売名勇者現代日本編Part5
商標登録された有料イラスト素材を改変し
自作だと言い張り炎上した、マイチューブ配信者のあつし。
そこにヤ◯ザから逃げ延びていた薫達と運命的な出会いを果たす。
彼らは夜、リア凸してくる特定班を迎え撃ち怪我を合わせてしまい、逃亡。
夜中なので宿を探すが…。
この作品は、フィクションです。
実際の人物、出来事、団体は、一切関係ありません。
薫達は夜中の3時頃町中に目立つ
おんぼろないかにも潰れそうな旅館へ辿り着く。
オーナーは、快くとは言わないが、金には、変えられないと
言わんばかりに子供連れのお尋ね者みたいな連中を
泊めてくれた。
部屋はボロボロだったが、屋根と布団があるだけ恵まれている。
「私とましろはお風呂入ってくる!」
お風呂セットのアメニティを集めて部屋を出ようとすると
薫、楽、あつしの男子組は布団を敷いて眠りについていた。
「…」
「明日入ってもらいましょ?…」
紫穂と魔白は、大浴場へ行った。
外にあったので結構寒い。
湯に浸かりながら今後のことを考える。
「追われてるのよね…」
「うん…でもあたし怖くないよ!少し頼らないけどお姉ちゃんと
薫や楽あつしもいるんだもん少し楽しいかも?あはははなんてね…」
紫穂は少し肩の荷が降りた感じだ。
「父さんと母さんがシんでから楽しいこともなかったし…
せっかくお姉ちゃんの心が回復してきた頃だったのに…」
「大丈夫よ!あの時ましろは、私が守るって約束したじゃない!」
「実はあたしさっき訳あり逃亡者を匿ってくれる
バーがここから東の橋を渡ったところにあるみたい!
そこに行ってみましょ?あたし達みたいに悩んでる人が沢山いそうだし知恵を出し合うのがいいと思う」
紫穂達は入浴を終えると、スマホの通知が鳴ってるのに気がついた。
それは、薫や、ましろ達の行方不明届だった。
そして、楽の傷害罪!この地域の条例により
エアガンの外での使用は、禁じられているので、
それも追加で警察は、それを追っているとのこと!
「お姉ちゃん…」
「あんまりのんびりは、してられないね!」
翌日、奇食殿マーケットという所へ行くことにした。
「ただ問題は、ここが、未成年も歓迎ってところが不気味だよな」
「ああ、間違いなく裏の世界だと思う…」
「未成年を悪用する輩は本当に多いからな…特に家出とかだと
悪人どもは、簡単に漬け込んでくる…
少なくともましろと薫はオレが守らないとな!」
「嬉しいが無理はするなよ!」
「お、おれも守ってくれよ」
あつしは、震えながら言うと
「ああ、任せろって!協力が大事になるな」
と楽は、笑顔で返した。
「うっ!」
急に後ろからの笑い声に薫は、心臓がギョッとした。
「んでよ!」
「いやお前バカじゃん!」
「なあなあ、今日部活終わったらメックいこうぜ?」
「カバンじゃんけんで負けた奴が全額奢りな!」
ただの同世代の男子高校生達だ。
先日から、色々なやばい奴らに絡まれてるせいで、
見るもの全てを警戒してしまう…。
「あそこだ!」
見たところ、普通のスーパーマーケットの上に、マンションと
少しゴージャスな施設というだけでそう変わりはない。
すると青いメッシュの高身長のフェミニンな青年が
出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ、朝から絵に描いたような素敵な
団体ね!気に入ったから割引チケットをプレゼントするわ!」
奇食殿?全額35%割引のクーポンをそれぞれ受け取った。
「随分気前いいんだなこのお兄さん」
「お兄ちゃんじゃないわよお姉さんよ!」
「あ、なんかごめん…」
「ここ、スーパーの上にマンションがある感じだけど
本当にバーとかあるの?未成年歓迎とか?」
「まあそうね、正式なサービスじゃないわ!アタシバイト生の
アザミと言います!よろしく!コースを選んだらそこに案内します!」
「んじゃとりあえず個室ってないか?安いの!俺ら、
警察やヤクザから追われてて…」
「あーよくくるわ!…結構柄の悪い輩多くて、前科持って
行くところがない人や軽度な知的障がいを持っていて
細かい社則が守らずにどこにも行けない人とか、ホームレスとか
いるけど、喧嘩しない!バイトテロしない!
という誰でも守るれて当たり前のルールに従ってるわ!
バイトも自由だし!お金に困ったらとりあえず掃除と皿洗いさえしてくれれば平気よ!」
「1階は見ての通りスーパーマーケット!2階以降は、
マンションね!」
「とりあえず金は、まだ僅かにある!何か安い食べ物を提供してほしい!」
薫は要件を伝えるとアザミは
「わかったわ!5名様!食堂へ案内しまーす!」と
確認の連絡をとった。
薫達は、アザミの案内によって、地下二階の席へ案内された。
大人のお店な雰囲気なバーでかなり緊張する。
「いらっしゃいなんにしやすか?」
やる気のなさそうなバイト学生らしき二人がカウンターで
メニューを見せてくれた。
しかし、それは、どれも見たことない
料理ばかりだった。
「普通に白米とかフライドポテトとかないんですか?」
「え?メニューになきゃないでしょ?文句言うなら出ていきな?」
「生きたネズミにワニの脳みそって…」
「奇食ってそう言うことか!…」
全く別の世界に来た感覚だ。
「どうするんだよ…こんなの食えねえよ!」
「私も!生きたネズミなんて…世界って広いのね…」
そんな雑談をしていて気が付かなかったが、
二人のチャラい男スタッフ達は、ヒソヒソと話をしていた、
「こいつらって炎上した奴らだろ?」
「まあ、俺らもバイト先で、リア充客にタバコを投げつけた動画撮って炎上したから人のこと言えなけどな…あいつらもなんか
仲間大勢で楽しそうでムカつくからいじめてやるか!…」
二人は、薫達に、皿を投げつけた。
「売名勇者駆除します!この世界に勇者なんていません!
悪人が全てでーす」
「みんな避けろ!」
皿が次々と飛んでくる。
紙一重で回避できたが、こいつらは、何を考えたのか、
スマホで撮影している。
皿の猛攻を、止めたのは、最初にあった、アザミだった。
「やめなさい!騒ぎを起こすんじゃないわよ!」
「うるせえな!新人に仕事投げ出したオカマ野郎が!調子乗んな!」
「あ?…」
アザミの目の形が変わった。
容赦なくバイト達の鳩尾を殴る。
「ぐううう…」
「ちょっとこいつらゴミ捨て場に捨ててくるわ…
ここの料理が気に入らないなら、お詫びも含めて上のスーパー
とかで
なんか簡単に買ってくるけど…」
「あーじゃあ俺チキンと野菜ステッキで後おにぎりと」
「どうしようかな!…」
「んじゃ、おれはからあげBOX!」
「注文が多いわね…」
「んじゃちょっと待っててちょーだい!」
アザミは、
バイトテロ達を引きずって階段を登ると、
強面な中年男性が降りてきた。
「どうした…こいつら何かやらかしたか?」
「うーんちょっとね…」
「先日の新人どもがな!こいつらは面接の態度も悪かったしな!
コンビニのバイトテロ以外でも有名人への誹謗中傷で訴えられてまでいるしな」
「二人仲良いのにね!もったいないわね…」
「うちはヤクザでこそないが裏の世界であることに変わりはないからな!…少々青二歳どもが図に乗るには、厳しい世界なのだ!」
「んじゃアタシいきますわ!」
「うむ…」
「あの…」
「お詫びついでに、部屋をしばらく貸してやろう!
本来なら金を取るんだがな…地下5階のB506へ行きなさい!
金ならさっきのバイトがやめたから空きがでた、
五人いるんだし交代でシフトに入るのも良いだろう…」
ドサ!
「う…」
「この…」
「見逃してあげるわよ!あんた達みたいな、訳あり厨誰も助けてくれないわよ!…虫からのように生きることね!」
「……」
「口コミに書いてやる!あの店がバレたら…」
「ふん!小根は腐ってるわね!いいわ!反省がないなら…」
アザミは、思い切り睨むと二人は尻尾を切ったトカゲのごとく、逃げた。
大半のバイトテロは、それで済むが、
今回のは、タチがいつも以上に悪かった。
アザミのことを隠し撮りして、それをネットにアップした。
「このオネエ店員は、暴行、未成年への監禁など好き放題している
俺たちは、調査のため合法的にここへ訪れたのだ!あの奇食殿の場所を教えるから凸しろ!」
アザミは、その頃、薫達に通常のまかないを出して
薫達は、美味しく食べていた。
何もことの重大さを知る余地もなく。
数日後、
薫達は、生活資金を稼ぐためにバイトをしていた。
何かと楽しい…。
少しずつ奇食にも慣れていき
慣れるとそれなりに美味しい。
休み時間中
「気に入ってくれて嬉しいわ!食わず嫌いは、良く無いわ!」
アザミは親しげに色々と話を聞いてくれるし、
話してて楽しい。
「あんた達は、集団で炎上してるけどやはりインフルエンサーや
大物マイチューバーとして有名になりたいから?」
「なんと言うか俺は、この世界の不要な理不尽やルールを壊したいし
文句言いたいけど、普通に投稿するだけじゃ誰も俺の投稿に気がついてくれない…だから流行りの乞食や売名行為をしてたってわけ!」
「まあそうよね、世の中何かと暗黙の常識とかうるさいわよね…
アタシも薫達の気持ちわかるわ!えーっと」
アザミは、紫穂の方を見つめる
「し、紫穂です!」
「紫穂さんも同じ夢を持ってるの?」
「いや、私も正直そんな凶暴な事は、好きじゃ無いんだけど、
親なしで未成年だと、施設に行かなければいけないから
その施設に縛られるのは嫌だし、未成年とか関係ない!みたいな世の中にしたいなって…」
便乗と不満を吐き出すようにあつしも
「おれもだよ!日本は性教育とか何かと古いしコンプラもうるさくて楽しくアニメも観れねえし!それで性犯罪とか犯すバカ共もいるし、そいつらに1発人権侵害しないとがすまねえんだよ!」
と叫ぶ。
「そうよね!最近厳しいものね…人間は、理屈ではなく、
ルールで動くし、そのルールに争うのは、簡単に見えて簡単じゃない…そして矛盾も多い、これもいわゆる闇よね…」
薫は、思い切って告白する。
「なあ、アザミも俺らと世界に革命起こさねえか?
日本をいや世界をもっと良くしよう!ジェンダーレスで何かと生きにくかっただろ?」
「ちょっと薫!流石に失礼だろ?!」
「ま、まあ、そうね…この国は一見平和に見てものすごく闇が深いわよ…」
少し威圧的な一言にギョッとしたが、
ここまでやらかしてきた、薫達なら怖くはない
なんとでもできる!と思った。
アザミは、薫達と違い同じところを見つつ、
さらに先を見ているそんな様子だった。
休み時間が終わり、
皿洗いの仕事をしていた。
この仕事が終われば、上がりで良いようだ。
数日だけど黒川店主からは、すごく信頼を買われていた。
必然的に嬉しい、皿を全て洗い終わり手を洗っていると
上が何やら騒がしい…。
「五十嵐薫くんはいるかーい!遊ぼうよー」
明らかに中年男性の声だから無邪気な子のような
喋り方だ、下の階層まで、筒抜けだ。
先日の二人組が仕返ししにきたのだろうか?。
「アタシが、行くから注文とって来て!」
「アザミ!」
「黒川店主!」
「行くな!」
「なんでよ!」
黒川店主は、何やらすごく怖い目で見てくる。
「奴は、ネットで有名な特定権リア凸班!犯罪にならない程度なら、どんなことだってやる凶悪な男だ!もし罪になっても示談で解決!人の人生を奪っておいて一度も前科をつけていない大富豪だ!多くのバイトテロや炎上した有名人!犯罪者達を全力で完膚無きまでに叩きのめしてきた!それで金をもらってる超悪質ブロガーなのじゃ!」
「おーい!わかってるよ!」
「ちなみに警察も連れて来たからね!未成年を働かせてるわるーいお店ということで有名なんだからなー」
恐らく上は、警察で埋め尽くされているだろう。
奴らに捕まれば、話も聞いてもらえず、前科をつけられる。
警察は、理屈ではなく、法律や、メンツ、最悪金で動くのだ。
「冗談じゃ無いわよ!止めないと!」
アザミは、焦る。
「お前は、この子達を連れて逃げろ!すでに逃げる準備はできている!他の客は他の人に任せる!お前らそれなりに仲良いだろ?」
「わかりましたわ…」
「薫!行きましょ!」
「わかった!アザミの家にでも行くのか?」
薫は、安易な考えをしていたが
「いいえ…アタシには帰る場所はない…」
「は?…」
アザミは、かなり闇を抱えているようだ
薫は、察した、アザミの奥底に抱えていた闇を
無理に明るく振る舞っていること、
今の俺には、わからない。
壮大な過去があるのだろう。
そんなことを考えていると後ろから拳が飛んできた。
幸い急所は外れたが、
大声が出るくらいには、痛い。
「へへへへ!見つけたぞ!五十嵐薫!犯罪者!」
「ちっ!なんだよ!」
「随分の物言いだな!」
「この先どうする?え?お前のメンバーはわかってて
住所も調べて拡散済み!さあ!警察がいるぞ!未成年誘拐罪と
傷害罪!罪は重いぞー」
薫は言い返す。
「お前だって俺を殴っただろ?!」
「へー証拠あるの?」
メルフォンの喋り方的に、わざと弱く殴ったのだろう。
「こいつ!図に乗りやがって!」
薫は、メルフォンを振り切ろうとする
「みんな、離れてろ!」
薫は、メルフォンから距離を取り、そのまま体当たりをする。
しかし、受け流されてしまう。
「くっ!」
「ダッセーがかはは…」
「んじゃ、早速おでとお巡りさんのところへ…お前らいくでー」
「みんな!」アザミは、裏口から楽達を逃す。
「まってください!薫さんが!」
「いいから!…」
「あれ?いねえでか?」
「やれやれ…まずいな、傷害罪を合わせたボサボサ野郎を
捕まえれば警察からお礼言われてまあ株上がっただのにな!
このままでは、おでがガキを怪我させたってことで逮捕されてしまうで…」
「離せよ!」
「ダメよ!薫は、アタシが助ける!」
「くっ!信じていいのか?」
「楽!おれは、アザミを信じるよ!」
「あつし!」
「あたしもよ!ね!お姉ちゃん」
「うん…」
「そうかよ!…」
「嫌な言い方ね!あんた!モテないわよ!」
「興味ねえよ!」
二人は完全に互いに嫌悪を抱いている様子だ。
しかし、そんなことをしてる場合じゃない。
ここにいても、メルフォンに捕まり警察も来る
外に出ても警察が包囲しているようだ。
奇食殿のバー店内では、ボロボロの
薫が、倒れていた。
「うっ…」
「あいつ《メルフォン》は?」
アザミは、薫の安否を確認する。
息はある。
「に、逃げたよ…俺をここまでボコボコにしたんだ…警察と奴はもう味方同志ではないだろ?」
「とにかく脱出しましょ!逃亡に必要なお金はとりあえずある!
逃げましょう!」
アザミは、薫を抱えて、店を出る。
「あ、アザミ…よ、ろ、しくな…」
アザミは、皮肉気味な笑顔で返した。
その頃店主は、警察が店に押し入るのを必死に食い止めていたが
限界だった。
「少し見るだけです!」
「そんな権利はお前らには、ないだろ?!」
「いい加減にしなさい!最近噂になってるですよ!
この店が地下で未成年を働かせたりしてること!」
警察も店主も1歩も引き下がらない。
「好きにしろ!…捕まえとけ!この!ボンクラ集団!」
「1時46分!黒川幸之助公務執行防で逮捕!」
幸之助は、満足だった。
彼は、末期癌で、もう寿命も長くない、しかし、
訳あって、ここで雇い入れた、アザミがうまく
逃げられた事だけで満足なようだ。
「あの者は、国を追い払われ、迫害をうけ…
最後の願いだ!薫さんとやら…アザミをこの国から外へ出してくれ!
私は、才能を見分ける才能があり、お前達ならあいつと
上手く強く生きて行ける!共に夢を叶えてくれ!この国では、今もなお!差別や迫害が水面下で起き続けている!お願いじゃ…」
心の中で叫び終わるとおとなしくパトカーへ乗せられた。
「急におとなしくなりやがって!」
黒川店主が何故薫達を信頼していたのか?
それは、世界の闇とやらから逃げているアザミを
この店が警察に見つかった時、共にいてくれる
人になってもらえると、信じていたからだ。
アザミを脅かしている、世の中の闇とは…一体。
薫達は、無事地上へと逃げられたが…彼らの運命はいかに!…。
ご愛読ありがとうございます。
ブックマーク等お願いします。
次回は、仲間の仇を打つため
警察署へ殴り込みLIVEを行う…。
彼らの運命は、いかに!…。