決戦、そして、、、
連合軍本隊は予定とおり6月下旬に先鋒隊と合流した。
ここまでの約1500キロ近い長旅の為、7月頭まで休息を取ることに。
その間、各国の諸侯達と軍議を開いたが、魔王暗殺に関しての情報は一切伝えていない。
まぁ〜君たちは魔王を誘い出すための餌だよ!!って、
言えないよね!!
魔王軍について調べると、予想以上統率の取れた優れた軍だった。
基本戦術は相手よりも多くの兵を動員し、野戦では得意の鶴翼の陣で相手を殲滅することが多い。
って、事で今回も鶴翼だよね〜って、思っていたら!!
うんうん!!嬉しくなるぐらいドンピシャ!!
ショウ
「なにニヤニヤしてるんだよ!!」
俺とショウはヘリの中から眼下に広がる魔王軍を見つめている。
ノリヒト
「いやねぇ〜!!俺の予定通りの鶴翼の陣だなぁ〜
ってね!!」
ショウはなに言ってる?って、呆れた様子で、、、
ショウ
「そりゃ〜敵さん30万に対して俺らは20万弱だ!!
頭の悪い俺でも鶴翼で迎え撃つよ!!
大体ノリヒトが魚鱗の陣でいくって言ったんだぜ!!
敵さんからしたら、飛んで火に入る夏の虫ってやつだろ!!」
夏の虫ねぇ〜 こっちの世界でも同じ言葉があるのか、、、あるいは俺の知ってる言葉に変換されたのか?
ノリヒト
「まぁ〜何度も言うが、俺たちの軍はハリボテだ!!
元々戦う事を想定していない、、、
そもそもなぜ歴代の連合軍がなんども負けたと思う?」
さてさておバカなショウちゃんわかるかな?
ショウ
「、、、やはり烏合の衆だからか?」
、、、おやおやびっくり大正解!!
ノリヒト
「すごいなぁ〜どうしてわかった?
、、、あ〜さては、ここまで苦労したな?」
ショウは遠くを見つめて、、、
ショウ
「小隊長の時はなんで上層部の連中は、いつもいざこざばっかりなんだって、思っていたよ、、、
同じく国でもそうなんだ、これが国家間や、種族、ましては前方国と後方国となれば、、、」
うんうん!!ショウも立派になったな!!適当に選んだけど、、、これはマジで賢君になるかもね!!
ノリヒト
「それが奴ら魔王軍に勝てない最大の理由だな!!
向こうはしっかりと連携が取れる。対するこっちは連携とは皆無の烏合の衆だ、聞けば先のエルフ大戦も結局は、盟主のエルフ王が最前線で孤立し、援軍もなく連合軍が散り散りになって逃げたとか、、、」
おそらくエルフ王は責任感と正義感の強い人だったのだろう、、、総崩れする連合軍が散り散りになって逃げても、最後まで戦いこの地で命を落とした。
記録ではあの大戦で死亡した諸侯はエルフ族だけだ、、、本当に愚かな王だ。
ノリヒト
「さて!!予定通りお前らは魚鱗の陣を維持しながら、
敵と距離を置け!!やつらはこっちの突撃待ちだから、
こっちが動かなければ奴らも動かん!!
知ってるだろうが、鶴翼の陣ってのはそう言う陣だ!!」
ショウはコクリとうなずく、、、
ノリヒト
「俺は一度この地を離れて鋼鉄の翼を召喚する。
その後は俺に任せろ!!
それと、轟音で空を飛ぶ召喚獣だ!!
お前らがビビって逃げるなよ!!」
ショウは苦笑いをしても、わかったとは言わない
まぁ〜しょうがないかな?
ヘリを野営地に下ろし、イクウォッチで研究室に戻る。
そのままイクウォッチで異世界の飛行場に、、、
滑走路に置いてある戦闘機に乗り込み、さてさて操縦なんて久々だな!!
あれ、それ、これ、ポチッとな!!
うんうん順調にフライトに成功!!続けてイクウォッチをポチッとな!!中東に到着!!そして再度ポチッとな!!よし!!哀れみの地に到着!!
ふふっ!一瞬イラクとイランの国境沿いを飛んだから、二国のレーダーに反応したかな?向こうで大騒ぎになっていたりして!!
飛行速度と高度をギリギリまで落として、、、見えてきた!!お仲間さんこんにちわ!!みんなパニックになってるかなぁ?
さてさて本命の敵さん発見!!でわでわ遠慮なく!!
あの軍団だろう、、、
事前の斥候情報と、さっきのヘリ偵察で確認したが、魔王軍は一個師団を約2万〜3万として全部で14師団で構成されている。
中央の魔王本隊が4個師団の菱形で構成され、それを中心として鳥が翼を広げるように、左右に各五師団が配置されている。うん!!立派な鶴翼の陣だ!!
つまり中央最後方の師団が魔王本隊となる。
とりあえず挨拶として低空飛行でM61バルカン20ミリガトリングをぶっ放す!!あらあらあっけなく混乱してるね!!
魔王らしき神輿を確認してから旋回!!
やっぱり魔王は神輿に乗ってないとね!!
高度を上げて目標に合わせて、Mk82通常爆弾12発
を遠慮なく魔王ちゃんの頭に空爆!!
、、、あらためて思うけど、結構エグいな、、、
再度降下してM61バルカンをぶっ放す!!
うんうん!!あっという間に魔王軍は総崩れて逃げていく!!
とりあえず一度イクウォッチで中東に戻り、再度異世界飛行場に、戦闘機から降りて研究室にポチッとな!!
ちょっと疲れたからコーヒを一杯嗜んでから、哀れみの地の自軍野営地にポチッとな!!
ありゃ?やはりと言うか、、、何と言うか、、、自軍の兵数が明らかに減っている、、、。
ショウの陣に顔を出すと、各国の諸侯と軍議を開いていた。
ショウ
「ご無事でしたか!!テンジン様!!」
あらあらショウちゃん顔色悪いよ!!
ノリヒト
「それよりも敵の状況は?」
まぁ〜何となくわかるけどね!!
ショウ
「ハッ!!先ほど放った斥候の情報ですと、テンジン様の業火が魔王本隊に直撃して甚大な被害とのこと!!
おそらく魔王は死亡したかと、、、
その証拠に魔王の神輿の残骸が炎上しているのと、敵は散り散りになって逃げております!!追撃しますか?」
そうか、、、これで終わったか、、、。
ノリヒト
「追撃は不要、、、こちらの被害は、、、」
たぶん無いと思うけど、、、一応ね!!
ショウ
「ハッ!!一部テンジン様の鋼鉄の翼に、恐れ戦いた諸侯と兵が逃亡しましたが、それ以外の損害はありません。」
思わずニヤニヤするが、ショウはバツの悪そうな顔をする。
ノリヒト
「しばしここで待機!!引き継ぎ警戒を怠るなよ!!」
ショウと各国の諸侯が一斉に
みんな
「ハッ!!」
この後、ショウによって空爆の跡地を、こまなく調べることとなるが、魔王の遺体は発見されなかった。
代わりに魔王が装備していたと思われる、焼けた兜と剣が発見された。
これを持って連合軍の完全勝利とし、哀れみの地に連合軍の勝ち鬨が上げることになる。
魔王軍の敗北と魔王の死は、瞬く間に各国に伝わり人々は歓喜に沸いた。
魔王軍は逃げるように各国の戦場から引き上げたが、一部の残兵が旧エルフ領に立て籠るも、この機を見逃さなかったローネ女王の実弟ゼオン将軍と、一部の連合軍がエルフ領旧王都、古都エルミネフトの奪還に成功する。
完全敗北を悟った魔王残兵は旧エルフ領から撤退していった。
俺はゼオン将軍及び、一部の連合軍の勝手な行動に危機感を感じて、各国にエルフ領の侵攻及び、切り取り次第を禁止して旧エルフ領は俺預かりとした。
その後は、各国に招待され仲良くなったり、時には脅したりと、、、まぁ〜やりたくない勇者凱旋?を終え、
程なくして古都エルミネフトのゼオンに会いに行った。
ゼオン
「これはこれはテンジン様、、、よくぞ来てくださいました。」
俺は1人の美麗なエルフの男を睨みつけながら、、、
ノリヒト
「貴様がゼオンか、、、なぜ勝手にここを落とした?」
もう〜!!こんなに兵が居るなら先にシルちゃん保護しなさいよ!!
ゼオン
「ハッ!!申し訳ありません!!
けれど、前王よりこの地を守れと、仰せつかわったにも関わらず、見す見すこの地を奪われたことが、何よりも耐え難く、どうしてもこの好機逃すわけには、、、」
なんだろう、、、会うまでは殺してやろうかと、考えていたけど、、、こいつ嫌いになれないなぁ、、、
ノリヒト
「貴様の主君に対するその忠義に免じて、今回は不問にしてやろう!!だか次はないぞ!!」
ゼオンは礼のポーズをして
ゼオン
「ハッ!!仰せのままに、、、」
その後、少し気になることがあったので、城の書庫で調べ物を、、、そしてある一冊の本を手にする、、、
うん、なんかそれっぽいけど、、、違うなぁ〜
さて、、、久々にシルちゃんに会いにいくかなぁ〜
ノリヒトが偶然にも手にした一冊の本。
その最後のページに、、、
エルフ創世記
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そして彼の者はエルフの世界より追放となる。
その忌むべき者の名前をミョウシュウと言う。




