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孤独の狐。

初投稿です。拙い部分がほとんどですがよろしくお願いします。




孤独。



思えばそうだった。生まれてから僕はいつもそうだった。ここで僕の昔話をしてみようと思う。


僕、殺陣師賢人はいつも1人、つまり孤独だった。小学生のころ、名前に殺って字がはいってるってだけで、叩かれたり、蹴られたりした。幸い、容姿だけはそれなりな方で女子からはいじめられなかったが、それが理由で男子からはいつも仲間はずれにされた。

「やーい、貧乏」 「おまえ、きもいんだよ」 と小学生という年齢はストレートに物を言ってくる。まあ、貧乏なのはそうだが。うちは共働きで、両親は家に帰らない日も多く、僕はいつも1人だった。


ある日、僕は同級生の女子からラブレターをもらい、付き合って、と言われた。だけどなんかそんな気になれなくて断ってしまった。


そしたら、つぎの日男子からそれはもう、ボッコボコにされた。僕に告白してきた子は男子からはかなり人気だったらしい。あの、いじめられた日のことは今でも忘れない。抑えられ、なぐられ、蹴られ、いじめっ子たちはいじめながら、僕のそんな姿を笑う。


そして、僕は自衛手段を身に付けることにした。

やられたらやり返しはしないけど、逃げるくらいはしたいな、と。両親もOKしてくれたので空手をならい始めた。しかし、すぐに辞める。イジメにあったからだ。空手をやっていて、なおかつ自分より背がたかい奴にだ。これはもう、為す術もなかった。


その次は、柔道、合気道、さらにはレスリングもやってみたが全部いじめられて辞める。そんなに僕はいじめたくなる感じだろうか。


しかし、僕は出会う。運命のスポーツ、いや、命をかけた戦いに。 それは、「剣道」 。

レスリングもやめて、ふらっと、「剣道教室、生徒募集」の文字が見え、何故か興味が湧いて体験をしてみた。そしたらそれはもう、凄く楽しく、夢のような時間だった。そして剣道教室に入りまたもいじめられるがそんなことは関係なし、と防具の上に竹刀で叩く。進級試験は危なげもなく毎回受かり気づいたら小学6年生で一級もうかっていた。


そして 、春がくる。中学生だ。剣道部には入らず剣道教室に毎日通って、帰ってからも素振りを何回も何回もする。両親が帰ってこないから、やり放題だ。テスト前でも一週間前まではその日課だ。そして、テスト前の一週間はとにかく勉強する。そして毎回上位10人には絶対に入る。これは剣道の師匠、上田先生が「文武両道であれ」というのでがんばっている。


そして、また、春がきて、春がきて。高校生の夏らへんには2段にはなっていた。そして春が3回過ぎ、社会人にもなった。就職はせず、剣道だけで、食っている。そして、30、40、50、60、70とどんどん歳を取っていくがまあ努力は報われてくれた。なんと8段になったのだ。そして、二つ名までついた。「稲荷様」、「狐剣」だ。何でも竹刀で叩く時、綺麗に弧を描いているから、だぞうだ。


まあ、愚直に何年も何年も剣を振り続けたしなぁ。思いあがり、と思われたくもないが竹刀を振った数は世界で1番だと思う。根拠はないが。


まあ、最初に戻るが何故僕がこんな話をしてるかと言うと。死ぬ直前だからだ。94歳。大往生だね。

まあ、今、病院で1人孤独な訳だが。結婚はしていないし、両親もとっくに死んでいる。

はぁ、剣道以外何も面白くない生涯だったな。輪廻転生を信じるわけではないが、もしあったら面白い人生がよかったな。



そうして、僕はこの生涯に幕を閉じた。








と、思っていた。

ちなみに殺陣師(たてし)です。暇な時に更新する所存です。

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