幼き日の紅
初めまして。そしてありがとうございます。高校時代からこんな話を書きたいなと思い投稿させて頂きました。自分は小説を読む事はあっても書く機会が無かったので文章が下手かもしれませんが暖かく見守って頂けると幸いです。
空が燃えている。
綺麗な紅色が印象的だったので幼き日の記憶だが少年は鮮明に覚えている。
空は夕暮れで比較的大きな公園には少年と妹しか居なく、まるで、その世界には少年たち兄妹しか存在して居ないのだろうかと思わせる静寂さだった。
その時居た公園には桃色のシーソー、白い滑り台や黄色い鉄棒、緑のジャングルジム、黒い縁の砂場がありその一つである青と赤いブランコに妹と少年は腰を下ろしている。
妹は俯いたまま顔を上げない。
少年も何も言わずに目の前の大きな木を眺めている。木の前には紫色のベンチがあり、理由は自分でも分からないがそのベンチを見ない様にしていた。
「兄さん、、、」
突然妹が夕焼けが映える鮮やかな黒色の髪を風になびかせこちらを見る。
「もし、この世界に兄さんと私しか居なかったら、兄さんはどうする?」
少年は悩む事なく、今とそう変わらないと返す。妹は苦笑いを浮かべまた下を向いて黙る。気のせいか妹の黒い瞳が潤む。
少年は年不相応に淡白で学校でも親しくする友達は居なかった。
本音は妹が苦手だった。勉強もできて、スポーツも得意。それに友達も多く、近所の人達にも好かれる。正に愛される子供。それに比べ少年は正反対である。
何故、同じ日に生まれ同じ様に生きてきたのにここまで差が出るのか疑問で、幼いながら神様さえ恨む事もあった。
色々思案していると、隣のブランコに座る妹が急に立ち上がり、
「私、ずっと兄さんの側に居たい」
突然の一言に少し悩んだが、いつも一緒ではないか、そう伝えると頬を夕焼け色に染め満足そうに微笑んだ後また下を向く。
彼女の考えが本気で分からない。いつの間にか日が沈み辺りが暗くなる。
紫色のベンチ周辺以外は街灯のおかげで周りが見える。
これなら家に帰るのに問題は無いので少年はブランコから立ち上がり妹に帰ろうと言う。
ブランコに腰を下ろした状態で少年を見上げる彼女の瞳は
-------綺麗な紅色をしていた-------