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【異世界】神様から新しい成長システムを考えろと言われた話【召喚】  作者: おっさんさん
0章 1部 独り立ちしよう編
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パーティー出来たよ

防具も買いました。

 二人の男が受付まで歩いてくる。

一人は見るからに高級そうな豪勢な装飾の入った鎧で背丈ほどもあるロングソードを背負っている。

もう一人はダイキと余り変わらない革と鉄で出来たシンプルな防具で片手に槍を持っている。

豪勢な鎧を着た方が前に出て話しかけてくる。

「ルイン・ドルトネス。街の北区画管理貴族ドルトネス家子息だ。よろしく頼むぜ。」

話し方から自信家なのが分かる。

もう一人がルインの後ろから出て並ぶように立った。

「カイトです・・・。」

犬の様な獣人。

街中にも獣人はいたが獣度合いとでもいうか、動物っぽさはまちまちで耳だけ動物という人も結構いる。

目の前のカイトは二足歩行の犬!という感じだった。

「・・・。」

「どうしたの?」

自己紹介をしないダイキを見て受付嬢が促してくる。

ダイキは自己紹介を忘れるほど驚いてしまった。

獣人がいたからではなく二人とも10歳前後に見えたからだった。

ダイキの感覚からすると超年下。小学生だ。

ここで今まで16歳と話すと微妙な顔をされた事の意味を理解した。

日本と違って一人前の年齢が相当早いのだろう。

二人も微妙な顔をしている。

おそらく同じ初心者と聞いていたはずなのに大きな男が出て来たからだろう。

とりあえず気を取り直して話しかける。

「ダイキです。よ、よろしく。」

精一杯笑顔を作って握手のために手を差し出す。

ルインはふんっと鼻息を出して握り返す。

カイトはビクッと反応してルインの後ろに隠れてしまった。

ダイキは身長が186cmある。

でかい事は自慢だったし、だからこそ中学の時からバスケットボールをやっていた。

そんな自分が上から手を出してきたんだから威圧感があったんだろう。そう考えて屈んで再度手を出す。

「握手。」

「うん・・・。」

おずおずとカイトも手を差し出してくる。

わざとガシッと強く握手する。

「うわぁ!」

驚いてカイトが声を出すが、ただの握手だとすぐ理解してされるがままになる。

「みんな仲良くね!」

受付嬢が嬉しそうにする。

「まだ日が沈むまで時間があるから街の近くで魔物倒して来たら?ただ、今は森に行ったりしないように。特にダイキ君は。」

ステータスの事を言っているんだと理解した。

どの程度のステータスでどこまで行動範囲を広げられるのか分からないが死ぬわけにもいかないので十分注意しながら戦おうと気を引き締める。


三人は受付嬢に見送られてギルドを出発した。


街の外へ向かって歩きながら詳しく自己紹介をする。

ルインはレベル4で得意武器はロングソード、魔法は勉強中。

カイトはレベル2で得意武器は槍で初期回復魔法であるモノヒールが使えるとのこと。

ダイキも素直にレベルとステータスを明かすと若干どころじゃなく引いていた。

「二人は何歳なの?」

気になっていた部分だった。

「俺は10だが。」

「僕9歳。」

カイトはルインの少し後ろを付いて歩いていてダイキとは若干距離をあけられている。

警戒されているのが分かる。

「俺は・・・16.」

二人がダイキを見る。

「えー!もう大人の年齢じゃん!その歳までレベル上げしなかったの?」

「その・・・まぁ・・・うん。」

「親から仕事優先強制されてたから?でも普通将来の仕事のためにレベル上げさせるよな。」

うんうんとカイトが頷く。

数日前にこの世界に召喚されたというのは一応隠しておいた。

どういう偏見があるかも分からない。

「病気で寝ていた時期が長くてさ。一年くらい前に回復して最近やっと親からレベル上げの許可がおりたのさ。」

「それでステータスがそんなに低いのかぁ。」

二人とも納得したようだった。


 ダイキは二人を見ながら考える。

この世界で年齢的に自分はもう大人扱いの様だしリーダーとは言わなくてもまとめ役にならないといけない、かな。

正直自分もまだ子供、という気持ちもあるがさすがに10歳の子に頼る訳にもいかない。

とりあえず二人のステータスをスキル[把握]を使って確かめる。

嘘をついてはいないと思うが実際に確認しておく方が安全だし色々戦略も考えられるだろう。


ルイン・ドルトネス

レベル4

HP:31

MP:8

力 :15

守り:11

魔力:5

魔法:モノ・ウインド・ショット


カイト

レベル2

HP:14

MP:8

力 :9

守り:6

魔力:11

魔法:モノ・ヒール モノ・ディポイズン


嘘はついてなかった。

二人とも素直で良い子だ。

自分のステータスと比較すると悲しいくらい差を感じ自分の弱さを突き付けられる。

しかし感覚で理解していてもスキルは相当便利な代物だ。

基本自己申告しかないステータスを覗き見ることが出来るのだから。

更にスキルを使い二人を深く[把握]する。

二人がどんなスキルを持っているか見るためだ。


ルインはスキル数は14個

カイトも同じ14個


スキルの内容について[鑑定]を行う。

冒険に役立つスキルがあれば積極的に使ってもらおう。

そう考えてスキルを見ていく。

・・・。

鮭を釣りやすい、包丁の切れ味上昇、頭部の守り上昇、睡眠時体力回復量上昇、籠手鑑定・・・。

なんだこれ?

凄くピンポイントで役に・・・立つんだろうけど使い辛そう。

ルインは [昇る栄光と堕ちた嘆き]スキル というのを持っていた。

何の名前だ?と[昇る栄光と堕ちた嘆き]を[鑑定]したらどうやら長剣系の超がつくユニーク武器の様だ。

オーリック王国アデス大森林内にある古代オルドリック王国遺跡内にある、というところまで分かった。

が、場所も何も分からないので知ってもどうしようもない。

ただ、このスキルを上げれば長剣系を使いこなしやすくなるらしい。

それで今はスティール・ロングブレードを装備しているのだろう。

カイトは[月下喪心の槍]スキルを持っていた。

こっちは呪いの武器らしい。

あと回復魔法の超上位であるペンタ・ヒール詠唱短縮スキルというのを持っていた。

これも僅かではあるが回復魔法全般に波及するらしい。

・・・・・・

どうも一般的にスキルは沢山持っている分、範囲が相当狭いのが普通の様だ。

そう考えると自分のスキルは特殊なんだろうか。

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