『ローンデイル騎士学園』~一階演習場3~
ブクマ、いいね有り難う御座います。
「ハァ・・・ハァ・・・おぇっ」
「おぉ勝ってる、すごいすごい。んでヨースケさん次いける?というか逃げれないしがんばえー」
「ねぇはやてさんマジで言ってる?もう無理よ?見てこれ、身体中穴だらけ」
『うわぁ・・・』
『身体から光の粒子が漏れ出てる、綺麗』
『綺麗・・・綺麗?』
『なんかサイコパスさんおる?』
『あぁ・・・四体目が入ってきた・・・』
さて、ヨースケさんだがもうボロボロである。
視聴者どもの言う通りほわほわ光の粒子が漏れ出ている。
残りのHPは二割を切って更に出血(?)のスリップダメージで低下中だ。
まあ結界で逃げられないので諦めてもろて。
「ほらほら、後二体だぞー、がんばれ♥️がんばれ♥️」
「いや、俺は別にロリコンじゃないんでそんな応援されてもテンションあがんないッス・・・というかあくまでやってたのは剣道なんでレイピアとか短剣とかこられても処理出来ないっていう」
「なんだ、俺の視聴者って皆ロリコンかと思ってたんだが違うのか。ていうか後ろから来てるぞ」
「・・・うぇっ?!」
半透明な壁を挟んで会話していたヨースケに迫る短剣使いの生徒。
まぁヨースケが話している背後でお辞儀してたの見えてたんだけども。
『教えてやれよ・・・』
『でもヨースケ凄くね?背後からの横凪ぎをヤベェ顔しながらバックステップの体当たりで潰したぞ』
『あー、でも背中に短剣が刺さってら』
『流石に負けたか』
『そして俺らはロリコンではない(一部除く)』
しかしヨースケ君もよく粘る事、体当たりで仰け反った相手に勢いのまま振り上げ一閃、右手を飛ばした。
・・・飛ばしたのだが、HPがそのまま0になり床に受け身も取らずうつ伏せで倒れるヨースケ君。
そのまま顔だけがこちらを向き目と目が合う。
「あー、もう力はいんねっす、限界です」
「せやろな、お疲れぃ」
「かっる。もうちょい何か合ってもいいんじゃないッスか?」
「おう、じゃあまた呼ぶわ、次回も宜しくぅ!!」
「ウソだろ、マジかよこいつ・・・」
言うと同時にフッとその場から消えるヨースケ君。
成る程、そういう消え方すんのね。
『このロリ怖い』
『呼ばれなくて良かったわホント』
『今回が良くても次回以降のランダム召還が恐怖でしかない』
『風呂入ってる時に呼ばれたら本体が溺れて死ぬとかありそう』
『嫌すぎる死に方』
「流石に死なれたら気分悪いしな、今回はカッとなってやったけど次回から緊急時以外はその辺配慮するからだいじょぶだいじょぶ」
「ちなみに私は自宅ではやてさんの配信を丁度見ていた所なので戻っても特に変わりはないかと」
「あ、ホントっすか、良かった良かった」
というかそうなるとヨースケさんはもう本体に戻ってると思うんだが大丈夫か?
「おーい、ヨースケさーん。今配信見てたらコメントしてくれない?もし何か異変があったらそれもコメント宜しく」
話ながら目線を短剣持ちの生徒に向ける。
どうやらその場に佇んで次の相手を待っているようだ。
よし、とりあえず全員復活して連戦し直しの心配は無さそうだ。
そしてコメントと戯れながら待つこと数分。
『うぃッス、戻りました』
『あ、ヨースケやん』
『お疲れ』
『生きてたか、良かったな』
『何か夢でも見てたみたいな感じっすね、次回はもう勘弁』
「ほーん、夢なあ。なら精神的には疲れても肉体には影響無さそうなのか」
「・・・とはいえ現実の肉体に何かしらの影響は有るかもしれませんしね、その辺は要検証かと」
「ですねえ。とりあえず帰ったら飯食って再度その辺で視聴者の希望募ってやってみましょ」
「検証班が一人その場にいればお手伝いできるかもなのでそれ+一人でどうでしょうか。因みに先程も言いましたが今日の予定はもう無いので引き続き私が協力出来ます」
「あ、じゃあ今日はもうテンテンさんに検証の補助をお願いします・・・ということで残りの敵は二体、片付けちゃいますか。行けます?」
「お任せあれ、まぁ私程度でもどうにかなりそうですし」
『検証班には礼儀正しいはやてちゃん』
『お前、そんな丁寧な言葉が話せるのか(驚愕)』
『配信初期は皆に優しかったゾ』
『一部を除く大勢が煽り散らかすから化けの皮がね』
『剥がれちゃったのか』
『それはそうとテンテンさんのつよキャラ感よ』
失礼なコメントを横目にテンテンさんを見ると彼はにこりと笑って頷き、杖を片手に軽い足取りで結界の中に入っていく。
カッケエ!!
「爽やか!俺が男じゃなかったら惚れてたぜおい」
『ツッコミ待ちなん?』
『男じゃなかったら←男じゃない』
『男じゃなかったら←精神的には男』
『はやてさんアホだから素面で言ってそう』
『あんまり煽ると後が怖いから俺は何も言わん』
「そういや今女の子だったわ(絶望)」
自分の発言と視聴者のコメントで嫌な気分になったところで現実逃避気味にテンテンさんに視線を向ける。
丁度始まるようで生徒は律儀にお辞儀を一つ、片腕で短剣を構え重心を低くとる。
どうでもいいけどモンスターの癖にめっちゃ礼儀正しいな。
多分ここは侵食型じゃなくて記憶型のダンジョンだろうし、元の生徒を参照してそれっぽく振る舞ってるだけだろうが。
それはさておき、テンテンさんであるが、生徒がナイフ片手に真っ正面から飛び掛かって来た所を下から生えてくる『土壁』で上に打ち上げ、杖を二、三度軽く降って単発の薄緑色の刃を飛ばす『風刃』で生徒を空中で滅多切りにし死合終了。
ダメージ差が有ったとはいえ完勝である。
なんだこの人?!
『つっよ』
『格ゲーのコンボみたい』
『はやてちゃんの視聴者って皆戦闘センスもってんの?』
『いや、俺らはただの一般人だわ』
『ヨースケとテンテンがおかしいだけ』
『そういやヨースケって何か見たこと有るなあって思ってたんだけどさ、去年の剣道の選手権大会で二位だったわ』
『えぇ・・・』
『草』
『相変わらずはやてちゃん、引きだけは強いね』
『何かテンテンさんの顔も見たこと有るような』
『何か最近すげえ論文出してたイケメンがあんな人だったような』
「はいやめやめ!!!プライバシー的なあれこれであんまり詮索しない!!!他のにくっ・・・視聴者呼ぶときに気後れしちゃうでしょうが」
『ねえ、いま肉壁って言おうとした?ねえ?』
『本音がポロリ』
『どうせ強制で呼ばれるし建前なんかいらんて』
『サイコパスだろホントにこいつ』
『誰も気にしない辺り皆訓練されてるなあ』
「ま、気にしなくても今後は(俺がブチ切れない限り)基本希望者から選んで(いなかったらランダムで)協力して貰うから(無論忙いでる時はランダム)」
『ん?』
『何か違和感が』
『じゃあ安心だな!!』
『そうだな!!』
『絶対嘘だゾ』
何人か鋭い奴がいるな。
まぁこっちも生き残るのに必死、諦めてもろて。
さて、テンテンさんと大剣もちの生徒とのラストバトル、相手はレベル30で俺よりも格上で厄介そうだが。
というか一階の罠部屋でレベル30なら他はちょっと攻略出来そうに無いかもなあ、生徒が居るなら教師も居るだろうし。
多分ボスクラスでレベル50前後って所か?
いや、建物の広さ的には隠し部屋とか有りそうだし、そこの守護者とかが居るとして上限が70~80位かね。
こりゃ報告ついでに誰かに協力要請した方がいいかもしらんね。
もしくはこのくらいの報告で納得して貰ってこの依頼を降りるかだなあ。
あー、やだやだ、考えるのが面倒だわホントに。