メモリー:3~思い出すはあの日の思い出~
「な・・・治せないって・・・どういうこと・・・?」
そしてしばらく、沈黙が続いた・・・。
わたしが口を開いたその時、
「陽南乃・・・車に乗りなさい。」
・・・お母さんの口が開いた。
その時の目は・・・
(・・・悲しい目だ・・・あの時と・・・同じ・・・。)
◇・.。*†*。.・◇・.。*†*。.・◇・.。*◇・.。*†*。.・◇・.。*†*。.・◇・.。*
時はさかのぼること4年前。
それは、都会にいた時の話・・・。
まだ4歳だった陽南乃のところへ一匹の子犬がやってきた。
「陽南乃~!ちょっと来て~!!」
陽南乃は仕事から帰ってきた母のもとへ急いだ。
「なぁに?」
「ふっふっふ、見て驚くなよ~?」
母は小さい鞄から何かを取り出した。
「あーっ!痛いたいたい!!」
「どこがいたいの!?」
お母さんが笑いながら痛いと言っていたのでなぜかと思ったら・・・
「キャンッ!」
「あっ!!わんちゃん!!」
そこには鞄から薄茶色の子犬がこちらを覗いていた。
「わんちゃんだよ!!どうしたの?これ!」
わたしは大はしゃぎした・・・ような気がする・・・。
「こらこら、これって言わないのよ。」
「は~い、ねえねえ!これ名前は!?」
「だ~か~ら~・・・」
「あっ。ごめんなさ~い!で、名前は!?」
「・・・・・さぁ~、何にしましょうかね~?」
「じゃあっ!じゃあじゃあっ!えーっとえっとあっとそのあの・・・」
わたしは焦った。お母さんに先に名前を付けられそうだったから・・・
「陽南乃!焦らなくていいから~!!」
焦って噛みまくっている陽南乃をみて母は大笑いした。
「うあ、あ~あっとえっと・・・・・あっ!」
陽南乃は思いついた。
「茶色いからチャイ!!」
「真っ茶色じゃないわよ~」
「じゃあウッチャイ?」
「うっちゃい?売ったらだめよ~!!」
「じゃあじゃあ・・・・・こーんふれーくは!?」
「あははは!長すぎ~!!」
おかあさんは文句(?)を言うばかりでなかなか納得してくれずに大笑いしている。
でも、わたしはお母さんのこういうところが結構好きだったりする。
「ん~っと・・・じゃあ・・・・・」
考えに考えて思いついた名前は・・・