お食事をしよう
報酬を得ました。
「そうだ、みんなレベル上がった?」
ダイキが聞くと二人とも確認をする。
「上がってないな。」
「僕は上がったよ。」
ダイキも1上がってレベル2になっていた。
「俺も1上がった。」
「おぉ、二人ともおめでとう。」
ルインが
どうやら上がったお知らせは無いらしい。
音でもなれば意識するんだが。
定期的に上がったかどうかスキルで見てた方がいいかもしれない。
ダイキ・アシハラ
レベル2
HP:8
MP:0
力 :4
守り:3
魔力:0
すばやさ:4
カイト
レベル3
HP:20
MP:10
力 :11
守り:8
魔力:13
すばやさ:9
待て、待て待て。
初期値も悪けりゃ成長率も悪いのかよ。
どこまで俺が不遇なんだ。
ダイキが深いため息をつくとカイトが心配する。
「どうしたの?」
自分のステータスの話をする。
「ま、まぁ病気で戦えなかったんだしそういう事もあるんだろうね・・・。」
カイトがフォローしてくれる。
「レベル上がったんならスキルポイント振っとけよ。」
「そだ!忘れないようにやらないとね。」
スキルポント?レベル上昇でスキル効果を高めるポイントが貰えるのか。
カイトがスキルの板を出して悩んでいる。
「やっぱ当分戦うんだから[月下喪心の槍]スキルを上げるかなぁ。それか回復魔法の詠唱短縮を上げるか・・・。」
「将来の仕事に流用出来そうなスキルに振れば?」
ルインが横からアドバイスする。
「お父さんと同じ武器鍛冶職人になってお店持ちたいから、火の温度管理のために[トリ・ファイア・ウォールのMP消費減少]に振る・・・かなぁ。炎の魔法も覚えやすくなるし。」
悩んだ末に結局[月下喪心の槍]スキルを上げていた。
「槍装備時の突力が上がったよ~。
もうちょっとポイント振れば多分技覚えられるみたい。対象の槍じゃないから威力が下がるけどね。」
技が使えるっていいなぁと武器のスキルが無いダイキは憧れる。
自分もスキルの板を出してみる。
・・・スキルポイントなんて見当たらない。
しかし、最初に見た時より板がでかくなってる気がする。
「なんだ、既にスキルボードちゃんと上げてたのか。」
ルインが何気なく話す。
自分のスキルボードはどうも成長のさせ方が違うようだ。
使っていくほどに成長するのか?
「あ!」
カイトが急に叫ぶ。
「どうした?」
「ルルアナさんにステータス報告する事忘れてた。」
「あ・・・。」
「ま、受付嬢も言わなかったし、お互い様って事で。明日朝冒険に出る前に寄って報告すりゃいいんじゃない?」
受付嬢は意外と抜けているタイプらしい。
ルインとカイトが段々フラフラと前後に揺れ始めている。
心なしか妙に笑い上戸になってきている。
「・・・もしかしてさっきから飲んでるそれって酒?」
料理と一緒に注文していた良く分からない名前の飲み物。
どうやらお酒だったらしい。
「そうだが。」
「ええ!その歳で飲んじゃ駄目だろ。」
10歳と9歳だぞ。アウトだろアウト。
「ん?成人の儀式やるなら15歳だが。別に10歳で働いてる奴なんていくらでもいるんだから、十分飲む資格あるだろ。飲みたい奴はみんな飲んでるぞ。」
驚いたが、その辺は日本と常識が違うという事だろう。
働き始める年齢がこっちの世界は相当早いみたいだ。
「むしろ16にもなってお酒頼まずに水飲んでるダイキさんのほうが変ですよぉ。」
あはは~とカイトが笑う。
「まぁ飯も食べたし、あんまり酔うと明日に差し支えるからこの辺で帰るか。あんまり遅くなると男でも危ないしな。」
「もっと飲みたいけど、仕方ないかぁ。」
三人で立ち上がる。
「明日どこに集まる?」
「ギルドに6刻くらいでどうだ?」
「え~、ちょっと早いよぉ。」
この世界の時間はどうやって計っているんだ?
「時刻っていつもどこで見てるんだ?」
「え?俺は自宅の敷地内にある日時計だけど。」
「僕は赤トカゲ通りに置かれてる日時計ぇ。」
「そか、じゃあみんな大丈夫だな。」
「どした?」
ダイキはとりあえず知らなかった事を誤魔化す。
「じゃあ、また明日。」
「またな。」
「ばいば~い。」
それぞれの家へ帰っていく。
陽が落ちて通りは真っ暗だ。
みんなどうやって帰るんだろうと思って周りを見回すとそれぞれ光る石を手に持って光らせている。
慌てて料理屋に戻って店員に持ってないか頼みこむ。
夜移動する事が多い人は予備含めて数個は必ず持っているものらしい。
結構一般的なものらしく店員から言われたのは500マーニー。
譲ってもらうって事で1000マーニーを渡した。
「どうやってつけるんだ?」
「叩いたらしばらく光るよ。強く光らせたいなら壁に擦り付けたらいい。数回使うと割れるから、今度から最低2個は持っときなよ。」
「助かります。」
こういうところで異世界を感じる。
とにかく慣れだ。
家に戻るとガルドは何かの書類を書いていた。
「お帰りなさい。」
「ただいま。」
相変わらず優しそうに笑っている。
「どうですか?うまくいきましたか?」
ガルドにそう聞かれ、装備を買ったところから順に話していった。
「それはそれは良いパーティーを組んだみたいですね。」
うんうんと頷いている。
ふと[把握]スキルでガルドのステータスを見てみる。
ガルド
レベル ??[上限解放者]
HP:21098
MP:4553
力 :7410
守り:7556
魔力:9987
すばやさ:1611
信仰:890324
魔法:………(書ききれません。)
さすがというか、冒険者ギルドであれだけの反応されるだけのステータスはあるんだな。
習得魔法が多すぎて読むのもめんどくさい。
っていうかいつの間にか信仰ってステータスが出てきてるし。しかも異常に高い。
スキルボードの内容を鑑定しようとする。
すると完全に円形のスキルボードが出てくる。
どんなスキルを持っているか文字を読むことが出来ない。
謎が多すぎる。
「ん?どうしました?」
ガルドがダイキの態度を見て聞いてくる。
咄嗟に覗き見た事がばれるとまずいと考える。
「いや、・・・そうだ、この辺で時刻確認するにはどこに行けばいい?」
「メインストリートを城方向に少し進んだらありますよ。」
「そか、明日6刻に冒険者ギルドに集合らしいんだけど、もし間に合わない時間まで寝てたら・・・起こしてもらってもいい?」
母親にお願いするみたいなのは情けないが部屋に時間が確認できるものが無いのでこれが確実だろう。
「いいですよ。」
ガルドが笑って答える。
時間の確認にいちいち外に見に行かないといけないってのは面倒だな。
「そうだ、水浴びしたらどうです?家の裏に水瓶がありますから。」
そういって布切れを渡してくれる。
「体拭く用です。」




