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神器使いの子鼠  作者: ホルス
1/1

入街

やべ、連載機能があることに気づかなくて新しく書いてしまった。

前回の話→サブタイトル「神器使いの子鼠」

「お姉ちゃん、ここが街?」

「そうよ。まずは仕事をするためにギルドに入ろうか」

「さっきの奴らのようなのじゃ、ないよね」

 リルストは不安そうにレイラを見つめる。

 さっきまでリルストを操ってたのもギルドと名乗っていたからであろう。

「あれは盗賊、私たちが入るのは盗賊とかをやっつけるギルドよ」

「そうなんだ。それでギルドに入るとどうなるの?」

「ギルドには依頼っていうお仕事が入って来る。依頼を終わらせるとそれに応じてお金が手に入るのよ」

「街の人はお金っていうのを食べるの?」

 リルストは人を捕まえ盗賊に引き渡して食料をもらうか、狩りをして生活をしていた。それでお金に縁がないのだろう。

「いいえ、お金で食べ物を買ってそれを食べるの。もしかしたらここら辺じゃ食べれないものがあるかもよ」

「ほんとに!何があるのかな」

「じゃあ、珍しい物を食べるためにギルドに入ろう」

「おー」


 レイラとリルストが来た街はリトニス。行商達が行きかういたって普通の街である。

「人がいっぱいだね。お姉ちゃん」

「う、うん・・・・・そうだね」

「どうしたの?」

(こんなに人がいる街なんて初めて見た。緊張しちゃう)

 レイラは出稼ぎでやって来た田舎者である。道が人であふれかえっている光景を今まで見た事がなかった。

「何でもないよ、リルスト。さっさとギルドに入ろうか」

「うん」

 

「お姉ちゃん、あれ何?」

 リルストはレイラの袖を引っ張って指差した。

「あれは指名手配書って言って、賞金稼ぎはあれに書かれて・・・・・・げ!」

「どうしたの、お姉ちゃん?」

 レイラが驚くのも無理はなかった。名前が記載されていないもののリルストの手配書があったからだ。

「ねえ、お姉ちゃん。どうしたの?」

(困ったわ。まさかリルストの手配書があるだなんて。私がいたときは噂でしかなかったのに)

 レイラは困った。まだ家を借りられるほど金を持っていないので、ギルドには彼を連れてかなければならない。それに訳を話しても入れてくれるだろうか。

「な、何でもないよ。行こう」

「お姉ちゃん、変なの」

 レイラはギルドを探した。


 まず、最初に見つけたのはモーリーフォレンというギルドだがリルストが嫌がった。

「どうしてなの?」

「このマーク見たことある。このマークを着けた人、倒してあの人に渡しちゃった」

「それは不味いわね。他を当たりましょうか」

「うん・・・・・」

 

「うーん、困ったわね」

 一応有名なギルドの建物や広告を見て回ったが、リルストがメンバーを撃退したり、盗賊に引き渡すなどしてしまったギルドのため報復を恐れて入れなかった。

「ごめんね。僕のせいで」

 リルストが下を向いて言うが、レイラは首を横に振って言った。

「ううん、リルストは悪くない。私がギルドを探す目がないだけ」

「いたぞ!手配書のガキだ!」

 その何処からかの一声でレイラとリルストの二人に街の人の注目が集まる。

「何⁉、何なの、お姉ちゃん」

「やばい、逃げましょう。リルスト」

「うん」

 レイラはリルストの手を繋ぎ、その場から逃げだした。


「そこの女ぁ、そのガキの仲間かあ」

「待ちやがれぇえ」

 大人数の大人たちが二人を追いかける。

「そうだ、お姉ちゃん。短剣の魔法で・・・・・」

 リルストは時を操る短剣の力で逃げようと考えるが、

「ダメ!」

 レイラは反対した。

「それを今ここで使ったら、リルストより強いやつが出てきて離れ離れになっちゃう」

 リルストはレイラに反対されて短剣をしまった。

「じゃあ、どうするのさ。このままじゃどうにかなっちゃうよ」

「そのどうにかならないうちに、どうにかするの。それしかないの」

「どうにかってどうするのさ」

「分かんない」

 地の利はあちらにある。このまま逃げててはどちらにせよ捕まる。

 その時、

「お困りのようじゃな。こちらにいらっしゃい」

 レイラは声の主がいる建物に入った。

  バタンッ

 声の主は二人が入るのを見届けるとドアを閉めた。

「ハァ~ハァ~、ハァ~。ありがとうございます」

「礼には呼ばないよ。儂がしたかっただけじゃから」

 声の主は老人だった。

  バタンッ

 絞められたドアが外から開けられた。

「おい、そこにいるのは分かってる。早くでて・・・・・・爺さん!」

 ドアを開けたのは二人を見つけて叫んだ男だった。

「おやおや、若者が揃ってこの老害に何の用かね」

 老人は落ち着いた声で言った。

「ケドラス爺さん。そこにいるガキは手配犯だぞ」

「そうなのか。だが女子を相手にこれはちと可笑しくないかね」

 ケドラスと呼ばれた老人はリトニスでそこそこ名のある人物のようだ。

「関係ない。そこをどけ爺さん」

「ここは私の家だ。家の中で儂より偉い者呼んで来い、その者でなければ儂は言う事を聞かん」

「必要ない。強い者が偉いからな」

「では王様は国で一番強いのかな」

 老人の問いに誰も答えられなかった。

「罪を憎んで人を憎まず。他人の強さを憎むよりも自分の弱さを憎め。さあ、帰った帰った」

 男たちは老人に言われその場を去った。

 そしてまたドアが閉められた。

「ありがとうございます」

「だから礼はいらん。自分がしたかっただけじゃから」

 老人は二つのコップに水を汲み、二人に渡す。

「ようこそ、ケドラス・ガーマルドの家へ。この街元一番のギルド、オルディアゴーの受け付けはまかせなさい」

「オルディアゴー?」

 名前を聞く限り、レイラには覚えがなかった。

「そうじゃ。今はもう廃れてしまって儂位しかいないがのう」

「でも仕事は来るんですよね」

「おう、来るとも。昔の評判で少ないが今も来るわい」

 レイラはもしかしたら入れると思い声を掛ける。

「じゃあ、お爺さん」

「なんじゃ?」

「私たちをそのオルディアゴーに入れてくれませんか」

「構わんよ。じゃがその小僧の件を先に片付けなければならぬようじゃから明日は働けんがのう」

 さっきの話を聞いてリルストはレイラに聞く。

「お姉ちゃん、ギルドに入れたの?」

 レイラは喜んで答える。

「ええそうよ。入れたのよ」

「やったー」

 リルストはギルドに入れたことを聞いてその場で小躍りした。

「閉めるべきかと思っていたが、続けておいてよかったわい」

 ケドラスはオルデイアゴーの衰退を思い返しながら言った。

「小僧、そのお姉ちゃんが働くためには主の話を聞くのが必要じゃ。聞かせてくれまいか」

「お姉ちゃんが働けるなら、何でもするよ。お爺さん。話していいよね、お姉ちゃん」

「ちょっと待って、お爺さんはリルストの話を聞いてどうするんですか」

 レイラはまだケドラスを完全に信じたわけではなかった。

「いい質問じゃ。まず主が働こうとしても小僧の手配書があっては働きたくとも働けんじゃろ。じゃから儂が地方自治官に掛け合って手配書を貼らないように頼むのじゃ。小僧がしてきた事によってはすぐ剥がしてくれるかもしれんのう。と言ってもこの街までしか出来んが」

 レイラはケドラスの話を聞いて納得した。

「じゃあ、お願いします。リルスト、話していいよ」

「うん分かった」

 リルストはケドラスにレイラに出会うまでの事を話した。


「そうかそうか、それなら何とかできそうじゃな。それで魔法の短剣とやらは?」

「お爺さんには見せてあげない。お姉ちゃんだけに見せるんだ」

「そうか、そうか。もしかしたら神器かもしれんぞ」

「じんぎ?」

「神器って、伝説級の代物の?」

「お嬢ちゃんは知ってるようじゃな」

 ケドラスは部屋の奥から古い本を持って来た。

 ケドラスはその古い本を開き、説明する。

「神器とは、神が創りし道具の事。それぞれその名に恥じぬ恐るべき力を持っている。古来より神器は使用者を選び、資格が無くなれば自分の意思で消える。信じぬ者もおるがだがそれが真相なのじゃ。いかに神器を無くさぬようにしても無駄じゃ。神器は我々の人知を今もなおを超えている存在じゃからの」

「じゃあ、僕のこの短剣も神器って奴かもしれないってこと?」

「そうじゃろうな。儂もそのような感じで神器を手に入れてたからのぉ」

「じゃあ、お爺さんの神器を見せてよ」

 リルストは興味しんしんでケドラスに聞いた。

「すまんな。儂の神器はとうの昔に誰かにわたってしもうた」

「つまんないな・・・・」

 リルストは残念そうに言った。

「じゃが小僧、小僧の神器もいつしか手元を離れるぞ。その時のためにもしっかりと力をつけよ」

「分かった。力をつけるよ」

 リルストは両腕ガッツしてやる気を見せた。

「力をつける前に飯にするかのう。お前さん達、食べてないじゃろ」

「「あっ」」

  ギュルルルルルル

 二人のお腹が鳴った。


「これがお嬢ちゃんの料理か」

「美味しそう」

 レイラがご飯を作ることになり、レイラはスープとサラダを作った。

「最低限は作れるように故郷を出る前に練習したんです」

「そうか、では食べることにしようか」

「「「頂きます」」」

 みんな揃って食べ始めた。

「お姉ちゃん、どうやって食べるの?」

「このスプーンを使って食べるのよ」

 スープの食べ方が分からないリルストをレイラが教える。

「そういえば名前を聞いておらんかったのう」

 ケドラスが二人に向けて言った。

「僕、リルスト・ファントリー」

「私はレイラ・ファントリーです」

「はて?小僧の話によると血のつながりはないようじゃが」

「私が付けたです。苗字も揃えた方がいいと思って」

「そうゆうことか」

 レイラの説明でケドラスは納得した。


 昼食を食べ終え、いろいろ話を聞く。

「力をつける前に色々教えた方がよさそうじゃな」

 ケドラスはレイラとリルストにギルドについて説明を始めた。

「このオルディアゴーは基本的に多機能ギルドじゃ」

「多機能ギルド?」

「そうじゃ。商人ギルドや賞金稼ぎギルドとかの専門ギルドと違うて様々な職種の依頼が来る。獣の駆逐やキャラバンの護衛、商人の手伝い色々な依頼が来る」

「じゃあ、賞金稼ぎ用の仕事も来るの?」

 リルストが興味しんしんで聞く。

「今はまだないが、このオルディアゴーの名が売れば来るじゃろうな」

「主にどのような仕事があるですか?」

 今度はレイラが聞いた。

「うむ。まず、行商等の売り子や手伝い。次に、キャラバンや旅人の護衛。獣の退治や採集、様々じゃ。

じゃが今は廃れてしまってあまりないがのう」

「私に出来るかな」

「安心せい。受付嬢ならぬ受付爺の儂が難易度ごとに分けとるから大丈夫じゃ。最後に一つ言っとくことがある」

 ケドラスがさっきとは打って変わって真剣な表情で言い始めた。

「覚えてほしいのは闇依頼というやつじゃ。闇依頼というのは暗殺、密輸などの犯罪行為の依頼のじゃ、この闇依頼は絶対受けるじゃないぞ」

「「はーい」」



行き当たりばったりで書いてるホルスだ。

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