KMRさんが転校してくる。
湯気のたちこめる風呂場。熱い湯の入った風呂に漬かりながら、以前見た夢のことを考えている。
「あれは...なんだったのだろう......」
8月が始まり、1週間と3日が経った時に見た夢のことだ。
今では少ししか思い出せない...でもこれだけは覚えている。ある女の子?が唐突にこう言ったんだ。
「お前のことが好きだったんだよ!」
と...。自分はモテるわけでもないのに、告白されたような感じだった。
それに、誰かも分からない。遠く昔会ったのかもしれない。
あれから1週間経った今でも頭の中はその事でいっぱいで、何も手をつけられない。
なぜ、こんな夢を見たのかと考えてる。体がのぼせてきた。
自分のちんこをたたせて、未確認生物のネッシーかのように遊ばせる。
そんなくだらないことはやめて、風呂から上がる。
今は真夏。とても暑いので体を少しだけ拭き、少し濡れた状態にする。
こうすれば体がひんやりするので、とても気持ちいい。
一緒に置いてあった、ブリーフのパンツを履く。
子供の頃、頑なにブリーフだとは認めなかった。ボクサーパンツとでも言っていた。
今ではなぜだかは思い出せない。でも何かしらの理由はあったはずだ。
懐かしいなあと思いつつも自分の部屋のパソコンの方へと向かう。
風呂上がりに1発抜くのはなんか気持ちいい。オカズをしばらく探した。
だが、これがいいというのは全く見つからない。オカズ探しの方が時間がかかるってそれいちばん言われてるから。
もうあれでいいか...。普段観ていたホモビデオで抜くことにした。
「冬至の朝の淫夢」という作品名だ。全部で1章~4章まである。
話の繋がりはない。だけど、出演している男優の演技がとても面白いのだ。
特に4章は有名だ。ホモビマニアの評価は平均が最大が5としたら4.545以上はあるだろう。
4章を見て抜くことにする。4章は男性が、男性を家に誘い、レイプする。特別なシチュエーションは特にないが、面白いし、興奮する。
ふぅ…...。またこのホモビで抜いてしまった。もう810回は抜いたんじゃないか、というくらいに。...いや、それは言い過ぎか。
時間を確認すると夜の11時になっていたので寝ることにした。
性欲や食欲、睡眠欲のままに夏休みを終える。
9月になった。また学校が始まると思うと気分が重い。今日は始業式がある。
クラスに喋れる人はいるが、夏休みに遊ぶ仲でもない。
小学生の時には気づいていた。親友というものが、いないことに。
早起きしていた息子を慰めようとした。が、時間が無い。
仕方なく顔を洗い、ご飯を食べる。パンツ一丁だったが、制服を着る。
モッコリしている股間がバレないように。
家を飛び出し、駅へと向かう。9月とはいえまだ暑い。早く涼しくなるといいな、と思いつつ駅に到着。
数分後、電車がやってくる。いつもの場所に座る。
自分の住んでいるところは田舎よりなので、座る場所がないということはない。
むしろスカスカな方だ。
反対側の席に女子高生が乗っていた。歳は同じくらいだろうか。制服は自分の学校とは違う。髪はボブで、髪は少し茶色がかっている。胸もそこそこあり、スタイルもいい方だった。可愛いなと思ってじっと見ていると、彼女もこちらの方を見る。
だが、すぐに目を逸らしてしまった。なんか見たことがある気がする。
そんなはずはないと自分に言い聞かせる。こんな人が彼女だったらなあとも思う。
いつの間にかいつもの駅に到着する。
人があまり通らない道を通る。人と会いたくないという陰キャ特有のやつだろうか。
人が歩いていても大体の人を追い越せるくらい、速く歩く。
学校に到着する。ぬわああああん疲れたもぉぉぉぉんと思いつつ席に座る。
俺の席は窓側の1番後ろにある。隣にも席があるが、誰も座っていない。
1学期に転校してしまった、遠野という女の子だ。クラスの男子は可愛くないと言っていたが、自分は可愛いなとは思う。綺麗でツヤのある長い黒髪が印象的だった。
なんだか今日は人と話す気になれない。夏休みに何かをした訳でもないから、話す内容がない。スマホをいじる。
ネット掲示板の面白いスレッドのコピペの動画を観る。
音を出さなくても楽しめる。それに、イヤホンは今壊れていて使えない。
しばらくして、担任が教室に入ってきた。
「はいはーい静かにしてねー。皆座ってー。あく座れよ。 今日は転校生が来ます。」
教室はざわつく。いきなりだったこともあった。可愛い人かな?イケメンかな?と盛り上がる。
HRの時間だ。担任が連絡したあと、転校生の紹介の時間になった。
「入って、どうぞ」
「失礼しまーす」
とても可愛い人だった。みんな喜んでいたが、あることに気づいた。
(電車に乗ってた人じゃんアゼルバイジャン)
担任が静かにしろ、と言ったところで転校生が自己紹介を始める。
「木村奈緒子です。下北沢から来ました。」
下北沢...か。確か東京にある街だった気がする。昔は行ったことがある。
コンビニにあった、コンドームに指をさして母親に「これはなにー?」と聞いた。
今となっては恥ずかしい思い出だ。
「スポーツはあまりやらないんですけど、トレーニングをやっています。アニメや漫画が好きです。よろしくお願いします!」
盛大な拍手がおこる。担任が席へと案内する。案内した席は俺の隣だった。
「よろしくね」
「あぁ...よろしく」
HRは終わる。休み時間になり、クラスの人が集まる。
「じゃあまず、年齢を教えてくれるかな?」
「17歳だよ」
「誕生日はいつ?」
「8月10日」
「身長と体重はどれくらいあんの?」
「身長は161cmで、体重は秘密です」
「彼氏とかはいる?」
「いつまでいたの?」
みんなはひたすら質問責めしている。木村は少し困っていた。
なんだか喋りたい気分でもなかったため、授業の用意をしてまたスマホをいじり始める。
授業も終わり、帰ることになった。木村を囲んでいた人はいない。話したくなった。
「あ、木村さん」
「奈緒子でいいよ」
「あなたさっき自己紹介でアニメ好きって言ってましたよね?」
「そうだよ(便乗)」
「なんのアニメが好きなんですか?」
「んー...やっぱりビースト百面相かなあ」
「俺それ知ってる!めっちゃ好きなんだよ!」
「あぁ^〜いいっすね^〜」
とても嬉しかった。ビースト百面相は知っている人が少なかった。なので同じものが好きということを知ったからだ。ビースト百面相とは主人公が、突如現れた100種類の顔を持つ獣を倒すというものだ。王道なストーリーかもしれない。
「そういえば映画あるらしいじゃんアゼルバイジャン。よかったら一緒に見ようよ!」
「いいゾーこれ〜」
女の子と映画を2人で観るということなんて1回もなかった。
この子、やりますねぇ!
チーンポーンチーンポーンチーンポーンチーンポーン
チャイムが鳴る。最終下校を告げるチャイムだ。帰らなければならない。
「あっそうだ。奈緒子ってどこら辺に住んでるの?」
「こ↑こ↓」
彼女はそう言って、スマホのマップを見せてくれた。俺の家にとても近い。
歩いて1.4154分くらいで着く距離だった。
「俺の家の近所だ。よかったら一緒に帰らない?」
「いいよ!こいよ!」
こうして奈緒子と一緒に帰ることとなった。色んなことを話した。ビースト百面相ではどのキャラが好きか、獣の好きな形態はなにか、など。
少し緊張していたが、とても楽しかった。
「こ↑こ↓」
気づけば奈緒子の家に着いていた。駅の方まで割と遠いはずだが、感覚的には一瞬だった。
奈緒子の家は一軒家だった。3階建てで結構大きい。屋根はなく、フェンスが立てられていた。屋上があるようにも見えた。奈緒子は金持ちなんだろうか。
「なんかSNSとかやってんの?」
「そうですねぇ...やっぱり私は王道を征く...LINEですかね」
「じゃあLINE交換しようよ!」
ということでLINEを交換する。奈緒子のアカウントのアイコンを見て、少し驚く。
肌が黒めの、短髪の青年だった。肌は少しテカっている。それに、見るからに臭そうで画面を臭いが貫通するんじゃないかとも思った。
なぜこんな人の写真をアイコンにするのか、疑問になった。
「じゃあ三浦くん、また!」
「お、そうだな」
奈緒子と別れて家へ帰る。ここで俺は違和感を覚える。なぜ奈緒子は自分の名前を知っていたのか。今日は隣の席とはいえ、1回も喋ってない。俺は名札は今日に限って、つけていない。
ファッ!?ウーン...少し不思議に思い、靴を脱いでいつものように自分の部屋へむかった。
今日放送された分のビースト百面相をシコシコというサイトで観る。漫画は既に全巻読んで、結末は知っていた。
だが、声優による迫真の演技などもあり、結末を知っていても見る価値はありますねぇ!
流れていくコメントにセンスもあり、とても面白い。
観終わったタイミングで、スマホの通知がオォン!と鳴る。ホモビ男優の喘ぎ声を通知音にしてる奴は世界を探しても俺だけだろう。
確認すると、奈緒子からだった。ファッ!?思わず声が出てしまう。
LINEを開き、メッセージを確認。映画はいつ行くか?というものだ。
緊張していた。初めての、女の子とのLINEだからだ。LINEのトーク相手が居ない訳じゃないが、女の子と話すことは無かった。
「いつでもいいよ!」
「あっそっかあ...じゃあ今週の土曜日に行こうね!」
「お、そうだな。どこに観に行く?」
デートみたいな感じで興奮する。だが、こっちががっつき過ぎると気持ち悪いと思われるかもしれない。謎の心理戦が始まる。
「そうですねぇ......やっぱり王道のイキスギテッド・コウジ」
「あぁ^〜いいっすね^〜。時間帯とか確認しとくね」
「じゃあまたね」
「おん」
奈緒子とのLINEが終わる。時間帯を調べる。変に遅い時間だとまずいので、1時くらいから始まるやつを見ることにした。
土曜日が楽しみだ。2人きりで、それも結構可愛い子と一緒に出かける。
楽しみすぎて勃起してしまった。恥ずかしい。
土曜日までの学校は楽しかった。奈緒子とちょっと喋ってるだけで周りにやりますねぇとまで言われた。あっという間だった。
ぬわああああん。目を覚ます。時間を確認。7:30!?まずいですよ!学校に遅刻する!と思ったが、今日は土曜日。休みだった。ひと息ついたところで、することもなかったのでとりあえず抜いた。アアアーーッッッ!!!
昨日の夜も風呂に入ったが、念には念を、という事で入浴する。
風呂から出たあと、歯を磨く。いつもより丁寧に、綺麗に磨く。汚いと言われたくない。
歯は努力で割とどうにかなる。身長やちんこ、顔と違って。
服を着る。どんな服にしようか迷ったが、普段よく着ている服と同じにした。
紺色のTシャツに、ベージュっぽい色の短パンだ。
至ってシンプルな服装だ。変にチャックの服とか、キモオタみたいな服装はやめる。
早めに家を出て、約束の時間よりも5分くらい早く到着。
少し探すと、奈緒子の姿があった。
「待った?」
「待ってないゾ」
「じゃけん行きましょうねーー」
「お、そうだな」
奈緒子は男っぽい言葉遣いになる。今の時代LGBTがどうとかでこういうことは言っちゃ行けないのかもしれない。
しばらく歩き、イキスギテッド・コウジに到着。
ポップコーンなどを頼み、席へ座る。
映画が始まる前に、奈緒子が言った。
「なんか恋人同士みたいだね笑」
「そ、そうかな?」
本人がそう言ってくるもんだから、少し恥ずかしかった。
お互い無言の状態で映画が始まる。
最後の方で主人公と師匠とも言えるべき人が、死んでしまった。
谷岡という人だ。見た目はヤクザみたいな感じでイカついけどとてもかっこよく強かった。
口癖は、「あくしろよ」だった。漫画でもこのシーンは見たけど、映画なら尚更だ。
悲しくて涙が少しだけで、出ますよ。
映画が終わり、イキスギテッド・コウジの外へと出る。
「この後どうする?」
「どうしよっか何するとしてもあんまり時間ないし...」
グウゥゥゥゥ!俺の腹が鳴る。1枚の分厚い壁があっても普通に聞こえるくらいうるさかった。奈緒子は少し笑っていた。恥ずかしかった。
「この辺に、うまいラーメン屋があるらしいよ!そこに行こうよ!」
「あっそっかあ...行きてぇな」
「じゃけん今から行きましょうね〜」
奈緒子はラーメン屋の存在を知っていた。引っ越してきてすぐと言っていた。
俺のためにわざわざ調べてくれたのかもしれない。
食べ終わると、奈緒子は言う。
「まずうちさあ、ゲームあんだけど、やってかない?」
「あぁ^〜いいっすね^〜」
奈緒子の家に行くことになった。ゲームは自分の家でもできるが、やっぱり同じ場所で一緒にやる方が楽しい。
家に入る。家の中はとても綺麗で、広かった。
「親はいないの?大丈夫?」
「今はいないよ。大丈夫だよ!バッチリ上がれるよ〜」
両親揃っていないこともあるのか?もしくは片親なのか?
家庭の事情に関しては俺には全く関係がない。赤の他人があれこれ言う資格もない。
黒塗りの高級のソファに座る。大乱交!淫夢ファミリーズというゲームが映し出されていた。これは既にやったことがあるし、今でも結構やる。ホモビデオに出演していた人を操作して、ダメージを与えて、場外へ吹っ飛ばすというゲームだ。
俺は豪というキャラを選ぶ。普通に強いし、神ということもあって演出がかっこいいので気に入っている。奈緒子は今田耕司先輩を選んだ。移動速度も速めで、一撃一撃が重い。
空を飛んで復帰力もある。
何試合かやった。全て負けてしまった。自分のうまさを例えるなら、全国のプレイヤーを強い順に並べて、上位の10パーセントには余裕で入るくらい。
「奈緒子めっちゃうまいやん」
「まあいつもやってるから、当たり前かなあ?」
また何試合かやり、最後の試合だけ勝った。
「やりますねぇ!」
奈緒子は賞賛してくれた。俺が負けててもバカにしていなかった。こんな俺に負けても、「なんでこんな雑魚に負けるんや!」と暴言を言わなかった。
「喉渇かない?」
「乾いた」
「なんか飲み物持ってくるね」
そう言って奈緒子は階段をおりてキッチンへと向かう。
大きな声を出していたこともあって喉がカラカラだった。
しばらくして、奈緒子が飲み物を持ってきた。
「麦茶だけど、良かったかな?」
「全然いいよ。いただきまーす!」
ごくごくと飲んだ。頭がキーンとなる。
時間を確認するともうすぐ帰る時間だった。だからといってまだ帰らなくてもいいような時間だ。
ソファから立ち上がると、めまいがする。
「あ!大丈夫!?」
「あ、ああ」
玄関に着く前に、意識は途切れた。
ん、んもう...。寝ていたのか...?
ここはどこだ?周りはコンクリートに覆われている。それだけはわかる。
何故か手が動かない。紐でがっちり固定されている...!?
よく見ると、体の上に下着姿の奈緒子が乗っていた。
「奈緒子...?なにしてんの...まずいよ!」
奈緒子とヤれるのならいい。が本能的に抵抗してしまう。
「暴れるなよ...暴れるなよ...」
奈緒子は瓶の中の液をタオルに染み込ませ、それを俺の口へ運ぶ。
意識が遠のいていく。
「お前のことが好きだったんだよ!」
あの日見ていた夢は予知夢だったことに気づく。奈緒子と夢の中の女の子は似ていた。
「懐かしいよねえ...小さい頃、公園で遊んだっけ」
昔下北沢に行った時に出会った子だとわかった。
ここで意識が途切れる...。
目を覚ますと、横には裸の奈緒子がいた。可愛いなと思い、寝顔を見る。
何をしていたのかはよく思い出せない。だけど、、気持ちよかった。
もしかしてレイプされた!?まあ、それもいいか...。
このあともめちゃくちゃヤった。