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【異世界】神様から新しい成長システムを考えろと言われた話【召喚】  作者: おっさんさん
0章 2部 魔王軍との最初の戦い編
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ボルストンへ出発

仕事のためにボルストンという街へ行く事になりました。

 馬車の振動を感じながら干し肉を齧る。

早朝に街から出て2時間ほどたった頃か。

後部のカーテンを少しずらして空を見る。

出発するときは陽がまだ弱かったのに既に眩しさを感じる。

城下町で目的の街まで行く予定の馬車を探しお金を渡して相乗りさせてもらっている。

隣国へ向かう時に休息ポイントとして丁度いい場所にあるらしく、馬車は比較的すぐに見つかった。

20000マーニーという料金が高いのか安いのか・・・。

一応、その街まで二日程度の日程らしいので二日間乗りっぱなしでその料金ならいい・・のかなぁ。

腰の鞄から紙を取り出して眺める。


ホフラー領

ボルストンの街

ガイストン・ホフラーさん

獣人


これだけの情報で十分なのだろうか。

不安だが、ガルドが既に連絡を入れているので行けば迎えてもらえると言われたので取り合えず行ってみる。

同じ国なので問題があっても取り合えず冒険者ギルドに行けば何とかなるだろう。

馬車内には同じ様に相乗りしている者がいる。

1人は恐らく野盗対策で傭兵替わりに雇われた冒険者。

頭が箒の様に逆立って鉢がねを巻いていて、片目が切られて潰れている。

いかにも歴戦の戦士の風体だ。

武器は・・・標準的な剣?

ブロードソードか。

盾は持ってないのかな。

試しに能力把握スキルでステータスを見てみる。

レベル31、火と土の魔法が使えるようだ。

見た目に違わず強いな。

街に居た冒険者の中でも上位の方だ。

後は馬車を持ってないのか相乗り旅商人。

大きなリュックサックに大量の荷物を詰め込んでいる。

馬車の中でどうやって暇をつぶすのか分からなかったが、結構振動している状況で二人とも目を閉じて寝ている。

何時間もこれで過ごすのか?

詰まれた荷物をかわしながら馬車の前まで行く。

「順調に進んでますか?」

どれくらいで到着するかは時計の無いこの世界で聞くのは野暮ってもんか。

もしかしたらあるかもしれないけど。

「ん、ああ、順調です。」

不愛想に答えられる。

日よけにつば広の帽子を被って手綱を握っている。

前を向いたまま顔はつばに隠れているので表情は分からない。

「道沿いにもうあと30分も進めば狩猟時に使用する小屋があるのでそこで一旦休憩ですかね。」

「休憩あるんだ。」

そりゃそうか。

馬も休ませなきゃならないだろうし。

前を見るとまだまだうねりながら道が続いている。

道の左手沿いにはずっと森が続いていて、反対は草原だが少し離れたところに川が流れているのが見えた。

飲み水は問題なさそうか。


 想像していたよりも大きいコテージのような丸太小屋で馬車が止まる。

寝ていた二人も起きて馬車から降りる。

小屋に入ると机と椅子、ベッドが置かれていてここで暮らす事も出来そうだ。

狩猟時にしばらく滞在するためなのかな。

各々座って武器の手入れをしたり荷物の整理をしている。

「旅慣れてないのか?」

俺が川まで行こうか立ったまま外を眺めていると雇われ冒険者に話しかけられた。

「街からでるの初めてで・・・。」

「座るか寝るかしてた方がいいぞ。馬車の振動は意外と疲れるし腰に来るからな。」

「そ、そうですか・・・。」

そう言われても、目的地が決まっていて途中別の町で宿泊もするそうなので、持っている荷物もそこまで大量に持っていない。

手持無沙汰なのだ。

「冒険者か?」

「結構成り立てですけど、そうです。」

「そうか。頑張れよ。」

実は冒険者止めて雇われ家庭教師になるなんて言い辛い。

一応希望除名をしてないので嘘ではないが・・・。

・・・沈黙・・・。

「あ・・・っと、俺はダイキ。あなたは?」

「ラーネイだ。よろしく。」

自然と握手する。

何となく大人になった気分。

「俺はこの馬車が行く予定の隣国までの護衛傭兵代わりの冒険者だ。ギルドで正式に依頼を受けてる。」

「そうなんですね。」

想定通りだった。

「ちなみにランクは?」

「Cだ。一人でこの馬車を守れる自信はあるぞ。」

二の腕にこぶを作りながらにへっとラーネイが笑う。

「俺はEランクです。」

「そうかそうか、同じハンスハイゼン城下街ギルドの後輩として頑張ってくれよ。」

うーん。

いつかまた冒険者を再開する時が来るんだろうか。

「ダイキも何かの依頼か?」

う・・・答え辛い。

素直に話した方が得かと思ったが、短い旅でも同じ馬車で空気が悪くなるのも嫌だ。

少しだけ嘘じゃないように答える。

「ボルストンって街でお金持ちの人のこど・・・お子さんの教育係の依頼を受けまして。」

「?そういうのは余り冒険者ギルドで受ける依頼らしくないけどなぁ。」

冷汗が出る。

しかし別なところに食いついた。

「ボルストンかぁ・・・。ダイキは大丈夫なのか?」

「え?何がですか?」

「商人や俺は宿泊するだけだからどうでもいいが、あそこは獣人の街、領主含めホフラー領は獣人達の地域だぞ。」

「ええ、聞いてます。」

「・・・まぁいいや。深く探るのも悪いもんな。」

今の間はどういうニュアンスなんだろう。

獣人が城下街で浮いた扱い何となく知っているが、それでも目に見えるような差別はなかったからなぁ。

同じようなものだと考えている。

それに獣人にも獣に近いのからほぼ人間みたいなのまで様々だし。

行ったら意外と大変なのか?

「じゃ、そろそろ出発しますか。」

商人が立ち上がってみんなに呼びかける。

何となく思考を中断したらストンと考えが抜けてしまった。

新章です。

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