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【異世界】神様から新しい成長システムを考えろと言われた話【召喚】  作者: おっさんさん
0章 1部 独り立ちしよう編
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兎との戦い

初めて魔物を倒しました。

 「うわっぷ!」

勝った事で油断していたらダイキの顔にグリーンスライムが張り付いた。

「わぁ、早く取らないと!生きたまま体内に入ったら結構やばいよ!」

カイトがもう一匹を倒しながら慌てる。

「任せろ!」

ルインが力づくで引き剥がしにかかる。

いだだだ!顔が剥がれる!のっぺらぼうになっちゃう!

「モゴー!モゴー!」

「苦しいのか?今剥がすからな!」

いや、無理やり引きはがされるのが痛いの!

ナイフ・貸す・これでスライム倒して とジェスチャーで伝えた後ナイフをルインの手に握らせる。

「お?ああ!分かった。」

理解したのかダイキの顔を切らないように慎重にグリーンスライムを突き刺す。

グニュっと一瞬暴れた後ズルリと顔から剥がれ落ちる。

「大丈夫か?」

「げほっ、げほっ ありがと・・・。」

「危なかったねぇ。」

カイトがとことこと寄ってくる。

「初めて使ったけど結構強力な効果なんだな。」

魔物寄せの香水の瓶を取り出してルインが呟く。

「もしかしてずっとこのペースで魔物が寄ってくるのか?」

「多分?まぁ俺とカイトなら楽勝みたいだから出来るだけ狩るぞ。」

「待って。俺が死ぬ。行ったん離れよ?」

話をしているうちにまた魔物が近づいてくる。

今度は兎の様な魔物だ。



キラーバニー


HP:10

MP:0

力:6

守り:4

魔力:0

スキル:無


食用旺盛かつ非常に凶暴で動くものなんでも噛みつく。

スキルは持っていないが非常に素早い。



これ俺が襲われたら死ぬんじゃないか?

「来た!今度はキラーバニーってやつ!2匹!」

「あ、今の僕達だと結構強いやつ。」

やばい、二人に余裕が無ければ自分が襲われて死ぬ!

既にキラーバニーがこちらに駆けてきている。

「うわぁ!」

[空間把握]で魔物の挙動は完全に把握出来ているので首を目掛けて飛び掛かってきたタイミングでガントレットで防ぐ。

ガンッと音がして強烈な衝撃で後ろに吹っ飛ばされる。

「カイト!ダイキを守るぞ!」

「うん!」

二人がダイキを挟む様に武器を構えて立つ。

キラーバニーはその周りを回る様にウロウロしている。

「二匹か。なら二人で1匹ずつ相手するぞ。」

そう言うとルインが切りかかる。

ロングソードを振り回すがうまくかわされてしまう。

「めんどくせぇな!速い!」

反撃の噛みつきを剣で防ぎつつ文句を言う。

「上手く隙を突ければいいんだけど!」

カイトももう一匹を相手に攻撃を当てられない。

二匹だけでよかった。1対1でこれならこれ以上いたら全滅したんじゃないだろか。

「まだ練習中だけど。」

ルインがロングソードを片手で持って左手を前に出す。

スキル[把握]によってルインの魔力が左手に集中し、同時に周囲の空気が掌に圧縮されているのが分かる。

「風よ、風よ、俺の左手が掴む剣となって敵を切り裂け!モノ・ウインド・ショット!」

キラーバニーに向かって圧縮された空気がビームの様に一点集中で解放される。

「ギャン!」

叫び声を上げてキラーバニーが吹っ飛ばされる。

「よしっ、上手く発動した!」

素早くキラーバニーに駆け寄り剣で突き刺す。

「げごぅ」

刺し口から血が溢れる様に流れる。

「ふーしっ!こっちは終わり!」

ルインがダイキを見た。


一方カイトは決定打が無く拮抗していた。

槍は当たらないがキラーバニーの攻撃も防いでいる。

「当たらないよぅ!」

このままじゃ埒が明かない。

ダイキはスキル[助力]を使う事を決める。

このスキルは対象にダイキのステータスを一時的に貸与出来る。

しかも好きにポイントを割り振り可能。

ただ発動している間は自分のステータスは貸与した分が減少する。

まずい状況で発動すると動けないままワンパンで殺される。

ただ、今なら自分が襲われる可能性は低いだろう。

「今からスキルで一時的に力を貸すから一気に仕留めてくれ!」

「へ?そんな便利なスキルあるの?」

驚くカイトを対象にスキルを発動させた。


・・・

この世界のステータスはダイキの知識にあるゲームから考えると相当シンプルに表示される。

だが深く[把握]スキルで人を観察して見ると実際には色々と表示されていないステータスがある。

”すばやさ”もそうだった。

何をもって速さを表すのかは不明だが、ステータスとして数値は持っている。

ただ、どうやら普通の人は見ることが出来ない。

”すばやさ”というステータスは存在していない、というのが常識の様だ。

今までの会話の流れや街中で色んな人のステータスをスキルで覗き見ていて分かった。

・・・


すばやさの数値、ルインは7、カイトが8。

キラーバニーは14。二人が追い付けないわけだ。

むしろ良く反応出来ている方だろう。

自分は・・・3。ほんと泣ける。


取り合えず”今把握出来る限り”で自分のステータスの数値の合計は14。

HPに1残すとして13ポイントをカイトのすばやさに貸与する。

次の瞬間ダイキの全身から力が抜けて倒れこんで動けなくなる。

鉄塊を張り付けられたように重い。

ただこれでカイトのすばやさは21。

「おぉ!?ダイキさんこれ凄い!」

キラーバニーに一瞬で肉薄し、石突で跳ね上げる。

「えいっ!」

槍を半回転させ穂で打ち上げられたキラーバニーを一突きする。

「やった!」

槍にキラーバニーを突き刺したまま嬉しそうにダイキの方を振り返る。

「ありがとうございます!なんか体が思い通りに動いた!ダイキさん凄い!」

[助力]を解除してダイキも立ち上がって親指を立てた。

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