売名勇者2現代日本編Part2
1月23日に投稿する予定だけど作り直しました!
指が痛い。
世界で人気なスポーツといえばブラジルから来た球技サッカーだろう、今でも男子なら誰もが夢見るのがサッカー選手。
今日も部活では練習試合だ。
一人ポツンと見学する高校生がいた。
茶髪ツンツンな髪型という少し個性的、。
サボり?いやそんなわけない。
彼は、事故の影響により足が弱いのだ。
試合中の怪我ではない。
6歳の頃両親と旅行の帰りに、事故にあって、
両親は、そのまま他界、オレと妹は、助かった。
俺が、無理矢理赤ん子の妹を庇った影響だ。
今思うと、チャイルドシートに固定されてた俺が
母親に抱えられていたとはいえど、よく助けられたものだ。
火事場の馬鹿力ってやつか?。
しばらく時間を潰してると、部活練習試合は、終わった。
オレも出たかったな。
サッカーは、幼稚園のクラブからやっている。
基本勝負事は、何にでも熱くなれると同時に
笑顔で楽しめるのだが、
ダントツでサッカーが好きだった。
下を向いて座っていると、
幼馴染の竜が話しかけてきた。
「大丈夫か?」
竜は、昔から面倒見が良く、
学年性別問わずみんなから慕われてるうえに
担任やコーチからも信頼が強い。
オレにとって家族の次に宝と言える存在だ。
「大丈夫じゃねえよ俺も引退かもな…」
無理矢理にでも笑顔を見せていたつもりではあるが、心の底では、涙していた。
「泣くなよ!楽!男だろ?」
「な、泣いてねえよ、」楽は、手で目を拭った後
竜の肩に、手をかけた。
「す、すまねぇ!」
下手に無理をすれば歩けなくなる。
オレは、祖父母と妹の4人暮らしだ。
あの時の事故により、健康な足も両親とも失った。
本当は、もう、部活を退部して、世話になってる祖父母の
世話をしなければいけないのは、わかっている。
しかし、祖父母は、「気にしなくていい」
「楽しめる時は今しかないんだ!好きな事をしろ」と
言ってくれてるが、それは、オレに強制感を持たせないためであり、サッカー部にいては、いけないんだ…。
祖父の方は、最近調子が悪い事も多いし、
いつでもそばに居てやらないと、中学生の妹が、グレて、
非行になってしまった以上、祖父母に恩返しできるのは、オレしかいない。
「なあ、俺みたいなやつってスポーツしちゃいけねえのか?
悔しいんだ!自分で言うのも情けねえがポテンシャルは、相当高いと思うんだ!」
楽は、親友の竜に、初めて涙を見せた。
「なんだお前!本当に泣いてるのか?いやわかるよ!」
「オレは、オレは!…」
「そんな事ねえよ」
情けかと思ったが、竜の目は、真剣だった。
「お前のポテンシャルは俺も正直高いと思う!
本当にお前の境遇を心から悔やむ自分の事のようにな!」
竜は、胸に手を当てて、深呼吸を三回した。
昇降口に入って上履きに履き替え終わり、
更衣室へ向かい、着替えながら、
「厳しいこと言ってやる!お前はサッカー部にいるべきではない!
正直何にもならない!ただの自己満足でしかないし、それがお前をより苦しめている!」
10年間、サッカークラブや部活で練習をしてきた。
帰巣反応なのだろう。
サッカークラブにいるととても落ち着くのだ。
やれる範囲でやる!無理はしない!そんな形でずっとやってきた。
「うちに来い!明日休みだから泊まってけ!遠慮はいらない!」
オレは祖父母に連絡を入れると、竜の家に入った。
人の家に入るの少し緊張していた。
「今日は両親はいない!だが責任は俺が取る!」
竜の目は、本気だった。
「上に兄がいる!上がって欲しい」
竜の兄貴か?そういえばあいつは次男だと聞く。
偏見だけど、次男という立場はあまり頼りないイメージがあった。
長男や長女の背中を見ながらと言うか…
しかし次男の竜が、あれだけの兄貴分なのだから
彼のお兄さんは、どんな人なのだろうか?あってみたい。
「兄貴!」竜は、ドアを開けた。
「チームの仲間になる人だ!」
「あの、よろしくお願いします、」
竜の兄良太は、身体障がいを持っているようだ。
心はそれなりに健常で普通に会話相手には、なりそうだ。
「は、はじめまして!永井楽!です!…」
「福井良太だよ!よろしく、髪型かっこいいね」
「あ、ありがとうございます!」
同じ身体に障がいのあるもの同士と言うことで
竜は、良太さんを紹介してくれたのだろうか?。
「実は兄貴そこそこ強豪チームに所属してるんだ!」
「なんのだ?」
「eスポーツだよ、SPFや育成RPG格闘ゲーム
サッカーやバスケみたいに世界大会が今行われてるんだ!
日本ではそんなに知名度がないし何よりイメージがよくない!
そんで持って、オレの兄貴は、そんな偏見をなくしたい!
ゲームで世界は友達になる!の会を作ったんだ!
ゲーム好きだったよな!退会は自由だ!」
うちにPCはあるが…そんな急に強くなれるのか?
「それは練習次第だ!」
正直あまり気は乗らないが…自分にスポーツをしてもいいんだ!と
言われた気がして嬉しかった!。
障がい者とか健常者とかそんなの関係ない世界!。
「俺は、思うんだ!世の中に多種多様性社会に今なりつつあるけどまだまだ偏見は、多い!それは中にはどうにもならないものもある!
しかしこういったサークルは増えている!いつかサークルの外でも!堂々と生きていける世の中になる!不満はあると思う!
その時まで俺らみたいな少しでも理解できる人が、
サポートする!それが俺の使命!ってちょっと自惚れ隙間たかな?変だったか?」
「そんなことないよ!俺は認められた気がする!まだ、eスポーツ選手になれるか、わからないけど」
それについては祖父母も素直に受け入れてくれた。
年齢的に理解してくれるか、かなり不安だったが、
規則正しくやると言う事を約束に、オレはeスポーツに励んだ。
チームにはオレを含めて7人いた。
その中には、想像以上の重い障がいをもつ人もいた。
オレは世の中を知った。オレは甘えすぎていた。
本人たちには、悪いけど彼ら的には、自分の障がいなんて気にする
ほどにもないのだろう。
作業療法士志望でもある竜は、オレのことも
前以上に上手く支援してくれていた。
「あの!対戦いいですか?」
「いいですよ!」
ゲームが始まった。
チームでどちらが多く敵や倒せるか?というシンプルとはいえ
戦略は、無数に存在しており、やり方や相手によって
王道な戦法から意外な戦法まで使える。
「そこだいけ!」
「楽!お前が決めろ!お前があの高得点モンスターを倒せば、俺たちの勝ちだ!」
「やってやる!」
対戦相手のチームも狙っている、オレの方が先に撃てる
「行け!」ギリギリの点差で、オレ達の勝利だった。
しかしそんな幸せも長くは続かなかった。
いや、続かないことは決まっていたのだろう。
ジストロフィーを患ってる仲間の一人がついに、ゲームが出来なくなったという、知らせを受けた。
代理として報告してくれていた作業療法士さんも悲しそうな声だった。
「なんでだよ!約束したのに…いつか、eスポーツの大会に出るってよ!」それだけではない、オレ以外の仲間は日に日に声が弱まってきている。
オレには、わかっていた。
みんな、寿命は、そんなに長くはないということを。
特に良太を見ていればよくわかる。
みんな、生まれつき体が弱く、寿命も長くはないのだろう。
運命とは、残酷としか言えない。
オレが出来ることは、少しでも大切な仲間達と楽しく過ごすことだ。
「ねえ、楽くん…」
「良太さん…」
「僕たちeスポーツ大会に出られるかな?」
良太は、ボソッと言った。
俺は驚いた表情をビデオ越しに見せてしまった。
eスポーツの公式大会では、特殊コントローラーが認められていない。
オレは、ノートパソコンのキーボードでそのまま
操作をしているが、仲間の何人かは、特殊コントローラーを使っている。それは良太も同じだ。
「良太さん…」
「わかってるよ…」全てを悟ったかのように、切なくも微笑みながら言った。
みんなもしかしたら、eスポーツ大会を目標にゲームで頑張ってきたのか?。
誰のせいでもないが今日ほど自分の無力さにイラだった事は、なかった。
オレは、学校の帰りその事を竜に愚痴った。
すると竜は、
「いいじゃないか!」と提案した。
しかし、eスポーツ大会となると、海外へ行かなければならない
事もあるだろうし、なによりコントローラーや、もしプレイ中に
発作などが起きたら…。
オレは頭の中が混乱した。
「俺達で開催させればいいだろ?」と竜は、堂々と提案した。
「なければ、作る基本だろ?」
しかし竜にそんなことができるのか?。
「まずは非公式だけどな!俺も実は密かに準備してたんだよ」
「そうなのか?…」
親は、真顔になった。
「俺の彼女!まだ中学生だけどインフルエンサーでさ!」
「お前彼女いたのかよ!…」
「ネットの友達だよ!」
「オイオイお前ネットってネカマじゃねえよな!」
オレは、少し妬ましく煽るが
「まあネカマでもいいけどな俺は…」
オレは、冗談で言ったつもりだったのだが
竜の目は、少し真面目だった。
「仮に性別を偽っていたとしても、本気で俺のことを好きになってくれた人を俺は受け入れたい!俺は、全ての人を受け入れる人間になるのが夢なんだ…兄貴やお前のおかげでここまで世界は広がった…本当に感謝してるよ!」
今まで単なる腐れ縁な対等な親友だと思っていたこいつだけど、オレには、こいつが自分とは、
比較にならないくらい大きな人間だなと思った。
頭が上がらないよ。
数ヶ月後竜と彼女さん金子魔白のおかげで、非公式の小さな大会だけど
障がい持ちのハンデありの大会が、開催された。
人は、そんなに集まらず、12チームの勝ち抜き
トーナメント戦となった。
楽達のチームは、第3試合だ。
優勝すると5万円分のギフトカードがもらえる。
楽達は特に課金は、一切せず、
チームの連携や、新しい戦略を重視して、重課金者に勝つという
のをポリシーにしていた。
とは言っても、自らお金を架空のものに払わず限定の
アイテムが手に入るのが嬉しい事に越したことはない。
しばらく待機していると、楽達のチームの出番が来た。
俺は、パソコンを持って、竜の家で良太と一緒にやるつもりだった。
良太は、落ち着きがなくとても緊張していた。
「大丈夫だ!練習したし!負けたとしても悔いがない負け方をすれば、いいだろ?」
「う、うん…」
いつも通りにやればいい練習は、本番のように、
本番は練習のように!。
ついに出番が来た。
相手チームと仲間達とボイスチャットを繋いだ。
「い、いいか!負けても恨み仲間割れなしだ!オレたちはチームだなんだ!みんなで一人!」
啖呵をきって挑むが…相手のチームのリーダーはあつしマンという
ユーザーは、非常に嫌な奴で、
「これで勝てれば苦労はしねえよ!俺たちは、
世の中絡み止められないんだ、こんな大会に勝った所で…
まあそれをわからない奴を己の無力さを分からせる事で金がもらえるからこんな大会に出てやったんだ…」障がいを持っていることを
コンプレックスに感じているのだろう。しかし、
だからと言ってそんな言い方はないだろうに…。
楽は、ひどく落ち込んだが、それと同時に、静かに燃えてきた。
緊張なんて吹き飛ぶくらいに…。
チームは一人の人間ということを意識して、
第一回戦を攻略。
性格に似合うのか似合わないのか分からないが
やたらいやらしく手強い相手だった。
そして何より卑怯。
こんな奴に1回戦で負けたくはなかったがそれにより
チームの団結と緊張が和らいできた。
「対戦ありがとうございました!」楽は笑顔で言ったが。
「俺らに勝った程度で調子乗んなよ」と誰の得もしない、
捨て台詞を吐いてチャットは切れた。
「楽くん…世の中色々な奴いるね…」
「そうですね…」
楽は、良太の純粋な笑顔の一言に助けられた。
これも多様性と認めるべきなのか?いなや…
楽達は、順調にトーナメントを勝ち抜いた。
やはりというか…やたら性格の悪い輩が多く相手に見えない
事をいい事に、酷い罵詈雑言を浴びせてくる。
参加は自由なものの、メインターゲットの身体障がい者は、
あまり参加してくれなかった。
だからこそ楽達が勝って、障がい者でもやればできる!
ハンデはあっても、健常者と対等であるべきということの
証明の1歩とならなければならない。
相手のチームは、悪質ユーザーとして名高い奴らが揃った
チームだ。
大方、小さな大会で優勝を狙いにきたのだろう。
絶対に負けられない。
オレ達の決勝戦か゛始まった。
しかし、良太のプレイがこれまでのようにキレがない。
「どうしたんだよ!」
隣を見てみると
良太は、やけに苦しそう。
「ハァハァ!」息が苦しいのか?
まさか?発作?試合を棄権するか?
あんな奴らに負けるのは癪だけど、命には変えられない。
当時は知らなかった、後に竜から聞いたけど、良太は、
歩けないだけではなく発作も稀に起きるらしい。
年に一度起きるか起きないか?というくらいだが
相当深刻な障がいなようで最悪の場合…。
ゲーム画面を見ると、点数は、どんどん差がつけられているのがわかる。
オレはボイスチャットで、仲間達にこのことを知らせた。
仲間達は降参する胸を伝える。
「良太さん!すまん!」
「う、ううう…」相談の結果、降参が選ばれた。
ボイスチャットからは、心にもない罵詈雑言が聞こえるがオレの耳にはそんなもの入ってこなかった。
「良太さん」竜のおかげで、良太は、病院へ搬送。
オレが熱くなってしまったばかりに…。
オレはその日以来部屋にこもっていた。
食事もパンと根菜くらいしか食べる気が起きなかった。
オレは罪悪感から、部屋に篭っていた。たまにゲームをやる事くらいだろう…。
祖父母にも迷惑かけているのは、わかっているが、オレの罪悪感は、並のものでは、ない。
なんであの時気づいてあげられなかったのだろう。
竜は、「知らなかったんだから仕方ないだろ?」と
言っていたものの、共にいた人の異変くらい知らなくても
察せなかった自分が許せなかった、
知らなかった、そんなの言い訳にすらならない。
いつからだろう、オレは健康体でゲーム内でしか
いきがる事しかできない、インキャ達を全力で相手の心を
ボロボロにして、ゲームを開くとPTSDになる手前くらいに
叩き潰すのが趣味になった、
もちろんそれじゃ奴らと同じだ奴らと違うのは、決して
こっちから吹っ掛けないことだ。
そんなことしていると、あのあつしというユーザーも心に闇を持っていたのだろうと言うことが、分かった。
調べてみると、奴は、底辺マイチューバーで
ゲーム実況をしているらしい。
しかしなかなかオーバーな、内容なのが多い。
商標権違反やタグの濫用などと叩かれている。
「……こいつも悪いことをしているが…ここまで悪く言う必要はねえだろ?…確かにやってはいけない事は注意する必要があるがそれを理由に侮辱行為をしてる時点でそいつらは、そいつ未満なんだよな…」引きこもって半年、オレはこの世界の闇を知った。
そしてそんな時、1通の手紙が届いたようだ。
祖母は、オレの部屋のドアの下から滑り込ませた。
それは良太からのものだった。
「ごめんね、大会優勝できなくて…僕は君の友達じゃなかったのかな?でも一緒にゲームしてるのとても楽しかったよ!
僕はもう先が長くないみたいなんだ!もし来世があるのなら
健康な人に生まれたいな…最後に世間的な愚痴を言うけど、
人間体が健康ならいいってわけじゃないみたい、健康だけど、
あの大会にいたあつしって子みたいに、心身共健康じゃない人もいるみたい!心と体両方健康にって難しいんだね!君達にもあつしくんにも僕の分まで謳歌してほしいな!まあ顔見せてね」手紙は
涙で濡れていた跡があった。泣きながら、書いてくれたのだろう。
オレは、体のみならず心まで不健康なのか?と思うと
涙が出そうになり涙を押し戻し
彼の入院している病院へ向かう事を決意した。
「良太さん!オレ!」
バス一本で行ける距離だ!、
病院の受付で手紙を見せると案内してくれた。
しかし病室へ向かう途中物凄く緊張した、
入るのをためらって帰ろうとすると手紙が落ちた。
オレは、手紙をもう一度読んで、病室のドアを開けた。
「良太さん…竜!」竜と良太と看護師が部屋にいた。
「竜…」
「楽…お前…」
「楽くん…」
良太は痩せているものの、元気そうだった。
「手紙見てくれたんだね、体は弱ってるみたい…だけど、心は元気でいなければなって…」「ゴホゴホ!」
「兄貴!」「良太さん!」
「う、も、もういいんだ…楽く…んが、……き…なら…うぐっ!」
良太は、この後何回か小さく呼吸をした後息を引き取った。
しかし、表情は、満足そうだ。
もしかしたらオレに会うために、さっきまで無理して…
そこからオレの心は、罪悪感から闇へと、堕ちていく。
もう少し早く来ていたら…オレは、どれだけ彼を苦しめれば気が済むんだ…。
「竜!迷惑かけた…」オレは即病室を出た。
病院の河原でひたすら泣いた。
「なんで!あんな良い人が…大切な人が…また失った…
両親を失い…健康な足を失い…妹を失い…長年の趣味を失い…友人も…これ以上何が…」
「守り抜いて見せる…失う恐ろしさと今の尊さ…多くの人にわからせてやりたい!オレのような思いをこれ以上してほしくない…」
そして数年後
俺はカウンセラーの、勉強と対戦ゲームを
両立して、成功へと近づきつつある。
俺は一人暮らしを始めた。
趣味はゲームで、悪質なユーザーと戦う事だ。
とは言っても無差別に叩く訳ではない。
対戦を普通に申しこまれれば普通に対戦を楽しむ
そして
本業として、病んでいる人々の話を聞くものの
それに対しても喧嘩腰なら容赦なく倒す!そんな形だ。
対戦ゲームは、治安が悪く、悪質なユーザーも多い。
よくsnsで、悪質ユーザーを黙らせてほしいなどの
依頼も来る。
今日もそんなDMが来た。
「売名勇者?またオレに潰されにくるやつが来たか?」
と思って開けてみると、依頼のようだ。
「すまん!あんたこのゲームうまいな!力貸して欲しい!」
「お前荒らしだろ?俺言っとくけど荒らしやキッズを泣かしてやるチャンネルだぞ!泣かされにきたかw」
やれやれと言うノリで返していた。
「リアルの友人がその俺以上の悪質な奴にプライバシーを侵害されて!無断転載ってやつだよ!」
「やれやれ俺は◯し屋かよ!悪くねぇ面白そうだから乗った!だがその前に力をしめしてくれ!お前戦場ゲームやってるか?」
◯し屋な…その通りかもしれんな。
どうやら平野コードというゲームならアカウントがあるらしい。
「良いだろう対戦してやろう!まあハンデはやるがな!」
コードをDMで送ってもらった。
数十人の対戦ゲームだ、初心者の売名勇者が
足引っ張らなければ、互角だろう?。
まあ少し手加減してやるつもりではいるが。
やはりと言う通りに、売名勇者は、プレイが絶望的に下手だった。
人には得意不得意はあるだろう。そう思うと少しかわいそうになってきた。
よく考えてみたら、自分では出来ないからオレを頼って来たのだ。
むしろそこまでオレの力を求めていると言う証明にはなった。
勝敗なんてどうでも良い。
しかし、売名勇者の無邪気とも取れる
一生懸命さは、かつての親友を思い起こさせた。
オレは時を見て降参を選んだ。
すぐにSNSのDMで「オレの負けだ」とDMした。
「お前名前は?オレは、楽!永井楽だ!」
「五十嵐薫!ってかこれ教えていいの??」
「ま、まあ名刺交換みたいなもんだ!オレお前をなんか気に入ったみたいだから…それより潰してほしい奴の名前教えてくれよ!
やってやるから!」
「わかった!」
オレは依頼が出てるザムと言うユーザーに凸した。
「悪いな!お前なんであの女の子の顔無断でアップしたんだ?」
と言うと
「お前には関係ねえだろ?」と返された。
「本人消してほしいと言ってるぞ!」
「うるせえなブロックするぞ!」
「いいよ!サブで挑んであげるから…」
「わかったよ!んじゃ対戦ゲーで勝負してお前が勝ったら
動画消してやるよ!」
計画通りだ。
案の定と言わんばかりに嫌な奴で、
煽るには申し分ない奴だった。
オレの方が登録者では上だ、こいつのことを知った
正義マン達が精神的な攻撃をして倒してくれるだろう。LIVEには、
沢山の応援コメントがついた。
「てめえは雑魚だからオレには勝てねえよ!」
「果たしてそうかな?」案の定というか楽な圧勝だった。
「んじゃ消してくれるかな?」
「嫌だ!消さねえよ」
「あれ?約束が」
「違わなくねえよ」
しかしLIVEコメントでは、
「嘘つき乙」
「無断転載とか終わってて草」
「キッズは垢作るな」などの罵詈雑言に晒されていた。
マイチューブのやつのコメント欄は対戦してる間に
薫にめちゃくちゃ荒らされていた。
SNS上で肩身の狭くなったザムは、無事アカウントごと削除したのだ。
「流石だな!」
「お前は、荒らしのくせにいい奴だ!」
本来なら握手をしたいところだがネットでの話なのでそれができないのが少し残念だ。
しかし、紫穂の無断転載画像も消えたのだが、
すでに他でコピーされているかもしれないし安心ではないだろう。
ちょっとしたことで怒りを買い取り返しのつかないことしてしまう
ことなんて日常なのかもしれない。
そもそもこの世界に安心という言葉はないのだろう。
ご愛読ありがとうございました!。
次回はもう少し早く投稿できるように頑張ります。
次回は五十嵐薫のオリエンテーション編になります。
そしてそこで仲間達とリアルでオフ会!。