ドラちゃん〜!!
研究室に着いて時計を確認する、時刻は19時を過ぎていた。
ノリヒト
「今から行けば時差が6時間だから大体昼で、そこから1時間ってことは、着くのはおやつごろだなぁ〜」
研究室の自室の隅に生体認証で開くドアがある。ロックを解除してドアを開けすると降りる階段があり、電気をつけて階段を降りる。
再度生体認証のドアのロックを解除して、中に入って行くと約8畳の地下空間が広がる。
電気を付けると壁沿いに棚とハンガーラックが並んでおり、様々な銃火器、ナイフ、軍服、戦闘服が置いてある。別の棚には複数のジェラルミンケースが整理されて並んでいる。
ノリヒトはハンガーラックの服の中から、服の種類としては場違いな黒のスーツを取り出す。
ノリヒト
「コレ重たいんだよね〜まぁ〜防弾だからしょうがないけど、、、」
ショルダーホルスターに、護身用のGlock 19 Gen5とマガジンをマガジンポーチに2個を装着してジャケット羽織る、そしてジェラルミンケース一つ手に持つ。
ノリヒト
「よし!でわでわ出発!!イクウォッチで城下町宿!!そういえばなんて名前なんだ?ぽちっとな!!」
先ほどまでいた名前の知らない城下町の宿に着く、そして再びイクウォッチを操作する。
ノリヒト
「それでは、座標をセットして、、、ぽちっとな」
再びイクウォッチを起動させる。
ノリヒトはアラビアン調の広い寝室に到着した。
ノリヒトは携帯で電話をする。
「もしもし、ターイウ!おひさ〜今こっち来てるから悪いけどいつものよろしく!!
うん!途中で拾うからよろ〜!!」
電話が終わるとノリヒトは窓から外を眺める、、、庭には多少の緑と湖?池?この地方ではオアシスと呼ぶ物が眼下に広がる。
ここは地球にあるノリヒトの別邸、ノリヒトは世界に複数の別邸を所持している。
現在ノリヒトが居るのは、イラクとイランの国境付近、近くの街で言えばアルアマラーが近い地域。
イクウォッチはパラレルワールドを(異世界間)転移することが出来るが、ワープ(転送)することはできない、けれど、転移時の座標の位置変えることにより、応用ワープが可能となる。つまり、異世界と現実世界の移動を利用することで、どっちも好きなところに行ける。
ノリヒトはその応用を利用して、一瞬で日本からイラクに移動したのだ。
ノリヒトは広い屋敷と繋がるガレージに向かう、その途中に屋敷の見渡す。
ノリヒト
「うんうんちゃんと掃除が行き届いてるね!守屋さんに感謝だ!!」
世界各国にある屋敷の保守管理は、ノリヒトの資産管理会社に委託しており、定期的の清掃、保守が実施されている。ちなみに守屋さんはノリヒトの資産管理会社、スカイヒューマンアセットマネージメント株式会社の社長(代表権なし)ノリヒトは一応その会社の代表取締役となっているが、ほとんど仕事をしないダメな役員だ、ノリヒトの株式保有数は100%保有となるので、この様な暴挙が出来る。
また、役員構成も3名で、社長の守屋、代表権有役員ノリヒト、代表権無し役員サチとなる。
スカイヒューマンアセットマネージメント株式会社の主な業務は、多田野家が保有する。賃貸専用の住宅、賃貸専用マンションの不動産と、株式投資等である。自宅、研究室、各国にある屋敷は含まれない。(保守管理のみ委託している。)
そんなわけで、莫大な資産を管理させられてる守屋さんは苦労人である。
ガーレジにはノリヒトの趣味で選んださまざまな乗り物が置いてある。
ノリヒト
「それじゃ〜今日はハマーで行きますか、、、!!
いや!やっぱりランクルでしょ!!」
ハマーH2、H3に涙の別れを言って、ランクル300GRに挨拶をする。
よし!君に決めない!!さらに隣にあるランクルZXに乗り込む。
ガレージを出て走ること約1キロで屋敷の外に出る門に着く。その間に2箇所の門を通過するのだが、ノリヒトは、とある漫画の影響を強く受けて作ったこの屋敷の壁を、外から壁マリヤ、壁ロゼ、壁シーヤと呼んでいる。
ノリヒトはどこまでも続く荒野を走る。
30分ぐらい走った所で1台の車が止まっていた。ノリヒトはその車から離れた位置に車を止める。
警戒しながらクラクションを2回連続で鳴らす。相手も4回連続でクラクション鳴らしてくる。さらにノリヒトは5回クラクションを鳴らすと、相手は3回クラクションを鳴らしてきた。ターイウで間違いない。
ターイウのボロ車がノリヒトの車に近寄って来る。おそらく元はベンツゲレンデだろか?
彼は車から降りて手を上げて近寄り、そのままノリヒトの車に乗り込んだ!
ノリヒト
「おひさ!ターイウ!!今日はよろしくね!」
ターイウ
「おひさ!ノリー太!!今日も稼がせてもらうよ!!ところでお守りは持ってるのか?」
ノリヒト
「もちろん!ターイウには教えてもらった通りだよ!!」
そう言って、ノリヒトはジャケット上から銃を触る。
ターイウ
「OK OK!!間違っても俺の方を向きながら、懐に手を入れるなよ!!反応して俺が打っちまうからな!!」
ノリヒト
「悪い冗談はやめてくれよ!!」
ターイウ
「ふふ!そうだな!でも気を付けてくれよ!いくらドラちゃんと仲良くなったって言っても、基本的に彼らはそう言う連中だ!!」
ノリヒト
「わかったよ!!師匠!!肝に銘じとくよ!」
ターイウはアラブ系の元アメリカ軍人で、現在は、ボディガード、軍事指導、などを生業にしている。また、これから行く傭兵団との太いパイプを持っていたりする。ちなみにノリヒトの軍事教官(師匠)でもある。
ノリヒトとターイウはなぜかウマがあった。
雇用者と警衛、時には師匠と弟子、はたまた、旧知の友人と、かれこれ10年以上の付き合いになる。
久々に会う2人の話は盛り上がり、気がつけば目的地に着いていた。
イラクとイランの国境線より、ややイラン側の地区に表の顔は某宗教組織の過激派と、名乗る組織の拠点、実態はただの傭兵団、金さえ払えばなんでもしてくれる。
彼らの拠点の門に車でゆっくり近づくと、守衛の2人がこちらに銃を向けてくる。
さらに壁の上にある見張り台から2人がこちらに銃を向けている。
ターイウ
「 OK! OK!ノリー太ゆっくり!ゆっくり!よし!ここでストップ!!」
そう言ってターイウは車を降りて手を上げながら守衛に近寄る、、、そして互いにハグをしてチークキスをする。ターイウと守衛の雑談後、門が開きターイウが手のひらを上に向けて、コイコイとジェスチャーをする。
門の中に入り屋敷の前で車を止めと、ここから見える庭で兵士が訓練している。
警備兵の案内で屋敷の中に入り、応接間に通されてしばし待つ、程なくして兵士2人を伴った軍服の男が入って来た。
軍服の男
「やあ〜ようそこノリー太!久しぶり!!」
ノリヒトは座っていたソファーから立ち上がる。互いに歩み寄りバグをしてチークキスをする。
ノリヒト
「ドラちゃん久しぶり!!元気そうで何よりだよ!!」
ドラちゃん
「ターイウ師匠お久しぶりです!!」
ターイウ
「元気そうで何よりだよ!!」
ターイウとドラちゃんもハグをしてチークキスをする。
ドラちゃんは、傭兵団のトップなのだが、軍人というより、アラブの商人って感じが強いイメージがある。なぜドラちゃんなのかは、互いに本名を名乗っていないし、なんでも用意してくれるので、俺がドラちゃんと呼んでいる。おそらく他の客では、別の名前を使っているのだろう。
一通り挨拶を終えて互いにソファーに座ると、
ドラちゃん
「それで、本日は何用ですか?」
ノリヒト
「弾薬の補充と、防刃服ありますか?それと盾なんかもあれば。」
ドラちゃんは顎に手を当てて髭を撫でながら、
ドラちゃん
「そうですね!弾薬はある分だけになりますが、、、防刃服はあれなら、、、とりあえず持って来ます。」
そう言ってドラちゃんは部下を連れて退席した。しばらくして品物を持って帰って来る。
ドラちゃん
「確か以前購入されたのはスコーピオンとGlock 19 Gen5でしたね、、、それならまずはスコーピオンの32ACP弾です。それと、Glock 19 Gen5は9mmルガー(パラベラム)弾になります、今用意できるのは共にマガジン付きで各10個です。」
テーブルにマガジンが各10個用意される。
ドラちゃん
「それと防刃服はこれになります、イスラエル軍で開発された物なのですが、運用上の実用性がないとのことで、不採用になった物です。けれど最新の技術で作られ物です。一見ただの迷彩戦闘服ですが、軽量で防刃性もかなりあります。けれど防弾性に難がある様です。
盾はポリガードネットの大、中、小、がありますどうされますか?」
ノリヒト
「弾は全部貰います。それと軍服と盾の小を5個ずつ貰います。」
ドラちゃん
「それと、以前要望されていた物ですが、、、中古で入手出来そうなのですが、どうされますか?」
ノリヒト
「えっ!本当ですが!!是非お願いします。」
ドラちゃん
「かしこまりました。けれど、物が物だけに、、、お値段が、、、」
ノリヒト
「大体どれくらいですか?」
ドラちゃん
「大体3000万ドルです。」
ノリヒト
(ざっくり40億かぁ〜でも、もう手に入らないかもしれないし!!)
ノリヒト
「兵装込みで1億ドル払います。その代わり2台用意して下さい。」
ドラちゃん
「、、、かしこまりました。ただし中古品の整備済み品です。当然不足なパーツも正規品ではありませんがよろしいですか?」
ノリヒト
「使えるんですよね?」
ドラちゃん
「当然ハリボテは売りませんよ!!」
ノリヒト
「よろしくお願いします!兵装は調べてから後で連絡します。」
ドラちゃん
「かしこまりました。ありがとうございます。
ちなみに今回のお代は1億ドルに込みとさせて頂きます。」
ノリヒト
「それはありがたい!」
そう言って握手をした。