表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/60

第36話



 丘から見える大きな城。

 後ろを見れば森に山。

 さっきまで居た俺の愛するベッドや机はどこに行ってしまったのだろうか……。


「マジかよ……」


「マジだよ」


「異世界だな」


「まぁ、確かにそうだね」


 異世界かぁ……もう一人の自分が違う世界から現れたと思ったら、今度はその世界に俺が行く事になるとは……。


「まったく……人生は色々だなぁ……」


「そうだねぇ……」


「そうだね、じゃねぇぇぇぇ!!」


「なんだよ、うるさいなぁ……少しは落ち着いて……」


「落ち着けるかボケ!! こっちは海外旅行だってしたことねーんだよ!! 異世界に飛ばされて冷静な方がどうかしてんだよ!!」


「あぁ、悠人の持ってた本にあったね! 異世界転生って!」


「転生はしてねーよ!!」


 俺は焦っていた。

 明日の件ももちろんあるが、自分が元の世界に帰れる保証も無い。

 しかも日も落ちかけてるし……魔物とか出ないよな?


「じゃあ、行こうか」


「どこにだよ!」


「このままここに居ても仕方無いだろ? 僕の家に行こう」


「え!? お前の家? あの城の下とかにあるのか?」


「いや……僕の家は……」


 ユートに言われ、俺はユートの家に向かった。

 本当に俺の世界とはまったく違う。

 建物の作りは木かレンガばかり。

 明かりも電気では無いようだ。

 十五分ほど歩いて到着したのは、丘から見た大きな城の門の前だった。


「なぁ……お前の家って……」


「この中だよ」


「城の中にあるのかよ……」


「彼女のお父様……国王陛下が城の敷地内に新居を構えよと言われてね……あまり娘を遠くにやりたくないんだろうね」


 悠人はそう言うと、大きな門の脇にある小さな扉から門の中に入っていく。


「おかえりなさいませユート様」


「あぁ、ただいま。夜間警備お疲れ様」


「ありがとうございます! 明日の戦いに参戦出来ず残念です……」


「戦いなんて参加しない方が良いさ……それよりも今日は客人が居るから、一緒に通してもらえるかな?」


「はっ! 国の英雄が認めた方ならば!」


「大丈夫だって悠人!」


 ユートがドアの向こうから俺の名を呼び、ドアを開ける。


「入って良いのか?」


「え……えぇぇぇ!! な、なぜに!? なぜにユート様が二人!?」


 ドアの向こうに出ると、鎧を来た兵士が槍を持って立っていた。

 兵士は俺とユートを交互に見て驚き、そのまま腰を抜かしてしまった。


「悪いんだけど……このことは秘密にしていて貰えるかな? バレたら面倒だし」


「は、はいっ! わ、分かって下ります!!」


「じゃあ、よろしく」


 ユートと俺はそう言うと、城の敷地内を歩き始めた。 デカい……城もデカければ、庭もデカい。

 城の敷地内は何層にも段になっており、その一つ一つに小さな家が建っている。


「なぁ……あの家の中の一つか?」


「いや、アレは城の使用人が住んでいる家だよ。僕の家はアレ」


「ん……おい……マジか」


 そう言ってユートが指さしたのは、層の二段目にある大きなお屋敷だった。

 おいおいマジかよ……あの野郎……こんな良い家に……。


「俺の家は普通の一軒家なのに……」


「君も頑張れば大きな家くらい建てれるさ……この家は和平交渉を結んだ功績に貰ったんだ」


「それぐらいの功績あげないと住めないのか……」


 俺には無理な話だな……。

 俺には特別な力も何も無いし。

 

「ここが僕の家だよ、まぁゆっくりしていってくれ、良い機会だし」


「お、お邪魔します……」


 俺はそう言いながら家のドアを開けて中に入っていく。

 大きな家だ、中央には大きな階段、なんか高そうな装飾品……英雄の家ってこんな感じなのか……。


「おかえりなさいませ、ユートさ……ま!?」


「あぁ、サーリア。ただいま」


「ユ、ユート様が……ふ、二人!?」


 俺とユートを迎えてくれたのは、メイド服姿の女の子だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ