表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そして、認知症になった父と母  作者: 小石川弥生
4/9

母が残したもの

◯月◯日

今日は 暑い

夜が 眠れない


◯月◯日

最近 尿もれがある


◯月◯日

また、ひどい事を言ってしまった。


◯月◯日

散歩の途中で 土手に座り込んだら 転げてしまった。年のせいか足が 動かない


◯月◯日

大事なものをしまった場所を また忘れてしまった。


◯月◯日

手も 思うように 動かなくなった。


◯月◯日

また 忘れてしまった。


◯月◯日

葬式に行ったら 日にちを 間違えた。


◯月◯日

頭がおかしくなって きた。


◯月◯日

また、オシッコを 漏らしてしまった。


◯月◯日

お父さんが また帰ってこない


◯月◯日

言葉が 出てこなくなってきた。



この日で 終わった......喉が痛い......胸が痛い!......苦しくて 苦しくて......痛くて痛くて......わんわん泣いた......

どう見ても 読めるような 字では なかった......それでも 書いたんだ......それでも

残したんだ......日記の最後は 母が入院する前日の日付でした。

その時は 母が倒れたと聞いて 病院に行ったけど

どこも悪くなくて 検査を徹底的に してもらった

けど大丈夫だった......

元気もあって 早く退院したいって言って 病院の先生も どこも悪くないって言って......た

でも、退院してから 日記の事も 忘れたんだね......

自分自身と戦ってたんだね......お母さん

知らなくて......ごめんね......そんなにも前から......苦しんでたんだね......ごめんね

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ