異世界転生したら仲間が魔王になっていた件
【キーワード】
・ファンタジー
・転生
・仲間
「あれれれれ! こ、ここはどこですぞ!」
「あ、やっと起きたんですね!」
赤い毛むくじゃらが目を覚ましたそこは、小さな宿屋のようだった。
「大丈夫ですか?」
毛むくじゃらを覗き込む少女は、不思議そうにしている。それを見て慌てた真っ赤の塊は頭を下げた。
「いやぁ、どなたか分かりませんが助かりましたぞ。わたくしムックと申しますぞ」
「ムックさんですか、私はポンキッキ、よろしくお願いします」
「んん、何故か聞き覚えがありますな。いや、そんなことよりどうしてわたくしは寝ていたんですかな」
それから彼は周囲を見渡し、言葉を付け足す。
「こんなファンタジーのような世界で、異世界転生ですかな?」
彼がそう呟いたのも無理はない。彼の目に映るものが、そう思わざるを得なかったのだ。
宿屋の窓から見える空ドラゴンが飛び、中世を彷彿とさせる鎧を着込んだ軍隊が統率をとって凱旋している。
「ムックさん、旅人ですか?」
ポンキッキは不思議そうに首を捻った。
「いや、まぁ、そ、そんな所ですぞ。それよりわたくしの仲間はどこですかな」
ムックはゆっくりと体を起こし、周囲を見渡す。そう、彼は本日とあるバラエティ番組に出演するため、長い付き合いになる相方とロケバスに乗っていたはずだったのだ。
「仲間、ですか? いえ、ムックさんの他には誰もいませんでしたよ」
そう答えたポンキッキは、事の成り行きを説明し始める。荒野に一人ムックが倒れていたこと、それを偶然発見し連れ帰ったこと。そして、この国では今、突如現れた魔王によって支配され、食糧危機に陥っていること。
「それは許せませんな、このムック、魔王を倒しに行きますぞ! きっとそういうドッキリロケですぞ!」
そうと決まれば、ムックは宿屋を飛び出した。その後ろから慌ててポンキッキが追いかける。
「あの、ちなみにムックさんの仲間はなんて名前なんですか? もしかしたら酒場で探せるかも」
「んん、ガチャピンですぞ」
そう答えた瞬間、ポンキッキの表情が固まった。同時に、偶然ムックの言葉を耳にした兵士も駆けつける。
「ななな、どうしましたかな!」
慌てるムックに対し、無数の兵が刃を向けた。
「魔王ガチャピンの手下だな、捕らえよ!」
関係者に怒られそう(笑)




