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魔法はやはり素晴らしい  作者: 栗鮑菊
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ドラゴン

「ん〜…コレはアリなのかしら」


目の前に広がる大量の魔物の死体を見ながらカナタが呟く。


「いいんじゃない? 僕はカナタの使い魔みたいなものだし」


大量の死体はマナが適当に放った氷魔法で倒したのだが、イマイチ納得出来ない。


(まぁ魔核さえ手に入るなら戦争なんてどうでもいいといえばどうでもいいけど)


「それよりカナタ、いつまで狩るの? 戦争だかなんだか知らないけど、この空間から出る方法知ってるの?」


「ルミナスって子がどうにかしてくれるはずよ」


あの何でもありな超人ならその辺も考えてくれているだろうと考える。

そもそもルミナスがこの場所に放り込んだのだから、なにかしら考えていないとおかしい。


「ルミナス? 懐かしい名前だね」


「知ってるの?」


「昔馴染みだよ。まぁ名前が同じだけかも知れないけど、あの子が関わってると考えた方が色々辻褄は合うかな」


「まぁなんでもアリな子だしね……多分そのルミナスで合ってると思う」


今更だが尋常ではない年齢詐称具合といい、この謎生物と昔馴染みといい、ルミナスが一体何者なのかが気になってくる。


「じゃあそのルミナスがなんとかしてくれるまで狩りを続行しようか」


「それでもいいけど、私が暇なのよね」


自分で魔法を使うと自滅魔法と化すので文字通り手も足も出せないのだ。


「じゃあ暇潰しに、どうしてそんな体質になったのか話してくれない? 言えない事情ってのがルミナスのせいなら、僕には気にする必要無いよ?」


「いや、ルミナスのせいじゃないわ。別の問題なんだけど……。ん?」


急に目の前が真っ暗になる。


(いや、これは……影?)


バッと上を向く。


「なに、あれ」


巨大な飛行生物が上から見下ろしていた。


「ドラゴン!? ここにそんなのがいるわけ……っ!?」


「マナ!?」


急にマナが吹き飛んだ。

いや、ドラゴンが攻撃したのだ。


『おい、そこの。こんな所で何をしている』


音ではない。頭に響く。

恐らくドラゴンが意思疎通をはかっているのだとは思うが、何もかもが唐突過ぎて動けない。


「っったぁ〜〜!! 急に吹き飛ばすなんて酷いなもう」


森の奥からマナの声がして我にかえる。


「何をって言われても困るんだけど、ザックリ言うと狩りよ。魔核が欲しいの」


戦争だとか言っても理解されないか、最悪勘違いされるかもしれない。


『魔核か。ならば既にそれだけ持っているならもう用はあるまい、立ち去るが良い』


(あれ?意外と話し合いが出来そう?)


「立ち去るにしても帰り道も分からないのよ。多分迎えが来ると思うんだけど」


『帰り道?ならばそこのバケモノを殺せば良かろう』


そう言ってドラゴンが向いた方向からマナが歩いて来る。


「薄々分かってたけど、やっぱり僕が鍵か。というか誰がバケモノだって? ドラゴンに言われたくないんですけど!」


『………我の攻撃を受けて平気な時点で十分バケモノだろう』


「まぁまぁ、バケモノだろうがマナは殺さないよ。とりあえず迎えが来るまで居させてくれない? 来なかったらその時は別の方法を考えるし。 それとも今すぐ出て行かないといけない事情があるの?」


『貴様らの魔力がこの山を狂わせているのだ。お陰で魔物が大量に出る。それを知っていて来たのではないのか?』


「いえ全く。そもそもマナはここに住んでたんじゃないの?」


「いや、そもそも僕もいつの間にかここに送られていたみたいだね。感覚を研ぎ澄ますと周りの魔力の質が違う」


『貴様らが自ら来たわけではないと?』


「よく分からないけど、ここってなんなの?」


意外にも話を聞いてくれるドラゴンに経緯を話す。


魔人化については黙っておいたが、戦争の事、そして戦争の一環で謎空間に飛ばされた事を説明した。


『なるほどそれで魔核が必要だと。帰りを考えていないのは愚かとしか言いようがないな』


「ごもっともです……」


『だが事情は分かった。そいつを殺さずここから出る方法を探ろう。貴様、名は?』


「カナタよ」

「僕はマナ」


『我はカタストロフ。貴様らのせいで無限に湧き出る魔物は貴様らでどうにかしろ。いいな』


そう言ってカタストロフは飛び去って行った。


「……なんかいい人だったわね」


「人じゃないけどね」


私達はそう呟いてしばらく呆然としていた。

お久しぶりです。

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