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Neon Wave Odyssey - サイバー世界の調和と啓示 -   作者: ジャンク・イケ
1章
3/6

002話 2078年の部屋

「では、あなたがこれから過ごしていく部屋にご案内します」

そう言って、セリュリアは倉庫の地下の部屋に連れて行ってくれた。


地下に足を踏み入れた瞬間、私は息をのむ。

そこには、2078年ならではの最先端技術が詰め込まれた空間が広がっていた。


「ここは、私たちの隠れ家であり、休息の場です。最新の設備が揃っているので、どうぞごゆっくりお過ごしください」

とセリュリアは微笑んで説明する。


俺は興奮し、目の前の見慣れない物を物色してはセリュリアに質問していった。

それと同時に、俺が過去からの意識のままこの世界にいることをセリュリアは理解してくれた。


壁一面には、折りたたみ式のマイクロLEDスクリーンがあり、好きな映像や情報を表示できる。

部屋の隅には、3Dプリンターが置かれており、必要な家具や衣類、食器などを自由に作成することができる。

しかも、皮や鉄に近い素材感を出せるフィラメントがこの時代では主流で、買うより作ることのほうが自分好みにできる。


部屋の空気を常に清潔で快適な状態に保つための高性能空気清浄機が設置されている。

クローゼットは大きく、入れると自動で除菌消臭してくれる。


ホログラムプロジェクターと呼ばれるガジェットがあり、立体的な映像や情報を空間に投影できる。

立体的に現在の時間や天候、空気中のごみの量が視覚的に確認できたり、

ユーザーによっては、アイドルやキャラを投影し娯楽に興じることもできるようだ。


また、空気中から水分子を採取し、給水を行うウォーターリサイクラーが設置されていた。これにより、地下空間でも無限に水を利用することが可能になっている。

これは市販されていないようだ。


「こちらは、疲れた身体を癒すための最新のリラクゼーションチェアです。ナノマシンが筋肉を緩め、疲労物質を取り除いてくれます。また、頭部に装着するヘッドセットによって、心の疲れを癒すバーチャルリアリティ空間に浸ることもできます」とセリュリアが説明する。


俺はリラクゼーションチェアに座り、驚くほどの快適さに目を丸くする。ナノマシンが働きかける感覚が痛みもなく、気持ち良く感じる。

また、ヘッドセットを装着すると、美しい自然の風景が広がり、心も癒される。


部屋の奥には、キッチンエリアがあり、冷蔵庫には栄養価の高い合成食品が並んでいる。

「なにか食べますか?好きな食べ物はありますか?」


「こってりなラーメンが食べたい!」

彼女にされる、この類の質問にはいつも悩んでいたが、今日はすぐに答えた。


「そんな安価で栄養がないものでいいのですか?では、できるだけ良い食材でつくりますね。」

麵具材の袋とスープの袋を自動調理器具にいれてボタンを押した。

ラーメンはこの時代でもあるようでよかった。

しかも、調理方法が似ている。


「電子レンジはないの?」


「電子レンジは存在はしていますが、好みがわかれます。私は使いません。」


「好み?」


「電子レンジを起動したとき、どうしても電磁波が出ます。おそらくあなたの記憶の時代では2.4GHz帯の電磁波が出ていたと思います。」

「それらはBluetoothと呼ばれる旧無線規格やWi-fiの同周波数帯に影響を及ぼしていたはずです。」

「高機能になり周波数帯が変わっても、強い電磁波で調理するという工程は変わりません。」

「テクナの方の一部デバイスにノイズの影響がでたりとするので、好みが分かれるのです。」


「そういえばテクナってさっきも言ってたがそれはなんだ?俺もテクナだとかなんとか言ってたが」


「テクナとは、体の一部、もしくは複数個所が機械化している生体のことです。」

「一方、なにも機械化していない生体のことをナチュアと呼びます。」


なるほど。2078年の未来の世界だ。

そうなっていることは当然だ。


「俺もテクナなのか?どこが機械化している?」


「全身を調べないとまだ全て把握できません。」

「ただ、首元のインターフェースと、記録メディアがそこ挿入されその情報をもとにここに来たことを鑑みれば、電脳化はできていると推察されます」


確かに言われたらそうなってないとここまでの経験は説明がつかない。


「セリュリア、全身を調べてくれ」


「承知しました、では奥の扉を開けて入ってください。そこで調べます。」


「あ、やっぱラーメン食べた後で!」


テクナでも腹が空く体ということはわかった。

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