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4 俺には才能がないのか

――成宮低作はブサメンである――


 ……駄目だ。

 こんなタイトルで誰が読んでくれるんだ……そもそもパクリじゃないか……。


「ふぅー、難しいな、タイトル考えるのって……」


 俺は成宮低作。大学での講義を終え今はアパートで小説を考えている。

 パソコンには仮のタイトルと、まっさらなテキストファイルが表示されていた。


 18才以上を対象に小説を書くわけだから……別にキャッチーな題名で目を引かなくても、エロさえ満たしていればいいのかな?

 

 そういえばノクターンを巡回していても、「なろう」によくある長いタイトルのものは少なかった。

 いっそ凄く長くしてAVみたいなタイトルで既視感を起こさせる戦略はどうだろう……例えば……

 

 ――クラスメートの男の娘と銭湯に行ったんだが、俺のジャージー牛乳バーが溶けそうでヤバい――


 意味分からん。ボツだ。状況が限定されすぎているし、銭湯行った後の話はどうするんだ。

 ええーっとテンプレものはどうだ、少しひねって……

 

 ――異世界に転生したら男の娘を嫁にできる能力でハーレム作ったけど俺ノンケ――


 じゃあ始めから作るなよ!駄目だ、俺が書いたら主人公に殺意しか浮かばない……。


「ううーー駄目だ!俺には才能がないのかー」


 タイトルから考えるから駄目なのかもしれない。

 ……そういえば話に聞いた事がある。世の小説家達は「プロット」なるものから着手すると。

 俺は今まで思いつくまま文章を書きなぐって、話を進めてきた……ノリで話を進めていくと時折愉快なフレーズが舞い降りてきて、それがとても楽しかったのだが……そうだ、俺はやり方を変えるのだ、プロットなるものを検索し、俺の武器としよう。




 暫くネットサーフィンしてプロットなるもの輪郭がおぼろげに見えてきた。5W1Hを最初に決めるらしい。参考にしたサイトは「なろう」だ。作者様本当にありがとうございます。こんな駄文群に参考にしたと明記していいのか悩みます。


 とにかく大まかな形を作り始めていこう。


 いつ、誰が、どこで、なにを、なぜ、どうやってエッチなことが起こるのか……ひとつひとつ考えてみる。


いつ――現代だ。いや、男の娘が社会に認知された未来なんてどうだろう……どんな世紀末だ……しかしバカっぽくて大好きだ。案のひとつに入れておこう。


誰が――コレは、対象の読者の分身だな……男の娘が好きな人……ま、周りに参考にできる奴がいない!いったいどんな人が男の娘が好きなんだ!二丁目の方々か!?でも「男の娘は女としてみてる」って何かで書いてたし……いいや、ここはノリで行こう。


どこで――日本だな。異世界の風景なんて何を参考にして書いていけばいいんだ。俺じゃ絶対に不可能だ。


何を――ナニするんだよ!


なぜ――いい質問だ。ここが話の核になりそうだ。後でここを中心に考えを進めていこう。


どうやって――いい質問だ。また話の核じゃないか!ええい後だ!



 ええーっと整理しよう。

 

 現代日本でナニする話……ここまではいい。

 読者の分身の主人公が、なぜ、どうやって男の娘とナニするか、が未定、と。

 ……そもそもどうして同性でナニするんだ。本当にブームなら少子化がさらに加速するぞ!


 む、そうだ!さっきの案を採用すれば……現代ってのは止めて……うん、こんなのどうだ。

 

 少子化が進んだ近未来、男は男の娘と結ばれることで、子を成すことが出きるようになった……例の……spats細胞によって!


 い、いけそうか!?これなら主人公も、読者も納得して男の娘と、ナニするであろう。少子化はヤバイもんな。

 て、天啓だ!もうこれを今回の天啓としよう!


 た、タイトルは……


――男の娘が妊娠できる未来にいきなりタイムスリップした僕は、サンプルとして研究員の男の娘達にてんやわんやされてもう辛抱タマらん――


 だ!

 

 たぶん1人くらいは興味を持ってくれるはず!



※本編中の作品名はフィクションであり、ノクターンにこんなのありません。

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