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少女たちのハッピーエンド
瘴気も晴れ、空は再び太陽がさんさんと陽子達を照らす。
娯楽都市の景色は相変わらず瓦礫の山だったが、今は晴れ晴れとした気分だった。
この街もじきに復興が始まり、また皆を楽しませるようになるだろう。
疲れたのか、皆あおむけになっていた。
全てを出し切って、世界は救われたのだ。そして友達であるメリーも。
「おーい、ヨーコ!」
陽子はその声にハッとして起き上がる。マイだった。
「……やったんだね」
「うん」
「これからどうするの?」
「……約束、忘れた? 一緒にアイス食べに行こう?」
「でも、いいの? ヨーコは世界を救った勇者なんでしょ?」
「いいの。私にはその方が似合っているかなって」
「もったいないって! せめて、写真を残そうよ!」
そんな言葉にちょっと困ったように笑顔を向け、皆を集める。
マイにカメラを渡し、陽子達は並ぶ。くろ、メリー、ランピィ、チェーヒロ、ゴンも含めて八人と二匹。
「撮るよ! 笑って!」
皆の今までで一番の笑顔が、写真に納まった。