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中華街

 その日は急に暇ができてしまった。マッチングアプリで知り合った女の子と、デートをする予定だった。


 実際会ってみれば、写真詐欺もいいところだった。


 俺は即座に踵を返し、適当な理由をつけて今日のデートをキャンセルしてきた。


「ったく、あんなブスと分かってりゃ、無駄にチャットだってしなかったのによ」


 今まで一体いくらアプリに払ってしまったのだろう。正直数えるのも面倒だ。


「気晴らしに美味いものでも食って帰るか」


 俺が元々デートを予定していたのは、こじんまりとした中華街。美味しい麻婆豆腐でも食べて帰るとしよう。


 俺は昔から四川料理が好きだった。あの刺激的な味はやみつきになる。


 適当な店を選んでから、お目当ての品を注文ししばらく待っていた時、ふと違和感に気づいた。


 どうも先程から、誰かに見られている気がするのだ。


 まさか、デートを予定していた女だろうか。ドタキャンを恨んで跡をつけているとか?


 恐怖を押し殺しつつ、運ばれてきた四川料理を口にする。ピリリ、四川が痛い。この刺激がたまらない。


 もう一口、咀嚼した瞬間だった。右隣の男と目が合う。彼は慌てて目線を逸らした。なんだ? なぜ俺の事をまじまじと見ていたんだ?


 だんだん怖くなってきて、俺は急いで飯を掻き込むと店を後にした。


 ずっと見られている感覚がする。


 なんだ、なんなんだ。


 街ゆく人の誰しもが、俺の事をジロジロと観察している。


 視線が痛い。

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