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異世界探偵社  作者: 黒銘菓
最初の事件:記憶喪失 異世界転移 銀行強盗の容疑者
5/8

5章:証言その3

 ここで取り敢えず証言パートは御仕舞になります。

 「で、手早くお聞かせ願いたいのですが。何の御用でしょうか?朝から警察の協力と本店への説明と店長業務の代理で私も暇では無いのです。」

 応接室に入って来た副店長のシアラさんは僕に関節技を掛けて来たあの人だった。メタルフレームの眼鏡に神経質そうな顔。いかにも仕事人間な。エリートな雰囲気を纏いつつ、露骨にイラついていた。大怪我でもしたような、もの凄いしかめっ面だ。殺意と言っても過言ではないレベルの不機嫌さだ。

 そういってイラつきながらも左手でもの凄い量のメモを書いている。何だろう?象形文字か暗号に見える。

 「申し訳ありません。彼方が第一発見者と聞いて、その時のおはな…」

 「今朝9時を過ぎても店長が部屋から出て来なかったので不審に思いノックしましたが応答が無く、大声で声を掛けましたが応答が無かったので緊急事態の可能性を考えドアを破って侵入。中に居た不審者。そちらの方をを取り押さえました。以上ご質問は?」

 立て板に水。最初のリリーさんも中々の喋りだったが、ある意味それ以上の圧が有る。

端的で解りやすいのだがどうにも敵意がぬぐえない。

 「あなたは金庫のカギを…」

 「私は店長室の鍵を持っていません。当然金庫の鍵も持っていません。あの金庫はそもそも店長の管理しているものでしたので中身すら存じません。」

 「それはどういう…」

 「あの金庫は店長直々に預かった品物を入れておく物でしたので我々は知りません。無論。暗証番号も知りません。」

 ルイスが質問を言い切る前に察して返答を返して来る。非常に有能で話を訊くのに手っ取り早いんだが、なぁ。

 「じゃぁ、彼方は店長のバンクさんを恨んでいました?」

 今回はルイスの質問が途切れることは無かった。

 「………別に、バンクを恨むなんて事はありません。もう宜しいでしょうか?私は忙しいので。もうそろそろ仕事に戻らねばなりません。店長の穴埋めのためにも今日はいつも以上に働かねばならないのです。」

  先程までの対応と違って少し間が有ったが、彼はそう言って逃げるように応接室から出て行こうとする。

 「あ、そうでした。彼方は今朝、店長の姿を見ましたか?」

 「えぇ、珍しく我々が出社した後で来て、何事も無く自分の部屋に入っていきました。では。」

 メタルフレームの眼鏡を左手小指で上げながら立ち去る彼を止める術など無かった。




 「うーん…。取り敢えず、事件発覚時に居たメンバーは全員の話を一応聞けた訳だが…。」

 「何か問題でもあるのかい?」

「いや、そんなこった無い。が、もう一回。見た後で聞いた方がよさそうだな。」

 「見るって、何を?」

 僕の疑問に答えるように彼は笑ってこう言った。

 「決まってるだろ?現場100回。話を訊いた後に改めて現場を見させてもらうのさ。さっきはチラっとしか見られなかったからね。君も来る?」

 「勿論行くさ。」

 腰を上げて店長室へ向かった。






 感想、評価、レビュー等を聞かせて頂けたら幸いです。宜しくお願いします。

 尚、「小説家になろう」に登録していなくても感想は書けるようになっています。

 厳しい評価、お待ちしています。


 なお、他にも色々書いているので他の 黒銘菓 の作品も宜しくお願いします。

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