6 ミラク研究所アトラント支部潜入作戦
そしてついに来た作戦当日。
今までやって来た訓練の成果を出す時だ。
「今回の目的は潜入、そして今の機械の開発状況の把握、アルセート国との交流の内容の把握だ。」
「はい!」
「ハル君!君は第2部隊の所属だ!頑張れよ!」
「はい!」
「あとそうだ、ハル君!君は研究所内の体の部品を自分の物にしてくれて結構だからな!」
先日の作戦伝達の時にアサルトさんは、
「ミラクはまだ機械人間を作ってはいないようだが、強化された部品は作り続けている。そこで君にはそれを自分の体に装着して、自分を強化していってくれ!」
と言っていたのだ。
「それでは潜入開始!」
心臓の鼓動が止まらない。
「ハルさん!」
フェルに呼び止められた。フェルは今回、後方支援組だ。
潜入なので、人数が多いと見つかりやすいということだろうか。
「頑張ってくださいねーっ!」
「ああ、行ってくるよ。」
挨拶を終えて緊張も収まり、いよいよ突入だ。
「可愛い子に好かれて、羨ましい限りだな。」
第2部隊の隊長のドルガさんに話しかけられた。
「え?いや、そんな、フェルさんはみんなに優しい人だと思いますよ?」
「へえそうか、じゃあこの前フェルちゃんの近くに行ったら、『要件があるならお酒の匂いをなんとかしてからにしてくださいっ!』って言われたけどあれは一体なんだったんだ?」
その場にいる全員がドルガさんの方を見る。
「おい、やめろ!みんなして俺をゴミみたいに見るのはやめろ!」
みんな笑っていた。おそらくドルガさんも、僕の緊張をほぐそうとしてくれているのだろう。
「早く乗り込むぞ!」
「はい!」
僕達はダクトを通って中に侵入し、情報を回収する。
「よし、ダクトを開けるぞ!」
「はい!」
ダクトを開けた瞬間、
「うわっ!なんだお前ら!」
いきなり敵と当たってしまった。
「ハル!」
「はい!」
相手が拳銃を取り出す前に、機械の腕で頭を殴りつける。鉄の塊で殴っているのだから、痛みは素手の比じゃないはずだ。目の前の科学者は気絶している。
今回の潜入では、銃を使用すると音によってバレてしまう為極力使っていないのだ。
「機械兵に気を付けろよ」
「はい!」
「馬鹿!声がでけえよ!」
このアルセート国の三分の一を焦土にしたという機械兵。
だが一般人から見えない研究所内では思いっきり活動しており、侵入者を検知すると
警報が鳴るという仕組みなのだ。人なら気絶させれば終わりだが、機械兵となるとそうとはいかない。
するとドルガさんから、何かが飛んできた。
「これ腕か?まあお前にやるから付けてみろ。」
機械の腕を渡してくれたのだ。
今の腕と取り替えてみる。
『身体に変更点を検知しました。変更点を表示します』
手及び腕 1000型→1300型
機能の拡張内容
エネルギーチャージ及び解放
電撃 以上
なんか色々獲得したが、確認はとりあえず後。今は目標達成が先だ。
目標地点まで慎重に進む。機械兵がいる所は回り道をし、研究者は後ろからゴーン!
いい感じで目的地まで到達。目標の物も回収し、帰還の準備をする。
と言っても、帰りはそこまで難しくない。なぜなら、研究所の電力のブレーカーを落とせる為、機械兵を無力化出来るのだ。
帰り道、機械の足を片足見つけたので持ち帰る。あとで付けてみようか。
こんな感じで、僕の初仕事は終わった。
無事終わってようやく肩の荷が降りたという感じだ。
終わった時、隊長より先にフェルが
「よかったあああーっ!」
と言って走ってきた。
アサルトさんはドルガさんと話しており、耳を傾けると、
「青春だなあ…」
「うむ!実に羨ましいものだな!」
「なあアサルト…俺にもう一度青春をくれたりしないか…?」
「うむ!それは無理な願いだな!残念ながら!」
「うう…」
しばらくすると、アサルトさんが立ち上がり言う。
「みんな!今回はよく全員頑張ってくれた!」
この物語を発見そして読んで頂きありがとうございます!
ストーリーが早く進み過ぎて分かりにくいとは思いますが、初心者ですので大目に見てもらえると嬉しいです!
今後もよろしくお願いいたします!