8 「誕生日おめでとうハル」
「サプラーイズ!!!」
「わあ!」
鳴り響くクラッカーの音。
前を見ると、みんなが集まっている。
「なんですか!?」
「今日はハルさんの誕生日ですよねっ!」
どうやら誕生日を祝ってくれているようだ。
「あの、、僕実は、誕生日何日か忘れちゃってて……」
「え、えええーっ!!」
実は、僕は誕生日をはっきり覚えていない。思い出そうとするが、頭にモヤがかかったように思い出せない。
「隊長!これどういうことですかっ!知らないって言ってますよーっ!」
フェルがムスッとした顔でアサルトさんに詰め寄る。どうやら今日が僕の誕生日だと言ったのはアサルトさんのようだ。
「いや、ハル君の誕生日は今日であってるぞ!」
「なんでですか!本人も知らないのにっ!」
「…フェル君!いいか!私はミラク研究所に連れ去られた可能性のある人のデータを覚えている!そしてハル君のデータもその中にあり、の誕生日は今日だと書いてあったから今日だと分かったのだ!!」
なるほど、僕のデータを調べていたのか。そしてそこに誕生日が書いてあったということか。フェルは「し、失礼しましたあっ」とアサルトさんに謝っている。
「それじゃ改めて、」
「誕生日おめでとうー!!」
「みんな…ありがとうございますっ!!」
研究所にいた時以来こんなに人に祝われたのは初めてだ。
その前からにもこんなことがあったかは覚えていないが、とても嬉しかった。
「誕生日おめでとうですっ!ハルさんっ!」
フェルが近寄ってくるとそういい、包装されたプレゼントをくれた。
開けてみると、クッキーが入っていた。
「それ、ニットさんに教えてもらって作ったんです!食べてみてくださいっ!」
「ありがとう、食べてみるよ!」
クッキーをかじると、甘い味が広がった。正直フェルが作ってくれているというだけで、既に美味しいのだが、味もとても美味しかった。」
「美味しいよ!」
「ほんとですか!よかったぁー!」
残りのクッキーも食べていく。が、最後の一枚は勿体ない気がして残しておいた。
「誕生日おめでとう、ほら、これプレゼントだ。」
ドルガさんもプレゼントをくれた。包装を開けてみる。
すると、かなり露出度の高い服を着た女性が並んだ写真がずらっと並んでいた。
「ド、ドルガさん、、?」
周囲に笑いが起こる。
一応再忠告しておくが、僕は下半身全部機械な為、この写真は実質苦行だ。
「うおおい、俺もあるぞープレゼント!」
一番隊隊長のノースさんがプレゼントをくれた。
これは…ナイフ?
「これは神具というもので、世界各地にあるお宝なんだぜ!いろんな効果がついてたりするんだがそれは毒の力がこもってるんだ」
「そ、そんなすごいものを…」
「いや、それはそこまでレアなやつじゃねえ、神具の中には光の矢を放つ物や、不老不死になれる石、中には生き返りの杖まであるって噂だ、ま、噂だがな。」
「そうなんですね!ありがとうございます!」
「おうよ!」
しかし神具なんて初めて知った。するとノースさんが言う。
「隊長も昔は神具ハンターだったもんなぁ」
衝撃の事実が発覚してしまった。アサルトさんが昔はそんなことをしていたとは。
「ん!ああ!そうだ!私は昔、世界1の神具探検家だったからな!」
さらに衝撃、世界1だった。
「装備しているもの、ほぼ神具だからな!」
隊長sugeeeeeeeeeeee!
こんな感じで、僕の最高の1日は過ぎていった。
この物語をここまで読んで頂きありがとうございます!
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