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はやての異世界配信局  作者: はやてch
9/10

【配信外】魔術ギルドの看板娘とゴッツイおばさま

1000pvあざます。

そういえば検索からこの小説確認したら概要の所がくちゃくちゃになっててワロタ。


改行って面倒臭い。


「おつかれーッス!!新規ダンジョンローンデイルの一時調査が完了したんで帰還しましたァ!!」


両開きの扉を勢いよく開き、声を張り上げてそこそこ豪華な二階建ての建物に入る俺。

今現在拠点にしている街の魔術ギルドである。


いきなり声を張り上げて入ったせいなのか、受け付け嬢のアンナさんがぎょっとした顔でこちらを見てきたが、俺だと分かるとため息をついてジト目でこちらを見てくる。

というか他に誰も居ないな、皆出払ってる感じか?


「はやてちゃん、もうちょっと、こう、慎みとか持つ気は無いの?いつも思うんだけど歩き方とか柄の悪い不良みたいよ?可愛い女の子なんだから」


余計なお世話である。


「いや、好きでこんな容姿に成長したわけでもないしなぁ。周りに見られるのを気にして歩き方を直す気も別に・・・後、あれッス、何度も言いますけど一応こんななりでも成人してるんでちゃんづけはちょっと」


「相応の態度をとるならちゃんと大人として扱ってあげるけど?」


「いや、見た目相応の態度なんかとってたら余計子供に見られるのでは?」


「今でも充分子供っぽいわよ、はねっかえりの反抗期みたい」


「ッス―・・・」


無理だ、勝てねえ(試合放棄)

いつも会うたびにこんな感じにふざけ合っているのだが口でアンナさんに勝てたためしがない。

せめて、せめてこの世界に来たときにアンナさんみたいにキリッとした美人な大人の姿だったらこんなに言われる事もなかったのに・・・ぐぬぬ。


「で、はやてちゃん。新規ダンジョンはどうだった?怪我とかはしなかった?」


「ご心配どうも。んで、報告なんですけどその前に食堂で何か軽くつまんで来ても良いです?ダンジョンで軽く食べた位なんでちょっと小腹が減ってんですよ」


「今の時間は・・・14時ね。丁度私の業務も一段落したし、食堂で一緒に休憩しつつ報告でも聞こうかしらね」


ん~、と言いながら大きくノビをするアンナさん。

ぱっと思い付いたイメージなのだが、何か猫みたいだなアンナさんって。


「まぁ周りに聞かれて困る様な報告もないですしね、しかもそんなに内容もありませんし」


「じゃあここで報告してから行けば・・・いや、いいわ、行きましょ。何か甘いものが食べたいの」


立ち上がり食堂へ向かって歩き出すアンナさん。

ちなみに食堂だが、魔術ギルドの隣の空家をマスターが買い取って繋げ、そのままそこを昼は食堂、夜は酒屋として使って居るらしい。


俺が来た当初は味もお察しの感じだったが、優秀な視聴者諸君のアドバイスをさも自分が知っているかの様に伝えて工夫されたお陰か今は割りと食える様になった。

というか正直他の場所では調味料関係が高価なせいであまり食いたいと思えないしなんなら自分で料理した方が旨い。


「はやてちゃん、難しい顔してどうしたの?早く行きましょ?」


「ん?ああ、もうちょっと砂糖とか塩とかの調味料が安く仕入れられたらどこでも旨い飯が食えるのになぁって思いまして」


「砂糖に関してははやてちゃんが教えてくれた果物から砂糖を取り出す方法だっけ?あれ、驚いたわ」


「正直あんな雑な説明でよく形になりましたよね。まぁ他にも試して貰いたいものが幾らかあるので考え中ですが」


並んで歩きながら食について考える。

正直色んな所にダンジョンが出来まくるせいで交通やなんやが整備できずにぐちゃぐちゃになり、まともに国同士で連携や交易が行えないせいで発展が遅れている、というのが現状だ。

ほんとダンジョンってゴミ。


「相変わらず食にこだわってる様ね、お陰でうちの食堂の味が格段に良くなったけれど」


「まぁもと居た場所が食にうるさい所だったせいでしょうね」


「ニホン、っていう国だったっけ?羨ましい事ね」


「まぁもう戻るの諦めそうな位遠い場所に有るっぽいんで今は考えても仕方がない事なんですけどもね?」


アンナさんが普通に日本と言う単語を口に出しているわけだが、さっきの通りダンジョンとかいうゴミのせいで近隣の纏まっている国以外とは交流が断絶しているのでどこにどんな国が有るのか把握している人がほぼ居ない。

なので、日本という国から事故で来たと言ってもそんな国が有るんだね、という程度で済むのが現状である。


そんなことを考えている内に食堂に到着。

いつもはこの時間帯でもそこそこ人が要るのだが今は一人も利用者が居ないようだ。

皆出払ってるとは聞いていたが何か急な依頼でも飛んできたのだろうか?


「はやてちゃんも大変ねぇ、事故でこんな遠いところに飛ばされちゃって・・・さて、何を食べようかしらね」


「んー、昨日食堂のおばちゃんが明日は焼き菓子に挑戦するって言ってたんで売ってくれるならそれでいいかなって」


「え、いいわねそれ!量があるなら私も食べたいかな」


「じゃあそうしましょ。おばちゃーん!昨日言ってた焼き菓子っていま有る?!」


厨房の方に声をかけると奥の方から返答が聞こえ、やたらと図体のデカイ女の人がこちらにやってくる。

食堂のおばちゃんことマリアさんである。

パッと見は完全に戦う人そのものなのだが別にそんな事はなく、ここが出来た当初から料理を作っているらしい。

まぁそれより前はどこかの国で有名な近接戦闘の達人だったとかいう噂話を聞くが正直納得である。


「はやてとアンナかい。丁度出来上がった所さね、あのクッキーとか言ってた焼き菓子は?試作品だからお代は要らないから食べて感想を聞かせてくれたら嬉しいね」


「おー、ラッキーじゃんアンナさん。来て良かったッスね!」


「ホントね!じゃあマリアさん、頂いちゃっても良いかしら?」


「はいよ、たんとお食べ」


食堂のおばちゃんことマリアさんから差し出されたのは大皿に乗っためちゃくちゃな量のクッキーである。

山だ、山が出来ている。


とりあえず受け取ってみるもクソ重い。

隣のアンナさんもこれには苦笑いだ。

え、これ全部食うの?嘘でしょ?


「まりあおばちゃん・・・?」


「クク、なんだいその気の抜けた声は。別に全部食えって訳じゃないよ、それは他の連中の分も込みだからそっから好きなだけとってきな」


「良かったわホントに。美味しそうだけど全部食ってたら腹が爆発しちまうって」


「相変わらず口の悪い娘だねあんたは」


「最近色んな人にそれ言われてるんで聴き飽きたわ。あ、あとおばちゃん果実水二つな」


小皿にクッキーをいくらか取り分けながらおばちゃんと軽口を言い合いう。

ついでに果実水を頼んでみたがこっちはしっかりお代を取られた、残念。


「ま、好きな所で食べてきな。私は裏で夜の仕込みしてるから・・・皿はカウンターにまとめて置いといてくれると助かるね」


「おー、あんがとなおばちゃん、食って少し駄弁ったら出てくから。後、この程度の皿なら洗っとくけど?」


「構わないから置いときな。ほらいったいった」


そういってマリアさんはのっしのっしと厨房の奥に歩いていった。

やっぱ強そう。

後ろ姿とか歴戦の兵みたいな感じがするし。


「んじゃアンナさん、頂きましょうか」


「そうね・・・そういえば果実水のお代二つ分出してたでしょ?いくらだった?」


「え?あー財布しまっちゃったんでもう良いッスよ。今回は奢りって事で」


「あらほんと?男前ね、ありがとう」


「お、おう。お気になさらず」


この姿で男前って言われても悲しいし、可愛いって言われてもイラつくだけだし。

なんだかなぁ、やってらんねぇなぁオイ。



ちなみにアンナさんと食べたクッキーだが試作品じゃなくてもう完成品で売り出せば良い位美味しかった。

久し振りに食ったクッキーに感動し若干泣きそうになった。マリアさんまじパネェ。

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