23 裏切りと邂逅(2)
「退けええ! 反乱軍を匿った者は容赦せんぞ!」
町のあちらこちらに炎が立ち上っている。国王軍が放ったものだ。仮宿を抜け出し町の外を目指そうとしていたクルスたちは、あっという間に町の中央部へ向かって追い立てられた。
悲鳴が聞こえる。ここで生活していた人々もまた、クルス達と同じように炎に追われ、逃げているのだ。
「た、助けてください、私は反乱軍などでは……!」
「ええい、煩い!」
国王軍は自軍の者ではないと判断すると、容赦なく相手を切り伏せた。
身を隠した木陰から、通り沿いで逃げ惑う人々が切り伏せられるのが目に入り、クルスの手が怒りに震えた。思わず聖剣に伸びた腕は、キリークの手に阻まれる。
「何を……っ、」
「現時点でお前の顔は割れていない。乱戦のさなかならともかく、ここでお前が独りで飛び出してそんなもの出してみろ、俺が勇者だと吹聴して回るつもりか。一発で終わりだ。」
「じゃあおとなしく誰かが殺されているのを見ていろと!?」
「今お前が死んだらどうなる。どうせ同じことになるんじゃないのか。」
金色の目が燃えるような色でクルスを圧倒する。今ここでクルスが死ねば、ようやくまとまり始めた反乱軍は空中で瓦解し、この国の絶対王政は覆らない。そうなれば今目の前で助けた命も、いずれはまた理不尽によって失われる。キリークが告げているのはそういうことだ。
「お前、妹いたんだろ。お前が死ねばこの先何十、何百、何千もの人間が、お前の妹と同じように死ぬぞ。」
「分かる……分かってるさ……!」
呻いたクルスの視線の先でまた一人斬られる。ごとりと倒れた身体からおびただしい量の血が流れだし、石畳を濡らすのが見えてしまう。人が死ぬところなど、数えきれないほど見てきた。だがそのたびに思う。こんなに力のなさを痛感することはない。
きつくきつく手を握りしめ、唇を噛みしめる。近づいてくる炎の熱と、胸の奥から湧き出す怒りで、体中が破裂してしまいそうなほどに熱い。
「全員助けられると思ってるならそれは飛んだ思い上がりってやつだ。違うか。お前は聖剣を持ってる。でもただの人間だ。できることとできないことはあるんだよ。」
「……。」
「とにかく引こう。……ああ、月が沈むな。」
つられてクルスも振り仰ぐ。空が赤々と燃えていた。振り切るように前を向き、仲間に混じって駆け出す。逃げる背中の方からは、確実に敵が迫ってきている。
町の中央部には、石造りの立派な建物がそびえていた。商売が盛んだった頃に、町中のギルドが金を出しあって建設したもので、下手な貴族の屋敷よりもよほど大きな建物だ。
今や建物の一部が町役場として使用されているだけと聞いていたが、屋敷の無数の窓から煌々とランプの明かりが漏れ出ている。月も沈みかけの深夜にしては、明るすぎる。
「町役場以外の部屋があれだけ埋まってるってなると……町長はグルだな。広場にも敵さんがわんさか……ああ……騎馬隊がいるよ。白銀騎士団か。精鋭中の精鋭だ。今回は運が悪いなぁ。」
遠見の魔法で辺りを確認していたキリークが舌打ちをした。下手に敵を刺激することもできずに町の中央へと逃げてきたまではよかったが、ここを突っ切ることはどうやらできそうにもない。
炎はじわじわとこちらに迫ってきている。かといってあの広場に飛び込めばそれこそ最後。一気に囲まれて殲滅されるのがオチだろう。
クルスは周囲を見回した。と言ってもしゃがんだままだったので、そう遠くまで見通せるわけではない。だが道路を挟んで向こう側の路地に、怯えて固まる一般人の集団を見つけた。遠くで何かが崩れるような音が響くたび、誰かの悲鳴が響くたび、彼らは縮こまるようにして耐えている。故郷を燃やし尽くされた経験のあるクルスにも、彼らの気持ちは痛いほど分かった。せめて、なんとかして、逃がしてやりたいが……。
「他の皆もこの町のどこかにいるんだろうか……。」
「自力で逃げられるような奴はとっくに逃げているだろうが、ほとんどは残っているんじゃないか。……さて、どうするよクルス。敵の数は分からないが、他と合流できなければこっちはたったの十人だ。あの包囲を破って町の外に出るか、蜂の巣覚悟で広場に飛び込むか。いずれにしても勝率は低いと思うね。」
試すようにキリークがこちらを見る。ここまで無言で従ってきてくれた仲間達も。少し考え、クルスはキリークに問いかけた。
「君の見立てだと、全体でどのくらい敵がいると思う?」
「うーん……鎧とか馬を見る限り、全体の指揮を執っているのは国王直下の白銀騎士団だと思うんだよな。こっちはいても百人くらいのもんだろう。ちゃんとした貴族でないと入れない騎士団だし、もしかするともっと少ないかも。残りは平民から上がった一代貴族か、あるいは金で雇われた傭兵辺り……どうだろ、町の規模を考えれば全体で最大五百人くらいってところかねえ。」
「練度の高い騎士の方が少ない……か。なんとか手薄な場所を狙って包囲を破れたら……たとえば、君の魔法で魔弾を屋敷の傍に落とすことはできる? 破壊するんじゃなくて、混乱を誘うような。」
広場には騎馬隊がいる。包囲側にも騎馬兵がいる可能性はもちろんあるが、狭い町中であれば多少は対処のしようもある。どちらかと言えば今脅威になりそうなのは、広場の側だろう。馬を扱える騎士はまず間違いなく練度の高い者だろうから、確実にあちらの部隊を潰しておきたい。
「爆発が起きれば訓練されていると言っても馬は怯えるだろう。包囲の輪をうまく引きつけてから爆発させれば……。」
「成程。どの道包囲を破るって言っても、騎兵の方をなんとかしないと後ろから追い立てられるだけだもんな。うまくいけば攪乱もできる。こうなると広く薄く敵さんが配備されてるのはこっちに都合がいいな……ジェイル。確かお前魔弾残してたよね?」
キリークの言葉に、少年が中腰で歩み寄った。
「あ、はい。一つだけですが。」
「いやいや、上出来だ。これなら混乱を誘うどころか、あの辺の敵さんを潰せる。」
細面の少年――ジェイルが懐に収めていた魔弾をそっとキリークに手渡す。ごく簡単な起爆用の呪で発動する爆弾だ。攪乱には充分すぎる威力を持つ。
キリークの準備が出来たことを確認し、クルスは静かに始まりを告げた。
「今から十、数えたら始めよう。」
松明を片手に、ギラリと光る刃を片手に持った兵士が、静かにこちらに向かって包囲の輪を縮めてくる。炙るように火を投げ込まれる家屋。あちらこちらでガラスが砕け、悲鳴が起きる。細い路地という路地、家という家すべてに、恐ろしい執念深さで松明が投げ込まれていく。
一つ、二つと数を数える。同じような速度で向こうから松明の炎が近づいてくる。聖剣の柄に手をかけて、抜き放つ瞬間を待つ。辺りは炎に照らされている場所以外、墨で染めたような闇の中だ。相手をうまく混乱させることさえできれば、クルス達はもちろん、他の仲間や、逃げ遅れた町の人たちもなんとかここから脱出することができるかもしれない。
「十。」
クルスの一声でキリークの魔法が発動した。ごう、と音を立て、突如空に向かって立ち上がった竜巻が、渦を巻きながら広場へと突進していく。キリークの操作に従い、奥へ、奥へ……もちろん竜巻の内部には、あと数秒後に爆発する魔弾が仕込まれている。
「さーん、にーい、いーち……。」
「!」
緊張感のないキリークのカウントが途切れると同時に、鼓膜をつんざくような爆音と重い地響きが辺りを襲った。竜巻の効果で多少威力は軽減されるだろうが、あれをまともに食らってしまえば確実に傷を負う。だいぶ戦力を削ぐことが出来るだろう。
あちらこちらで悲鳴が上がり、軍馬の群れがてんでバラバラな方向に向かって駆けていく。中には騎士を引きずりながら走りだしたものもいた。手のつけようのないほどに混乱した騎馬は、辺りの騎士らを跳ね飛ばしながら悲鳴を上げる。
さらにもくろみ通り、駆けていったうちの数頭はクルスらが隠れている路地の横、大通りをまっすぐに突き抜けて、もくろみ通り松明を持つ騎士の列にぶつかった。
「よし、今だ……!」
クルスの掛け声で、全員、弾かれたようにして駆けだした。それぞれ得物を抜き放って、正面に突撃していく。
クルスも腰にぶら下げたままだった聖剣に手をかけた。装飾性の希薄な柄を引き抜けば、刀身は内側から発光するように青白い輝きを放った。その光は柄のところどころ、ひび割れのような文様を伝って柄の先端に嵌め込まれた宝玉を満たした。一気に暖かな魔力が一帯に広がる。
見る見るうちに全身に力が満ちるのを感じながら、クルスは聖剣を大きく頭上に振りかぶった。
「クルス!」
キリークの声が聞こえた気がした。
正面には剣を持った歩兵しか見えない。松明を手に、まだ剣を構えることもできていない。脅威は薄い――だが、その奥から何かが来る。
手にした聖剣が<退け>と命じるまま――クルスは聖剣を振り下ろすことなく頭上にかざし、全身をばねのように引き絞った。息を止める。ほとんど同時に頭上から落ちる重い一撃。噛みしめたはずの歯の隙間からは殺し切れない息が零れた。
「ほう。さすがは聖剣。見えもしない死角からの攻撃さえしのぐか。」
ふうンというかすかな笑い声が鼓膜に触れた。重い音を立てて得物が引き戻されていく。と同時に、目の前に立っていたはずの騎士がずるりと倒れた。息はもうないだろう。背中から頭蓋まで、鋼鉄の鎧の上には一直線に斬られた痕が残されているのが見えて、クルスは思わず顔を顰めた。――クルスの死角から攻撃するために、仲間を犠牲にしたのか。受け入れがたい怖気に首筋がちりちりした。
倒れた騎士の後ろ、悠然と現れたのは、幅広の騎士剣を手にした男だった。白銀に輝く鎧に身を包み、暗闇の中でもひときわ目を惹く青いマントを翻している。
まずい、とクルスの頭の中で警鐘が鳴った。これはまずい敵だ。聖剣の加護があっても、無傷ではとても済まないであろう、明らかに格上の相手。
僅かなにらみ合いが命取りになった。いや、足が止まった段階でクルスの負けだ。あっという間に周囲を囲まれる。
キリークも足止めを食らったらしい。どんどん囲まれて、互いの背中がくっつきそうになるほどに近付く。ジェイルは、他の仲間は、あるいはこの町の人たちは逃れることができただろうか?
「アベル様! 他の者が……!」
「いい、いい。逃がしておけ。雑魚は後でどうとでもなる。それより問題はこっちだ。こんな田舎町に張っておいた甲斐があるってものじゃないか。こんなところで聖剣にまみえるとは。持ち帰れば我が王も喜ぶに違いない。」
牽制するように刃をちらつかせながら、アベルと呼ばれた騎士が興味深げにクルスを眺める。彼がどうやらこの辺りの責任者であるようだ。
上から下まで何度もなぞるようにしてひとしきりクルスを観察し終えたアベルは、鋭くとがった顎の先を指で撫でながら、いかにも汚らわしいとばかりに顔をゆがめた。
「お前がクルス・エルバンか。話には聞いているが……ただの子供ではないか。平民ごときが我が王にたてつこうだなどと、愚かしいことを。それにしても、」
すっと青い目がクルスの手元に注がれた。炎の照り返しよりもなお強く、鋼が内側から脈動するように輝いている。装飾こそ少ないが、誰がどう見ても普通の剣ではありえない。クルスが運命を共にする、聖剣だった。
「フン、騎士剣などまともに扱えもしない素人がそんなものを持ったところで持て余すだけだろうに。さあ、さっさとそれをこちらに……――ッ!?」
激しい音がした。
アベルが目を見開く。周囲を取り囲んでいた騎士らもはっと息を飲んだ。
無遠慮に伸ばされたアベルの手が、見えざる壁に弾かれたのだった。クルスが何かをしたわけではない。聖剣が己にふさわしからざる相手を自ら拒否したのだ。
さっとアベルの顔に朱が差した。
「下賤の分際で……!」
抜き身のままだった騎士剣が怒りのままに振り上げられた。
キリークが防御のための呪文を唱え始めるのが聞こえる。クルスも本能的に聖剣を頭上に構えた。一撃目は逃れられる。だが周囲を囲む騎士らが動けば、それこそ蜂の巣にされる。
――絶体絶命の窮地。
「何――ッ!」
そこに。
馬の嘶きが飛び込んできた。近づく複数の蹄の音。あっという間に現れた黒い影の上から、白銀に輝く刃が降る。反射的にか、そちらを振り仰いだアベルの背中が雷に打たれたかのように硬直し――次の瞬間にはどっと倒れた。すべては一瞬のことだった。
「アベル様!?」
「ひ、いいいっ!」
「に、逃げろおおっ!」
後から追いついてきた騎馬が辺りの騎士達を蹴散らし始める。
優位を確信していたであろう騎士たちの顔が恐怖と驚愕に彩られ、緊張が途切れる。あっという間に数名の騎士が逃げ出した。あとはもう、芋蔓だ。一気に包囲の輪は千切れ、付近に隠れていた人々が一斉に駆け出す。
逃げる者、なんとか部隊の崩れを維持しようとする者、恐怖に駆られて騎兵に突撃し、命を絶たれる者、逃げることも戦うこともできないまま、ただ茫然とする者。
おそらくは仲間であったはずの彼らを一瞥することもなく、馬上の人は静かに石畳に降り立った。白銀の髪と白銀の鎧が、炎の色を受けて赤々と光る。右手に握られた騎士剣も赤く染まっていた。反面、顔色は蝋のように白い。酷くやつれているが、こんな戦場で目にするには似つかわしくないほどの、整った顔立ちの男だった。
「…………ぅ。」
ごぼ、と足元から音がする。アベルだ。まだ生きていた。だがうめき声が漏れるばかりで立ち上がることもできない。
「裏切り……もの……め……!」
言葉を吐き出した口元から一気に血の泡が噴き出した。肺に穴が開いているのか――だとすれば、もう助からない。
男は一歩、二歩とアベルに近付き、素早く剣を振り下ろした。――誰が止めるような間もない、風を切る鮮やかな一閃。すぐにアベルのうめき声は消えた。慈悲の一撃だった。
ゆっくりとしゃがみ込み、開いたままのアベルの瞼を閉じてから、男が立ち上がる。氷の色をした瞳がクルスの視線にかち合った。
※ ※ ※
「その騎士が……。」
「シグレアでした。彼がいなければ、僕はここには居ないでしょうね。」
「どうしてシグレア様はそんなことを……?」
せいぜい一月ちょっとの付き合いしかないエルゼリでも想像がつく。あの、真面目が服を着て歩いているようなシグレアが、味方に――それも己の上官に向かって牙をむくなど、よほどのことが無ければありえないことなのではないかと。逆に言えばそれだけの強い決意をもって彼は反旗を翻したとも受け取れる。
「後から聞いた話ですが。シグレアは町を焼き払ったり住民を切り捨てたりといった行為をやめさせようとして、永らく騎士団の中で対立をしていたようです。彼もあのような性格ですから、正攻法でなんとかしようとしたんでしょう。聞き入れられずに拘束や拷問に遭うこともしばしばだったようですが……。
あの日、彼は国王の騎士であることをやめ、僕らの仲間になりました。」
一度唇を湿らせるように紅茶を含んだクルスは、ふうと息を吐き出した。
「彼は僕にとっては命の恩人です。彼とともに国を裏切って、僕らの軍に加わってくれた仲間ももちろん。……ですが、仲間の中には彼らを国王の手の者と嫌う者もいる。」
「それはシグレア様が貴族で、国王の騎士だったから……ですか。」
「それも理由の一つでしょう。ですがもっとはっきりとした理由があります。彼も、国をはっきりと裏切るまでの間、任務として他の騎士と同じことをしていたからですよ。もちろん国の騎士である彼にとってはそれが任務だったわけですが。」
「……。」
「彼に家族を殺されたという人が、仲間の中に何人もいます。そういう傷は、頭で分かっているとは言っても消えるものではありませんから。わだかまりもそうです。もっと長い時間をかけていけば、あるいは少しずつ互いに信頼し合うこともできたのかもしれませんが……。」
そう言ってクルスはかすかに笑った。
「いや、これも言い訳ですね。僕とシグレアは、目的を同じくすることは出来たけれど、互いに信頼し合える関係にまではなれなかった。それがすべてなんだと思います。結局……僕はそれ以上の信頼を勝ち得なかった。シグレアはここにとどまることよりも、あなたを選んだ。」
「そんなことを言われましても……。」
エルゼリにしてみれば、シグレアにあんなことを言われたこと自体が理解不能なのだ。エルゼリがもしも主を選ぶ立場だったとしたら、絶対に『エルゼリアード王女』を選んだりはしない。国王の血を引く最後の姫だなんて、砂上の楼閣にも等しい危うい地位だ。実際それを理由に、エルゼリは北のマレイグに行かなければならないのだし。
「正直、この先私と一緒にマレイグに向かうとなれば、場合によっては今以上にシグレア様にご面倒がかかるようになると思います。私だけでは自分自身の日々の暮らしもままなりませんし、自分を守るような力も、もちろんシグレア様をお守りできるだけの後ろ盾も皆無ですし。それがシグレア様のためになるのか、と考えると……。」
ちらとエマを振り返ったところで、「私に聞かないでくださいよ」と返された。
「だって、本当に分からないんだもの。ちょうど同じような立場の人といったら、あなたしかいないじゃない。」
「あら。もしかしてエルゼリ様、私のことを不幸だなんてお考えではないですよね。私はエルゼリ様のお側にいられるだけで幸せですのよ。」
「変わってるものね、エマは。」
「……なんとでもおっしゃってください。お分かりいただかなくて結構ですから。私の幸せは、私が決めるものですので。」
にっこりと笑ってエマは言い切った。
「彼女の言う通りです。シグレアの未来はシグレアが決める。
彼の家は王に潰されて残っていませんし、もしここを出たとしても行く当てもないはずです。その彼が、あなたを選びたいと言っている……どうかもう一度考えてみていただけないでしょうか。僕から彼にしてやれることと言ったら、このくらいしか思い当たらないんです。」
クルスはそこで一度言葉を切った。エルゼリは彼の目を見上げる。
「この先、あなたにまた命の危険が迫らないとは言い切れません。あなた自身には護衛が必要ですし……シグレアには間違いなくあなたが必要だ。」