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1. 研究所より

痛い。

まずそう思った。

身動きがとれず、まずは現状を確認しようと思い、ゆっくりと左目を開けた。

そこは不気味なほど真っ白な部屋だった

目の前には白衣に身を包む研究者のような人達が僕を取り囲み、見ていた。

そのうちの1人が僕を見て、他の研究者に何か伝えている。

僕は何なのか分からなかったがもう一方の右目を開けて驚いた、視界が赤に染まっている。まるで3Dメガネみたいだ。

驚いていると目の前の研究者がチューブのようなものを僕の口に差し込み、チューブから液体を流し込んだ。

それが口に到達した瞬間、想像を絶する味に体を震わせた。


「味覚、正常に機能を確認」


研究者の1人がそう言った。

口の中に残る液体に苦しんでいると耳にヘッドホンのようなものを付けられ、間髪入れず、轟音が頭の中へと響いた。


「…!?!!!…」


声を発そうとしたが出ず、今自分に口枷が付いていることに気がつく。おそらくチューブを外した後付けられたのだろう。


「聴覚、正常に機能を確認」


轟音に身をよじらせていると、手のひらにマイナスドライバーのようなものが突き刺された。

痛みのあまり汗が止まらない。左目からは涙が溢れた。


「触覚及び痛覚の機能が正常であることを確認」


次に研究者たちはもう一方の手に何かしている。

あの痛みがまた来ると思い目を閉じる。しかし、痛みは無かった。

目を開けると、そこには科学者が腕を手に持っていた。

機械の腕だ。不気味な銀色の腕で、嫌な予感がした。

恐る恐る右腕を見る。しかし右腕があるはずの所にはもう右腕は無かった。肩から下の腕が丸ごとなくなっている。

さらに、右肩から、へそ辺りを通って両足にかけて鉛色のような機械になっていた。

さっき見た機械の腕が僕の腕だと分かった。赤い視界の右目も機械になってしまっているのだろう。

怖い。現実が受け止めきれない。

これは夢と思いたいと思うほど、左手の痛みがそれを否定する。


体のおおよそ半分は、もう僕のものではなかった。


それからの日々は地獄でしかなかった。

眠りから覚めると、まずは人体実験。いやでも、体の半分機械なんだから、「人体」実験なのかどうかはちょっと怪しいかもしれない。五感のチェックや体の機械の点検などだ。これ以上実験内容を言うと過激すぎて気持ち悪くなる人が出そうなので、詳しく言うのはやめておこう。

それが終わると次はリハビリという名の拷問だ。

何かというと、普通に歩けるようになろう!というもので、毎日行う。

一度、想像してほしい。

ある日突然体の半分機械になって、思い通り歩く自信ありますか?いやない。ないに決まってる。

そんな激ムズミッション、「歩行せよ」

失敗すると鞭で叩かれる。

はー?????どうやら心のノートを読んだことがないらしい。

お陰で終わる頃には全身血まみれだ。

そんな生き地獄のような日々が続いていた。


だが、日々が重なるにつれ、この体の機械についてはいろいろ分かってきた。

出来ることとしては、


望遠鏡のように遠くのものを見る

相手の機械内に記録されている情報確認


などがあることが分かった。

…いや、しょっっっぼ!何で僕の体機械にした?釣り合ってなさすぎだろ!

でも、これは自分で見つけたものもあれば、研究者に教えてもらったものもある。情報確認などは自分で見つけ、研究者に教えてもらっていないので、教えられておらず見つけられていないものはかなりあると思う。が、現状判明しているのはこれぐらいだ。ちなみにこれらは、使いたいと思えば使える超絶便利システムだった。

この能力を使って脱出…と思ったこともあるが、

あ、そういや僕歩くのがやっとだった…

あ、しかも能力ゴミやん…

と思い直した。  悲しい!!


そして毎日同じような日々を送っていた。

唯一変わっているのが痛みの種類、、、なんてことになっててちょっと笑えない。


そしてそんな不変の日々が続いていたある日、

この生活は大きな爆発音と共に変化を迎えた。


この作品を発見、そして読んで頂きありがとうございます!

か、感謝してもしきれない!!!

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