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はやての異世界配信局  作者: はやてch
4/10

『ローンデイル騎士学園』~一階演習場~

こんにちは。

割りとゆっくりと更新されるので気長にゆっくりお待ち下さい。


さて、鑑定を取ったのはともかく、エントランスから続く左右の廊下だが正直特筆すべき事も無かったので割愛する。

教室が左右で系10室程有ったのみで出てくる敵も生徒のみ、油断しなければ特に苦戦することもなかった。


で、エントランスから正面突き当たりの扉を開けた先は間取り図の通り演習場だった訳だが。

背後の扉が閉まると同時に鍵の掛かる音が聞こえ、まさかとは思いつつも取り敢えず扉の確認。


「あー・・・」


『罠か』

『閉まってるね』

『やっちまったな』

『初見はしゃあない』


「この手のは扉をあけっぱにしとけばギミックが発動しないことが多々あるんだよな・・・で、一度閉まると何かをクリアするまでよっぽどじゃないと出られない」


『ヒエッ』

『真顔で扉ガンガン蹴ってるの草』

『どしたん、話聞こか?』

『口調が穏やかなのが余計に怖い』

『引っ掛かったのが悔しかったんやろなあ』


「ん、どした?」


『いや?』

『なにも?』

『取り敢えず蹴るのやめてもろて』

『扉が可哀想』


「可哀想なのは俺なんだよなあ」


あー、やだなあ振り替えるの。

入った時に見えたんだもの、壁際に正座してる4人位の生徒と中央で双剣構えてる生徒がさあ。

剣道の団体戦かよ。

こっちは一人よ?


覚悟を決めて振り替えればそこには入った時に見えた光景がそのまま広がっていた。

ちょっとした体育館位ありそうな板張りの広間、中央付近には20×20メートル程で四角のラインが引かれ、そこには黒づくめの生徒が一人。

そして壁際に正座している4人の生徒も微動だにしない。


はっきりいって滅茶苦茶不気味だ。

完全に脱力しきってほへーっと気の抜けたため息をつく。

多分だけど今相当ヤル気無さそうな顔してんじゃないかなぁ。


「・・・勝ち抜きかなあ。多分あのライン内に入ったら試合開始っぽい」


『1vs1を五回か』

『初手から強そう』

『もう中ボス戦か』

『入るまで動かないなら先に他の奴の武器見とこうぜ』

『不用意に動いて1vs5になったらヤバくね?』

『でもピクリとも動かないし』


「ちょっと離れてるこっからなら武器位見れるだろ。ついでに敵に鑑定使えるかチェックしてみるべ」


というわけで、ほい、順番に『鑑定』っと。



『騎士学園一回生』 レベル18

『騎士学園一回生』 レベル20

『騎士学園二回生』 レベル22

『騎士学園二回生』 レベル23

『騎士学園三回生』 レベル30


武器は上から双剣、ロングソード、レイピア、短剣、大剣の系五種類。


というかだ。


「鑑定結果皆見えてる・・・?」


『まずいな』

『一人はやてちゃんよりレベル高いな』

『休憩なく連戦なら三人目以降からだいぶキツイな』

『今時間くれてる分間違いなく連戦だろうな』

『はやてちゃん死ぬの?』


「死なねぇわバァァカ!!ちゃんと退避用のアイテム持ってきてますぅ!!」



とはいえこういったトラップ部屋はストレージから一切アイテムが出せない場合があったりする。

元から出してたアイテムとかはほぼ使えるのだが・・・。

内心ドキドキしながらストレージを開き、魔力回復薬のビンを取り出そうとしてみる。


「セーフ!!アイテム出てくる!!使える!!」


『なら何とかなりそうか』

『離脱用の転移札持ってたのか』

『あれそこそこ高くなかった?』

『日本円換算で3万円位』

『それは痛い』

『転移札の起動確認しとけ』


「まあ命には変えられんし仕方ない。んで札は・・・ん、魔力入れたら反応したな、よしよし」


まぁこれで分かったがここは低~中難易度のダンジョンで確定だな。

そもそも高難易度ならスキル封じられたり持ち物消えたりするし入り口でヤバい化け物出たりするし。

この連戦で勝てたら先を少し見て今日は撤退するか。


というかマジで微動だにしないなこいつら。

自分の番がくるまでずっと正座してんのか?


「よし、なるべく札使いたくないから取り敢えず戦ってみるか」


『財布にあんまり余裕ないもんね』

『飯にこだわってたらそりゃ金も無くなる』

『いや、この辺の安い飯は食えたもんじゃ無さそうだったししゃあない』

『切り詰めた生活してる時の反動か』

『見てない奴は 糞安飯 地獄の食レポ の配信アーカイブ見とけ。安い飯がどんなもんかわかる』

『後で見るわ』


「勝手に雑談始めるなお前ら。というかそろそろ昼か・・・先に飯食うか」


奴らとは反対の壁際に移動し腰を下ろす。

ストレージから水の入った水筒、宿で作って貰ったお弁当(玉子サンド2つ、何かの肉と野菜サンド1つ、2500円!!!!)を取り出し食べ始める。


『草』

『いやいやいや』

『確かに昼だけども』

『敵の前で飯食う奴がおるか!』

『おるぞ』

『ねぇ、あいつら正座したまま待ってるよ?』

『心なし困惑する雰囲気を感じるのは俺だけか?』

『いや、全員顔だけこっち向いてるって!!』


「んだよ、気にすんなって。それよりお前ら昼飯何にすんの?雑談しようぜ」


『どんな胆力してんだこいつ』

『精神状態おかしいよ?』

『ラーメン』

『焦った時の糞雑魚具合と今でギャップが違いすぎる』

『ギャップ萌えってやつ?』

『多分違うとおもう』

『俺は残り物のカレー』


「いいなあ、俺も帰ったらラーメンとカレー食いてえ。帰ったらお前ら帰還祝いで奢ってくれよ」


あー、玉子サンドうまっ。


『帰ってこれたらな』

『幼女のままなら』

『運の悪さ的に幼女のまま帰ってきそう』

『幼女のまま連れ回したら事案ぞ』

『どうせ帰って来ても姿と強さそのままな気がする』


「別に強さもいらないしこの姿のままはマジで嫌だ・・・お前ら知ってる?一応俺22の成人よ?幼女化とか屈辱の極みよ?」


『合法ロリでなおよし』

『元がどんなか知らんけどイケメンじゃないならそっちで良くね?』

『年齢知らんかった』

『生でファンタジーが見られるのなら別に性別はどうでも・・・』

『もういいじゃん・・・諦めてそのまま帰ってこいよ』

『せやで、その姿のままこっちで配信してもろて』


「はー!!!!お前らってホントゴミ!!!!」


最後の玉子サンドを乱暴に口に詰め込み水を一気。

お顔真っ赤青筋ピキピキなまま立ち上がる。


「よし、殺す」


『敵を?』

『俺らじゃないよね?』

『あんまり煽るとその内次元貫通して攻撃してきそう』

『順調に成長したらマジでやりそうで困る』

『よし、(お前らも敵も)殺す』

『こわ』


なるほど、お前ら今自分が安全だと思ってる?

なるほどなるほど?

全力でカメラを睨み付け宣言する。


「今からお前らもランダムで二人程苦しんで貰います。配信レベル上げる為に貯めてた残りの30ptを絶対取らないなと思ってたスキルに変えます。配信ツリーの分岐の一つにあるスキルなんですがスキルの名前は『霊体召還(視聴者)』です」


『は?』

『は?』

『・・・?』

『おや?』

『ちょっと待とうか』

『お、俺ら召還してどうすんだよ』

『やめろやめろ、ptの無駄遣いだって』

『一時の感情でそんなスキル取るなって!!』


「はい取得。じゃあスキル説明します。まあまあの魔力と引き換えに召還する霊体は二体、召還者のレベル-2から-10のレベル、召還された霊体は本人に合った装備と適正ステータスで召還されます。ちなみに召還される人は一度でもこのチャンネルの配信を見たことがある人ね。後チャンネル登録解除のボタンはそもそもないし仮に出来たとして配信見たことあるなら無駄だからな?逃がさねぇよ?・・・で、最後にある程度の命令権がこちらにはあります。捕捉欄に痛覚はあんまり無いって有るね、良かったね」


ニッコリ。


『ああぁ・・・』

『取っちゃったよ』

『』

『純粋に心配なんだがまたpt貯め直しキツくない?』

『検証斑としては一度お邪魔したい所』

『ね、使うのやめよ、ね?』


「『霊体召還(視聴者)』!!!!」


大声で叫ぶと同時に体から魔力が8割程ゴッソリ抜け、同時に眼前の床に良くわからん魔法陣が二つ光りながら現れる。

5秒程すると光が収まり、魔力陣が合った場所には半透明な成人男性が二人現れる。

一人は興味深そうに周りや自分の体を見回し、もう一人は呻き声をあげながら頭を抱えて蹲っている。


蹲っている方に近寄りしゃがみこんで目線を合わせ、肩をポンと叩いて満面の笑みを浮かべる。


「やぁ、いらっしゃい!!」


「マジかよォ!!外れくじ引いたァ!!」


その言葉にますます笑みを深めながらもう一度強めに肩をしばき一言。




「さ、ヤってみようか!!」



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[一言] 僕も行ってみたいなぁ
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