メモリー:9~向日葵の花~
「ヒマワリ・・・ね。いいんじゃない!?お母さんも気に入ったわ!その名前!」
「まだまだ、花は咲きそうにないけどね!」
・・・と、いうわけで『ヒマワリ』と名付けられたわけです。
ある日、陽南乃はヒマワリと散歩に出かけていた。
「あいかわらず暑いな~、あいかわらずヒマワリはげんきだな~!」
ヒマワリはわたしの親友のような存在になっていた。
「あっ!」
陽南乃が急に方向を変えて走って行った。
そのあとに続いて、ヒマワリもかけていく。
「・・・・・ほら!ヒマワリ!これが向日葵だよ!!」
ヒマワリはキョトンとした顔で陽南乃を見つめる。
「ヒマワリも、こんな向日葵みたいに太陽に向かって明るく元気に生きてほしい
とわたしはいつもおもってるよ!」
ヒマワリは陽南乃にこたえるように鳴いた。
「はははっ、なんか紛らわしいね!ヒマワリと向日葵って!」
帰り道、わたしはひとつの可愛い花を見つけた。
(ヒマワリに似合う花だ!)
そう思った陽南乃はその花を取りに行った。だが・・・
その花が生えている場所は―――――――――・・・・
「・・・川だ・・・・」
深そうな川のわきにその花は生えていた。
だが陽南乃は・・・
「よっ!」
地面に寝そべり、思い切り手を伸ばした。
(もう少し・・・・・!)
花が・・・取れた!
「あっ―――・・・!!」
その瞬間に、陽南乃が祖母からもらった大切な髪留めが・・・・
「おばあちゃんにもらったのに・・・!!」
川に・・・・・落ちてしまった・・・・・。
「二つとも・・・落ちちゃった・・・・・。あれは・・・おばあちゃんの・・・
てづくりの・・・かみどめなの・・・に・・・・・っ!」
ヒマワリが心配そうに陽南乃を見つめる。
「・・・・・っ・・・・うあああああああああんっ!!」
陽南乃は泣き出してしまった。
そして、歩き出した。ヒマワリにあげる花を手に持ったまま・・・。