メモリー:1 ~出会いははじまり~
ガタンッ ガタンッ
・・・・・やけにうるさい物音が聞こえる。
ガタンッ ガタンッ バサバサバサバサッ!
大きな音とともに紙のようなものが落ちた。
「あ~~~~~っ!!大事な資料が~~!!!」
お母さんが叫んだ。わたしは後ろをのぞいた。
「あ~ぁ、これは整理するのたいへんだよ・・・お母さん・・・・・。」
すごく大事らしいお母さんの資料がバラバラになって崩れ落ちていた。
「え~~っ 陽南乃、ちょっと直しておいて!」
「・・・ちょっ無理に決まってるじゃん!!わたしすぐよっちゃうんだからっ!」
(・・・今でももうすでによってるっていうのに、後ろで作業なんてしたらどうなるか・・・・)
そのようなことを思いながらわたしは窓の外をのぞいた。
「・・・わ・・・・・」
窓の外にはさっきいた都会と全く違うとてもきれいな景色が広がっていた・・・。
わたしは光希 陽南乃。小学2年生です。
今日はわけあって都会から田舎へ引っ越してきました!
「やっぱり自然って最高だね!!」
「動物も住みやすいしね!」
・・・と、こんな調子で山道を登っていた。
「・・・の・・・」
「ひ・・・の・・・」
「ひなの・・・」
「陽南乃!!」
「はっ!!」
・・・いつのまにか寝てしまっていたようで・・・・・。
わたしが窓の外を見ると木でできた一軒の大きな家があった。
「へぇ~~!!ここが新しい家!?」
「そうよ~」
そういいながらお母さんは車のトランクを開けた・・・・。
バサバサバサバサバサバサッ!!!!
「あっちゃ~~」
そういったお母さんが 「あ、忘れてた。」とばかりに苦笑いする。
・・・つられてわたしも苦笑い。
「大丈夫かしら・・・・・」
わたしは新しい家が嬉しくて、資料をかき集めるお母さんをスルーして家の周りをぐるぐる回っていた。
「陽南乃!!手伝ってよ~~!!」
嬉しさのあまり、お母さんの声は全く聞こえていなかった。
そして、庭にある一本の大きな樹まできたとき・・・・・
「・・・・・あれ?」
わたしは、衝撃を受けた・・・・・。