19 作戦会議②
「一回使ってみようか。」
そういうと、シイナはポケットからお弁当を取り出し、中からりんごと焼き魚を出した。そしてそれを台座の上に置く。
すると台座は虹色に光り輝く。眩しくて目を瞑る。
目を開くと台座には元のりんごと焼き魚はなく、丸い、芋のような物があった。
「食べてみてください!」
「え、ええ……。」
なんか得体がしれなさすぎてとても嫌だ!!
なのにシイナさんはその物体をグイグイと口に押し付けてくる。
「分かったよ……」
僕はその物体を受け取り、口に運ぶ。
!!
なんだこれは!!とても柔らかく、旨味と甘味と酸味を同時に感じる不思議な感覚だ。とにかくとても美味しい。
「何これ!!」
「これがフジョーネの力。今回はりんごと焼き魚のいい点を組み合わせたわけ。りんごの甘味と酸味、骨がなく食べやすいという利点と焼き魚の柔らかく旨味が強いという利点を組み合わせたって訳。」
「うにゃ、にゃるほどう。」
「食べながら話聞いてんじゃないのよ!!」
「いてて、つねらないでつねらないで!!」
「まあさておき、これを使ってミラク研究所の作った機械パーツを合成しちゃおうというわけです。」
僕らは部屋から出て、今後のことについて話し合った。
「そういえば、この国と一緒に協力するために国王と話し合って同時に攻めるというのは?」
「私もそうしたいところではあるんだけど、なんせ事態が事態だからなあ。」
「それってどういう?」
「じゃあ聞くんだけど、今自国が無数の機械に攻め込まれている状況で体の半分機械の奴が『協力します!!』とか言って来たらどう思う?」
「え、あ、確かに……」
「少なくとも、その手は次からだね、ここで私達が手柄をあげれば半分機械の人が助けてくれたっていう噂は他の国には伝わると思うから。」
「そして飛行船の攻略だけど、まず入ると第一投下場、または第三製造場αに着くからそのまま次の%@/?#)&**:*〆※々〒!……あれ、聞いてる?」
「あ、ごめんごめん、ちょっと難解すぎて呪文かと……なんだっけ?」
「…………奥に進め!」
「了解!」
なんかめちゃくちゃ端折られた!!
「あとこれ、これを持っといて。」
シイナは丸いボールのようなものをくれた。
「開けてみて。」
ボールを開けるとそこには青紫のブラックホールのような空間のねじれがあった。
これはどこかで見たことが……
「これは超次元ホールっていって、物体をワープさせる物。ま、まあこれは研究所からパクったんだけど……これでフジョーネで融合させたい物があったらこっちに転送してくれたら離れててもこっちで融合してそっちに送れるよ。例えば機械兵のパーツとか。」
「あれ、ということはシイナさんは戦場には来ないの?」
「うん、私、体は実は弱いんだ。何年も外に出てなかったし。」
「たまには日の光を浴びないとですよ?」
「ええ。最近は出るようにしてます。」
「それがいいと僕も思う。」
「ええ。私は少し疲れたので休みますね。今日は色々あったので。」
確かによく見ると、足や腕が一般の人と比べてかなり細い。もしかしたら、僕たちの為にかなり無理をしていたのかもしれない。僕ももう少し、相手のことを思いやらないと。
と、思っていた時期が私にもありまして。
『ドゴアアアアアン!!!』
「ぎゃあああああ!!」
あ、今ですか?今の状況ですか?今僕はシイナさんに
「飛行船内にゴーレムがいる可能性が高いから、対ゴーレム用の為の模擬ゴーレムで訓練しよう!」
と言われて模擬ゴーレムと戦っているのだが……
「いったああああ!」
「ハルさん!大丈夫ですよーそのレーザーは痛みの神経を反応させてるだけで実際には無傷なのでー!」
ええ……。
痛いんですけど……スパルタ……?
まさか死にかけた記憶がここで蘇るとは思ってなかった。
しかもゴーレム1体ならまだよかった。まだ!
でもなぜか今は5体いる。5体。え、5体?常識外れすぎてすぎて自分で言ってて疑問に思ってしまった。
なんでも、「船内では2体同時の可能性もあるから万全を期す為に5体で!」らしい。
でもこの練習のおかげでゴーレムの対処法とこの新しい腕の機械の扱いにも慣れてきた。まずゴーレムで狙うべきは関節で、そこにレーザーを打ち込むと動きが止まるから、その時に電撃を喰らわせる。新しい腕の機械のレーザーの使い勝手がかなりいい。
ロケットパンチの後の猶予を見逃さずに首元にレーザーを打ち込み、加速で近づいて電撃で倒す。
残りの模擬ゴーレムのうち、レーザーの発射準備をしているものに、ミサイルの標準を合わせる。
『対象をロックオンしました』
ミサイルは模擬ゴーレムの頭に直撃し倒れる。その砂煙に紛れて次の攻撃の準備をしようとしたのは失敗だった。模擬ゴーレムは温度でこちらを把握していたため、ロケットパンチが飛んでくる。体を捻って回避し、チャージしていたレーザーをコアの位置へ打ち込む。模擬ゴーレムが倒れた所に別の模擬ゴーレムが巻き込まれてくれた。これはラッキー。残りの一体を最初と同じ要領で処理する。
「はあ、はあ」
シイナさんが近づいて来た。
「ハルさん中々すごいですね、物覚えが早い。」
「いや、それならあっちの方が。」
僕は射撃場の方を指差す。
そこには連続で的に狙撃銃で弾を当てているフェルがいた。
「まああれは天性の才って感じですかね?」
フェルは僕が訓練が終わったのを見ると近寄って来た。
「ハルさん訓練できたんですねっ、よかったですっ!」
「フェル?僕が研究所でゴーレム一体に殺されかけてたの知ってるよね……?」
「はいっ、あの時は本当に怖かったですっ!」
「じゃあなんで訓練5体でってなった時に止めてくれなかったんだ……?」
「…………まあいけるかなって?」
なんかフェルはどこか抜けてるな……知ってたけど!
「少し休憩しましょうか。」
シイナさんは、クッキーを焼いて持って来てくれた。
「どうですか?私全く料理しないので大丈夫かな……?」
クッキーを口に運ぶと舌にビリッと刺激を感じて、少し経った後めちゃくちゃ塩辛いのだと分かった。
「ゲホッ、ゲホッ、し、シイナさん?これ、塩入ってる?砂糖と間違えた?」
もしかすると、料理失敗例の定番、砂糖と塩間違えたパターンかもしれない。
「え、塩?砂糖?なんですかそれ?わかんないです……。」
「え。」
「え?」
話を聞くと、そもそも塩とは何か、砂糖とは何か自体が何かが分かっていなかったらしい。これは重症だ……「なんとなく台所にあった白い粉を入れてみた」と言っていた。もしかしたら塩ですら……いや、それはない。と、思いたい。この国での戦いが終わったら、料理を教えないと。さもないとそのうち知らない間に善意で毒を盛られかねない。その為にも、僕らは今回の戦いから生きて帰って来なければ。
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