表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と、俺と、私の、春夏冬くん  作者: Q輔
エピソードゼロ 三つ首地蔵事件
7/117

7. 時代は令和へ

――この日の午後、櫻小路欽也は、この世を去った。

 工事写真を撮影するために地上2メールの深さの穴に単身で入った際、突然土留め板がへし折れ、崩壊した土砂の下敷きとなり、死亡したのだ。

 事故後、労働基準監督署が、事故原因を究明したが、櫻小路建設の安全管理に落ち度はなく、何故土留め板が突然へし折れたのか、関係者はこの奇怪な出来事に首を傾げるばかりだった。結局具体的な原因は不明のまま事件は沈静化し、やがて忘却の彼方に葬られた。

 奇怪な出来事は、それだけではない。

 最愛の夫を亡くした櫻小路夫人は、事故の翌日に陣痛が始まり、失意の中、我が子を出産した。

 この日も、病室にいた関係者は、一同首を傾げた。何故なら、三つ子を出産する予定だった麗子夫人のお腹からは、ただ一人の赤ちゃんしか産まれなかったからである。前日までエコー写真に確かに映っていた残り二人の赤ちゃんが、夫人のお腹から忽然と姿を消したのだ。

 この一件も、病院側が具体的な原因を究明することは出来ず、結局は、はじめから三つ子など確認していなかったかのように、うやむやにされてしまった。

 これが「三つ首地蔵事件」の全貌である。


 さて。これにて長ったらしい前置きは本当におしまい。いよいよ本編を展開します。

なお、本編は、序章のエピソードより半年ほどさかのぼり、三つ子が、まだお行儀よく日替わり交代で生活をしていた時期からはじまります。

 舞台は、同じく愛知県・大久手市・血の池町。

 時代は、三つ首地蔵事件から十七年後。令和六年・九月――




【登場人物】


一里塚林檎いちりづかりんご エピソードゼロの語り手 


櫻小路欽也さくらこうじきんや 櫻小路建設の社長 


櫻小路麗子さくらこうれいこ 欽也の妻



ここまでお読みいただきありがとうございます。★やブクマなどで応援をしていただけると、今後の執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ここまでQ輔さんっぽくない文章に感じました。 因縁話を淡々と語る女教師、いい。 何が始まるかぞくぞくしますね。 [一言] あきない 三つ子の名前 言葉遊びが面白いです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ