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【異世界】神様から新しい成長システムを考えろと言われた話【召喚】  作者: おっさんさん
0章 2部 魔王軍との最初の戦い編
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夜の森の中

呪いでした。

 町に入って来た門とは反対側、恐らく狩猟などの時に使用する門の方へ案内される。

「お願いします。まかせっきりも申し訳ないのですが、町から戦える者がいなくなるのも心配なので・・・。」

「分かってるよ。俺とダイキで何とかするから。」

こっちを見ながらラーネルが頷く。

俺も頷き返す。

ラーネルはほんと頼りになるなぁ。

イメージ通りの冒険者だ。

開けてもらった扉から先は真っ暗闇が続く。

俺が町の人から松明を受け取る。

「お前のスキルが頼りだからな。頼むぞ。」

「任せて。」

二人で門をくぐる。


 空間把握スキルで呪いの原因である花粉の濃度を探る。

意図的に町まで花粉が飛ばされたのかはっきりと流れが出来ている。

これなら追跡は容易だ。

「夜は魔物の接近に気付きにくいから、気を付けろよ。」

「大丈夫!スキルで見逃すことは絶対ないから。」

ラーネルに方向を指示しながら歩いていく。

自分1人ならスキルで木や茂みの場所も分かっているので松明がなくても上手くかわしながら走っていけるのだが、ラーネルにその状況を的確に伝えるのは無理だし、逆に離れた状態で魔物が接近してきたら俺がやられる可能性がある。

仕方がないがやきもきする。


 空間把握スキルの隅に魔物が侵入してくる。

こちらに向かってくる魔物が3匹。

種族は・・・飛び木霊か。

予習済みのやつだー。

「飛び木霊が向かって右斜めから3匹来る。備えて。」

「うぇ!俺より早く分かるのかよ。ま、すげぇスキルだもんな。」

そういいながら剣を構える。

俺も松明を地面に置き、両手でナイフを抜く。

こっそり自慢の二刀流。

「ナイフ二刀流って珍しいな。」

そういいながらラーネルが飛来した飛び木霊を一撃で切り伏せる。

「そうなのか?俺はこれが扱いやすくてね。」

俺も一匹をナイフで突き刺し、追撃で切り伏せる。

ナイフの付加効果でスピードが上がっている上にレベルも上がっているおかげで今なら対処出来る。

もう一匹もラーネルが一撃で切り捨てる。

レベルが高いとスピードも相当早くなるんだろうな。

「これくらいなららくしょ・・・。」

また空間把握の範囲に魔物が入ってくる。

ダークハウンドドック

狼と違うのか・・・。

俺たちの周りをゆっくり距離を取って周回している。

数がやばい。

8匹。

名前通り猟犬的に集団で獲物を追い込みながら狩りを行う種族の様だ。

今はゆっくり俺達に対して包囲網を作って徐々に範囲を狭めている状況か。

「ダークハウンドドック。分かるだけで8匹。」

「・・・それはやばいな。俺は切り抜けられるがダイキは?」

「無理です・・・。」

「しかし、一気に来るってことは呪いの主は魔物の使役まで出来ると考えていいな。」

「魔物使い的な?」

「まぁ、そうだな。いくら夜で視界が悪くて夜行性の魔物が襲ってきやすいからって、このペースはありえんだろ。一日中森の中にいたって2、3回だろ?」

「確かに。」

夜まで街の外に居たことはないが、昼間は魔物寄せの香水を使わなければほぼ魔物に会えなかったもんな。

「動物と一緒。人間にそんなにどんどん近付いてこないんだよ。襲ってくるのは縄張りに入った時、腹が減った時、偶然出会って敵対してしまった時。そういうのが殆どなんだよ。」

ラーネルの話に頷く。

考えてみりゃそりゃそうか。

「魔物を使役出来るって事は相当な魔力の持ち主で、魔力によって操っているか、スキルで魔物に命令を出せるか・・・。どっちにしてもより危険度は増したな。」

ダークハウンドドックを鑑定する。

薄っすら全体を覆う魔力を感じる。

つまりさっきの話だと前者の可能性が高いって事か。

・・・不安を感じる。

二人だけで敵に勝てるだろうか?

とは言っても、もう引き返せない。

ダークハウンドドックの包囲網が狭まってきている。

「花粉の方向見失ってないよな?」

「おぅ。」

「よし。ならそっちに向かって突っ走る。ダイキが前を走れ。俺が左右と後ろから襲ってきたやつは受け持つ。」

前からの奴は俺が倒すしかないのね。

まぁそりゃそうだよな。

「さっきから見てたら、ダイキはこの暗闇の中でも問題なく視えてそうだしな。俺が松明を拾うから、それを合図に走り出せよ。」

ラーネルが置いてある松明に近付く。

「俺はハッキリとは見えない。松明頼りだ。安全に走れるルート、頼むぞ。」

ダークハウンドドックもこちらに動きがあったのに気付いているのか、動きを止めている。

仕掛けてくる?

両手のナイフを固く握る。

噛みつかれそうならガントレットを先に出す。

・・・イメトレはした。

「行くぞ!」

勢いよくラーネルが松明を拾い上げた。

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