浮かび上がった街並みをみつめながら言った。
「そんなに遠くないね..行きます」
「死にますよ」
「え」
パニールの抑揚のない声は慣れない...
「40分もモンスターの巣を歩くなんて、歩数ごとに自殺をくり返すようなものです」
「...ええ..」
僕とパニールは携帯ショップの斜め向かいにある《コイーワゲーマーメイト》の前にいる。
ほくほく顔で店のロゴが入った紙袋を抱えた人たちが出てくる。
「交通機関とかは..電車、バス、タクシー..」
「あります」
「じゃあ...!」
「人間側が開業を試みてはモンスターに潰され、のくり返しです。けっきょく外の世界ではモンスターがモンスターの移動のために電車、バス、タクシーなどを開業しています」
「...交通機関はモンスターの独占市場かあ」
「はい」
・・・
「武器、武器を買えば!」
「はい」
「...あ..ゼロトラだ..」
「・・・」
「わたしは貰っ..貯めたお金があります」
「あ、はい..」
「使いますか?」
「そういうわけには..」
「わたしを仲間と認めてくれますか?今この場で、正式に」
「・・・うん」
「ありがとうございます」
「でも!でも!...お金のためじゃない、タイミング的に嘘くさいけど、本当、お金のためとかじゃない」
「...はい」
「・・・」
「・・じゃあ、買いに行きましょう。戦うための武器を」
つづく
【施設 vol.3】
コイーワゲーマーメイト...武器、防具、道具、玩具などが安い価格で購入できる商業施設。
同人誌も熱い。