良い場所を見つけた
順調に魔物を倒した。
しばらく進むと枝葉で日の光が殆ど遮られ暗くジメジメした場所に出た。
「うわぁこれはさすがにちょっと怖いね。」
カイトが見渡しながら話す。
性格的に本当に怯えていてもおかしくないが、三人でいるせいか少しお道化た口調で話している。
可愛いもんだ。
「お、こっちだ。」
スキルで空間把握している範囲は最初の頃の倍くらいになっている。
スキル範囲の隅で薬草が生えている場所があることに気付く。
近付いてみると広く開けた場所に薬草が群生していた。
この一区画だけ光がカーテンの様に筋をつくって差し込んでいる。
湿度の高さから結露が出たのか薬草の花の表面に水滴をつくってきらきらと反射して綺麗だ。
ここで花でも摘んでいるお姫様がいれば完璧な中世ファンタジー世界なんだが・・・。
「周り、これ薬草もあるし、滋養苔も生えてる。あと解毒用に使えるカレンナ草も・・・。」
俺が言うと二人が目を輝かせる。
「こいういう隠れスポットがあるとワクワクするな!」
貴族の子息であるルインは基本的に素材集めなどのお金関係にはあまり興味がないんだが珍しく採取でテンションが上がっている。
誰も見つけた事の無い秘境を発見した気分なんだろう。
俺も気持ちは分かる。
「カレンナ草がこんなに生えてるなんて!」
カイトは目が金マークになっている様な・・・。
こういうやつだったか?
ひとしきり全員で鞄に素材を集めていく。
今日はこれで帰っても十分だな、と話し合っていた。
短すぎるので、22時頃追加で上げます。




