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まずは未来変える第一歩…だな。


「えーキャプテンをさせていただきますー。試合をたくさん組んで経験を積んでいきたいのでそこは監督、お願いします。で、俺らは練習を前まで以上に取り組んでいきたいと考えてます。少しは厳しくなるけど皆で頑張れたらな、と思っているのでついてきてください。よろしくお願いしゃす!」


俺が立候補したことであっさりとキャプテンに就任することが決まった。

最初ということもあり、あいさつと一言を話す。

まあ無難なあいさつだろう、と思ってると教室の左隅に座っていた者から声が上がる。


「まあ良いんじゃないの?今までの練習温かったし本気でやるってことだよな?」


ワックスで整えた髪を弄りながら言うのは高野(たかの) 健二(けんじ)

中学時代は県選抜に選ばれるほどの実力者でありながら素行不良のため他の強豪校から敬遠されたために仕方なく近所でバカ校のウチに来た。


ちなみに1週目では2年秋大終了後に監督の采配に納得がいかず監督を殴ってしまい退学している。

今回はその事件を避けなければならない。


(そもそもあの采配はめちゃくちゃだったからな。俺がキャプテンになってもう少しハッキリと拒否れば大丈夫…なはず。)


その采配とは突然1年生を育てる、と監督が言いだしエースであった俺、1番でショートのレギュラーであった健二、そしてキャッチャーの将人を揃ってベンチに下げ1年バッテリーと試合経験の少ない控えを無理やり起用するという暴挙であった。

当然反発はあったもののその頃から練習をサボり気味だった俺と監督と反りが合わなかった健二の意見はスルーされた。将人も思うところはあったが仕方なく従った。


(その結果が0対19の5回コールド負け。あげく参考記録ながらノーヒットノーランを食らうオマケ付きだったからな。健二が殴ってなかったら俺が…。)


「まあそういうこと。やるからには勝ちたいし。」


健二は俺がそう言うと満足気に頷く。やんちゃだけどやる時はやってくれる良い奴なんだよな。そう思ってると健二の隣に座っていた小柄な男がすぐに口を開く。


「えー!僕は嫌!しんどくなるってことじゃん?」


日代(ひしろ) 克也(かつや)。チーム1の低身長で小技が得意な2番打者。

おちゃらけた性格でチームのムードメーカーである。ウチの野球部では珍しく坊主にしていて野球少年という表現がピッタリである。そしてなにより


「かっちゃん。勝てばモテモテだぞ。」


「えっ…?じゃあやる!!」


健二が克也にそう言うとあっさり意見を覆した。

そう。克也はモテたい!ただその一心で野球をやる変わった男だった。

我が橘北高校は元が女子高であり、普通科の他に家庭科という学科がある。そのため女子の比率が多く、克也はそのただ一点だけでウチに来たのだった。


その後はとくに反対意見もなくミーティングは終わった。

副キャプテンには将人と健二が選ばれ新生橘北野球部が始まるのだった。







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