2 救出
今日も一日が始まると思い、憂鬱な気持ちで目を開けた。
だが、今日が今までと違うとすぐに分かった。
『ドオオオオン』
『ガアアアン』
大きな爆発音が連続して聞こえ、先程までの眠気は吹き飛んだ。
いつもの研究者達は、臨戦体制というような感じだ。
実験で何か失敗したのかと思い、心の中でざまあみろと思っていた。
実際、これまでにも爆発が聞こえたは何度かあったが今回のは特に大きそうだ。
と、思っているとまた爆発音が聞こえる。
上から?
そう思って上を見上げて驚いた。今の爆破で、天井に大穴が空いている。
おいおい!これ実験失敗ってレベルじゃないぞ!
さらに天井からはなんと人影が見え、その人影は天井から降りて来た。
天井はかなり高かったのだが、全く気にしないというような感じだ。
次から次へと人が降りてくるが、先程の爆破の瓦礫によって姿が見えない。
やっと煙がなくなって来た時、研究者達は1人残らず倒されており、目の前には女の子がいた。
拳銃のようなものを腰と背中にかけ、巻かれたハチマキには拳のようなマークがある。
どうやら僕を見てかなり驚いているようだ。
というか目の前に機械人間がいて驚きなという方が難しい気がする。
「た、隊長ーー!!」
目の前の少女は奥にいる大きな女性に駆け寄った。隊長と呼ばれているので隊長なのだろう
「今回は大爆発で激しかったな、はっはっはー!
この設備を把握して、即時撤退だ!」
なんかテンション高そうな隊長だな……
「あのお、隊長おーーっ」
先程の少女が話しかける。
「おや!なんだね!フェル君!」
「あの、、あちらの方に、、、」
「なるほど!それは驚きだ!では私が対応しよう!!」
今度は隊長と言われていた大きな女性が近づいてくる。
金色の長髪で探検家のような茶色の服に、武具を全身に装備している。
相手の姿を確認していると、目の前のガラスがその女性に殴られた瞬間、粉々になった。
「やあ少年!よくこれまで耐え忍んだ!名を何という!」
ちょっと相手のハイテンションさについていけない。
3カ月間誰とも話しておらず、話し方を忘れてしまった。
「なるほど!先に私が名乗るべきだったな!私はアサルト、この革命軍ギャンの隊長をやらせてもらっている者だ!」
「僕の…名前は、、ハルっていいま…
「なるほど!ハルか!いい名だな!君のその姿や聞きたいことは山ほどあるが、まずは撤退だ!またこの奴らとの戦闘は御免だ!それに君も、こんなクソみたいな所からは一秒でも早く脱出したいだろう!」
なんか3カ月ぶりの初会話が途中で遮られた感じがするが、僕は黙って頷いた。
「全軍撤退だ!さっさとここからはおさらばしよう!」
みなこの施設から走って出て行く。
「少年!君は私が背負って行こう!」
僕は3カ月の拷も…ではなくリハビリで小走りぐらいはできるようになっていたが走ることはまだできなかったので助かる。
「少年!準備はいいか!」
「は、はいっ!」
「よし!では行くぞ!」
その瞬間、バイクのようなスピードで風景が動き出した。
この人、走るだけでも早すぎる!!
僕は必死でしがみつき、振り落とされないように必死だった。
かなりの時間が経って、そろそろ腕の力がなくなりそうと思った時、アサルトさんは歩みを止めた。
「少年!ようこそ我らギャン革命軍の秘密基地へ!」
そこは薄暗く、秘密基地と呼ぶにもってこいというような感じで、武器や地図、機械などが並べられていた。
「積もる話はあれど、まずは君を歓迎しよう」
僕も聞きたいことは山ほどある。
が、まずはあの場所から逃れられたことを喜ぶべきだろう。
この物語を発見、そして読んで頂きありがとうございます!
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