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精(霊)力をぶちかませ! ~妹幼女と精兄と~  作者: 岸野 遙
第二章 うさ耳兵士のご奉仕はいんぼうでした
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うさみみはおののいた

「はぁぁ……久しぶりの布団だぁ」


 至福のため息を漏らしつつ、大きく身体を伸ばす。

 両手両足を伸ばして大の字になっても、ベッドからはみ出すことはない。

 元の世界で言うところの、ダブルベッドよりさらに上というやつだろう。


 ツバサにはあまり関係ないが、縦の長さも日本のベッドの1.5倍くらいあった。

 このぐらい長身の種族もいるということなのかもしれない。

 そんな些細な点にも、異世界なんだなぁなどと感じていた。


 ちなみに昨夜も布団であったが、色々あったので昨夜は存在しなかったことになっている。


「気を抜いたら、一瞬で寝れそうだな」


 食事に入浴も済ませ、各自与えられた部屋へ案内された。

 昨夜のようにスフィが居るなどということもなく、安心の一人部屋だ。


……残念がったりはしていない。もちろんしていない。


「さて、っと」


 反動をつけ、起き上がる。


 部屋は広く、天井も高く、窓は大きく。

 控えめな華やかさで調度品が飾られ、質素ながら美しい明かりが灯されている。

 高級ホテルとかこんな感じなんだろうかと思ったが、もちろん泊まったことがないため比較もできない。


 置いてあった荷物から鞘に入った剣を取り、消し方の分からない明かりに覆いを被せてバルコニーに出る。

 一番大きな燭台の明かりが覆われたため、室内は薄暗く。バルコニーには、柔らかい闇が満ちていた。


「おぉ……すごいな」


 眼下には、スェンディの街並み。

 闇の中にも一定の感覚ごとに常夜灯が着けられ、また都市を区切る内壁と仕切り壁にも弱い明かりが灯っている。

 さながら魔法陣の如く、弱くぼんやりとした輝きを見せる街の姿。

 明るさや華やかさには劣るものの、幻想的なその光景は初めて見るツバサを感動させた。


「……」


 一転、空を見上げれば無数の星々。

 見たこともない星座が煌めき、都会では見られなかった鮮やかな星空が広がっている。

 こちらも明るさや華やかさ、色彩には欠けるものの。月が細いせいもあるのか、言葉を失うほどの美しさであった。




 ひとしきり、星に見とれ。

 胸いっぱいに夜気を吸い込む。


「さて、それじゃぁやるか」


 左手に持っていた剣を、鞘ごと右手で抜き放ち。

 両手で、構える。


 十分な空間を持つ、バルコニー。

 明かりもない暗闇で、構えた剣を振り上げ、振り下ろす。


 足を動かさず、その場での素振りを百。

 足運びを加えて、百。

 これを2セット、ただ愚直に振り上げて振り下ろす。


 明かりも見る者もない、闇の中。

 城壁に掲げられた外灯と、室内から漏れるわずかな光の中。

 視覚や聴覚への意識も落とし、ただ一心に剣を振るう。


 素振り自体はシンプルなものであるが、これまで毎日―――

 スフィ事件のあった昨日以外は、蝕天での枯渇から回復以後、毎日続けてきたことだ。




 無心で素振りをするツバサ。

 部屋の主はバルコニーのため、無人の室内に。

 音は響かない。


 室内からは聞こえない、廊下での話し声。

 脅すような強い声。

 怯えるような弱い声。


 物音。息遣い。困惑、あるいは懇願。

 すぐにそれらは止み、一拍の静寂。そして。


 小さく、本当に小さく、ノックの音が響いた。

 まるで、中の人間が寝ていないことを確認するかのように。

 か細い音を立てて叩かれた扉。


 数秒の時を置き。今度は音も立てずに。

 ゆっくり、小さく、扉は開かれた。



 最初に室内に入ってきたのは、長い何かが2本。

 伺うようにひょこひょこ動くと、さらに室内に入り込み。

 頭に長い耳を生やした人影は、静かに扉を閉めた。


「……?」


 薄暗い室内を、足音を立てないように進む。


 室内に人の気配はない。

 ベッドの傍らまで来るが、誰も寝ていない。


 おかしい。部屋の主はどこへ行ったのだろう?

 あのいじわるな先輩の話では、部屋に居るということだったのに。また騙されたのだろうか?


「……」


 騙されたのだとしたら―――この部屋には、誰も居ない。

 聞くことは出来ないが、調べることならできる。

 いや、人を相手に質問しなければいけないより、よっぽどやりやすいんじゃないだろうか。


「……」


 気持ち、息を潜め、足音を立てぬように。

 部屋の片隅に置かれていた荷物の前に、腰を下ろす。


 旅人にしては大きな荷物。それと、盾と鎧。


 装備品をそっと避け、大きな荷物を引っ張り出し。口を開けて中身を慎重に床に並べる。


 毛布。

 非常食。

 大量の布類。

 大人用の衣類。

 子供用の衣類。

 その他、細々したもの。


 そして。


「ふ、わぁ……」


 荷物の底の方に、布に包まれて入っていたのは、

 子供の頭くらいある、巨大な魔物の核―――魔石であった。

 戦闘後に蝕天の主から回収したものを、オーワンに無理やり持たされたのだ。


 それにしても、見事なものだった。

 戦闘による傷や痛みもなく、消耗や翳りもなく。

 暗い室内でも分かるほど、深く澄んだ赤い魔石。

 思わず布越しに両手で掲げ持ち、顔の高さまで持ち上げてうっとりと―――


「誰だ!」


 人影、侵入者に掛けられる誰何の声。

 びくん、と身体を振るわせて、魔石を持ったままおそるおそる振り返ると。


 おそらく部屋の主であろう、見知らぬ人間が。

 自分に向かって、剣を突きつけていた。


突然で、本当に唐突ですが。


残りはダイジェストにして、打ち切りでエンディングにしようと、考えてございます。





そういう予定ですので次回予告はございません。

まだかなり悩んでいるため、次回も間が空いてしまうかもしれません。

申し訳ございません。



しばらく離れてみて、自分の中でまとまれば、丸ごと書き直しで続けるかもしれませんが。

いずれにせよ、今後どうするかは未定のため、少し悩ませて下さい。


楽しみにして下さっている方には、本当に申し訳ございません。

できるだけ、近いうちに結論を出したいと思っております。


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