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そして、認知症になった父と母  作者: 小石川弥生
8/9

崩壊の後の感動

ある日

自分が仕事に持っていく お弁当を作り テーブルの上に置いて 片付けをして戻ってきたら 弁当のおかずが減っていました。

その頃 母は まだかろうじて 動けていたので 一緒に食事を取ることができていたので 母が食べた事は 分かっていました。なので母に

「ここに 置いてある お弁当食べた?」

と、聞くと

「食べてない?」

ここまでは

予想通りの答えで 母を見ると 口がモグモグしてたので

「お母さん 口に入ってるの お弁当のおかずだよね 食べてるの 分かってるよ!でも、それ 私が

仕事に持っていくお弁当だよ。食べられたら 困るよ。」

この時私は 認知症であろうが もしそれを他のとこでもしたら 母も周りも困ると思い 言わなきゃいけないと考えて 話しました。何も言わずに

食べる事は 悪い事で悪い事をしたら ちゃんと 謝らなきゃいけない事を説明すると

「そんなふうに したことはない!そんな小さい事で 謝らない!」

「小さいな事だったら 謝らなくていいの?悪い事したら 謝らなきゃいけないんだよ。持っていく お弁当を食べたら 私は困るよ。それは小さな事で悪くないの?ふーん そうなんだ......謝らなくていいんだね!わかったよ。」

少し感情が入ってしまい 本当なら まっいっかで

済む話だったと思います。

認知症だから しょうがないは家族だけの話で 他の人からは そうは思わないのが現状 だから 分かってもらいたかった......

でも、母は私のそんな気持ちも無惨に撃ち抜き

その辺にある物を 掴み投げてきました。当たりはしなかったけど かなり心にダメージが......襲いかかって

「投げたければ 投げていいよ!お母さんが そうしたければ いいよ!」

投げられる覚悟をしました。

「投げない!投げたらダメ」

「お母さん......ちゃんと しちゃいけない事 分かるやん!」

ふてくされたように 謝って

「出ていく!ここは私の家だ!」

その言葉を聞いて

自分の心が崩壊しました。

「出ていくのは私だよ......ここは......お母さんの家だから......私は ただ......お母さんの......手助けに......来ただけだから」

そう言うのが 精一杯でした。

母は 何かぶつぶつ言っていましたが 自分の心が壊れそうで 涙が出そうで 何も話せなくなってしまい ただ 頷くしかできませんでした。

その時、優しい声で

「なっちゃん ごめん」

見ると いつもの母で どっーと 涙が溢れて 泣きながら 母と話ました。


母が心から 謝ってくれて 嬉しい嬉しいと何度も

言って 母も こんな事が また あるかもしれない

けど 一緒にいて欲しいと 言ってくれました。


心は通じたのかな?


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