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はやての異世界配信局  作者: はやてch
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『ローンデイル騎士学園の攻略』


『4月10日』

『ローンデイル騎士学園の攻略』


目の前の空中に投影されたウィンドウに配信タイトルを打ち込み、概要欄に今のレベルとスキルツリーの詳細を書いてっと。

待機所には・・・120人か。

おっけおっけ、んじゃ配信開始っと。


「はい、今日も『はやての異世界配信局』やってくぞ」


言うが早いか視界の左端に有るコメント欄にポツポツとコメントがつき始める。


『こんはやて!』

『こんはやて』

『こんはやて~』

『はやてちゃん今日は新しいとこ攻略すんのね』


廃墟となった騎士学院の正門前、死んだ魚の目をした俺がコメントを返していく。


「お前らが最近やりだしたそのこんはやてってのなんなん?もしかして挨拶?ちなみに今日からこの騎士学院を攻略するぞ・・・昨日見付けた地下墓地は二度と行かない」


『挨拶やぞ』

『挨拶』

『はやてちゃんが挨拶決めないから・・・』

『宝が有るかもって突撃して酷い目にあってたもんな』

『ひんひん泣きながら逃げ回ってて正直興奮した』


「はー!今日もコメ欄がクソばっかで安心したわ!確かにお前らの忠告も聞かず欲に目が眩んで突撃した俺が悪かったけども?!お前らももっと注意しろよ!ゲーム上手いやつそこそこいるんだからさァ!!」


『草』

『開き直ってて草』

『なんかキレだしたぞw』

『草』

『危ないってコメそこそこあったんですがそれは』

『草w』

『油断してるとすぐトロールかますのほんま草』


「草に芝生やすな殺すぞ」


顔を真っ赤にしながら虚空に向かって罵声を飛ばす金髪サイドテールつり目ロリこと俺。

ふと思ったんだが端から見れば俺ってそうとうヤバイやつなのでは?

そう思った瞬間テンションが最低まで落ち込み顔から表情がストンと抜け落ちる。


「まぁもう何でもいいや、何か質問あるやつおりゅ?」


『情緒やばない?』

『元気出して(笑)』

『まぁ実際こんなわけ分からん世界に放り出されたらね?』

『初見です。深層webからなんだがこれって何の配信?』

『お、3日ぶりの初見さんやぞ』


初見コメントに思わず俺もニッコリ。

というのもこの異世界→元居た世界へお送りしているこの配信だが、特定の手順を踏まないと繋がらないようになっている訳だ。

具体的にいうとツールを使って深層Webのとある検索エンジンで異世界転移について検索すること。


なかなかいねぇよそんなやつ。

しかも紹介された上で検索をかけると見つからないっていう。

ついでに、ここは異世界で俺は元男で帰る手段と元の姿に戻る事を目標に冒険者をやっている事も説明。


『ロリTSとは業が深い』


とは初見さんの言葉で、実際何故こんな罰ゲームを受けなければならないのかと俺も常々思っている。



と、いうような事をつらつらと初見さんに語りつつスキルツリーを目の前に表情させる。


『初見さん登録してくれたみたいね』

『登録250人オメ』

『知らんまに三人増えてんね』

『250人って事はスキルポイントくれる?』


「マジで?!登録ありがとな!!ちょっと待って・・・うおぉ、30ポイント増えてる!どのスキルとるか迷うなぁ」


どのスキルを取るか考えつつ初見さんの為にスキル、レベル等について説明。

といっても大体概要欄に書いてるんだけども。


まぁいいか、自分の振り返りの為にもなるし。


「まずはレベルだな、これは分かりやすくて単純にモンスターを倒すとレベルアップする。ちなみにレベルアップするまでの行動で伸びるステータスが変わるっぽいね・・・有能な検証ニキ達に感謝」


『いえいえ』

『はやてちゃんすぐ逃げるから敏速、回避型よね』

『ビビりはやてちゃんかわいい』


「お前らはいちいち煽らなきゃ気が済まないの?まぁでもあんま言い返せないんだよなぁ、実際今は回避型魔術師とかいうよく分からんステータスになってるし・・・まぁ痛いのは嫌だし体格的に武器振るの向いてないし良いんじゃね」


ちなみに今のレベルは28である。

最初の方は魔術も無くてひたすら弱そうな奴を木の棒でしばいてレベルを上げたのだが本当に辛かった。

まぁ、それは置いといて。


「次はスキル関連な。これはちょっと特殊でな、レベルが上がってもスキルポイントが貰える訳じゃなく、この配信の登録者が増えるにつれて貰える」


『次のポイントは300人だな』

『100から50人ずつになったね』

『500人まではそんな感じか』

『で、スキルはどうすんの?』


「あーっと、今の残りポイントは前回から貯めてたやつをあわせて50だな。で、今のスキルがこれ」


はいドーン。


――――――――――――――――――――――――――――――――――

『配信』

・ch表示Lv2


『魔術』

・火の矢Lv3

  └炎舞Lv1

    └舞う炎剣Lv1


・風衝Lv1


『その他』

・収納Lv3

――――――――――――――――――――――――――――――――――


「はい、んじゃぱぱっと説明するぞ。配信は特殊なので飛ばす。魔術・・・まず火の矢な。頭上に打つまで待機する火の矢がでる、レベル上げたら一本ずつ増える」


『これが一番便利まである』

『普通に威力高いしね』

『雑魚狩りに最適』


「ボスにはあんま効かないけどな。次は炎舞、なんだけど手持ちで一番のゴミスキルです。暴れ狂う鞭みてえな炎が周囲を延々と周り続けます。矢と違って一緒に動いてくれないので5分位その場で待機する羽目になります。触れようものなら自傷ダメ受けます。触れなくても熱いです」


『調整ミスってんのかって位のゴミスキル』

『威力のおかしいネズミ花火』

『死んだ顔して立ち尽くしてるはやてちゃんの周りで延々炎が蠢いてるの見て一年ぶりに爆笑した』

『範囲ギリギリでどんどん集まる敵MOB』

『知能ない奴は炎纏ってそのまま突進してくる』


「思い出して頭痛がしてきた」


そう、これ単体なら間違いなくゴミである。

ただまあスキルの組み合わせで普通に使えるようになるのでまあいいとして。


「いい加減説明するのも面倒になってきたし巻きでいこう巻きで。炎剣は割とメインで使うスキルだから実際見てもらった方が早いかな。風衝は全方位に大人が2、3メートル位吹き飛ぶ風を一瞬発生させる、便利。んで収納はまんまだな、ゲームのステータス画面開いてアイテム一覧見れるだろ?それだよそれ。レベル上げると容量が増える」


以上終わりとコメント欄をみて言い放ち、体を伸ばしたりして準備運動を始める。

そういやスキルポイントどうすっかねえ。

次のレベルまで貯金すればchのレベル上げれるしなあ。

まあいいか、とりあえず置いといて探索に行くか。

いつも通り片手に杖、反対には短剣よし。


「んじゃ、出発。お前ら今日も宜しくさん」


『検証班がんば』

『今回は適正難易度だといいけどね』

『騎士学園だから近距離主体でしょ多分、なら強くても割といけんじゃね』

『はやてちゃんがんばえ~』


そこそこに盛り上がるコメント欄を見て適当に返事をしながら学園の正門目指して歩く。

おし、今日も頑張って帰還のヒントとか金目のもん探すかねぇ。



 



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