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魔法はやはり素晴らしい  作者: 栗鮑菊
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氷魔法

お久しぶりです。

また書いてる途中でパァになりまして…

王とルミナスの話し合いの翌日。


「なんで師匠がいるんだ?」


ユウヤが最近いつも特訓しているという広い川辺に、私とルミナスとミントとテトも来ていた。


「何?不満なの? というかなんで私だけに言うの?カナタさん達も初めてなんでしょう?」


ルミナスが私達を指差しながら不満そうにそう言った。


「まぁミントも予想外なんだけどさ、なんか師匠が居ると不安になるんだよね」

「どういう意味だ? ん? 怒らないから言ってみ?」

「既に怒ってんじゃん!」


笑顔なのに怒ってるのがわかるって不思議だな。


「……ユウヤには後でお説教するとして、今回皆さんにも付いてきてもらった理由なんですが、簡潔に言いますと戦争に向けての訓練です。」


そうルミナスが切り出した話を纏めると、

ミントのお父さんには昨日王に書いてもらった書簡で無理矢理戦争に行く許可を取ったのだが、

いくら王の命令でも素直には従えないとしぶったので『ミントが戦争に行っても問題ないくらいに強くしますから!』とルミナスが言ってしまったらしい。


「初めて聞いたよそんな話!」

「お父様から聞いてなかったんですか!?」


何故か当の本人すら知らなかったようだが……。


「ま、まぁそういう事なので、ミントさんに来てもらったというのと……カナタは言わずもがな、ミントさんが使っている魔道具が不具合を起こしたりした場合の補佐ですね」


そんなヤワな作り方はしていないと思うが……。


「じゃあ私は?」


テトが自分を指差しながら不思議そうにしている。


「テトさんはテナさんから鍛えてあげてとお願いされまして」

「え?なんでテトが? 確かにだいぶ不慣れな体だから本調子じゃないんだけどさ」

「さぁ? でも何かしら思うところがあったんじゃないですか? あと不慣れな体とか言っちゃって大丈夫なんですか?」

「それは問題ないよ。知った所で信じないだろうし」


それは大丈夫とは言えないんじゃないか?


「それもそうですか……とまぁそういうわけです。なので皆さんで楽しく強くなりましょう!」

「なんだ結局ミントも戦争に参加するのか。なら俺はもっともっと強くならないとな」


ユウヤはそう言って上流方面へ歩いて行こうとする。

だがルミナスが即座に待ったをかけた。


「待ちなさい、ユウヤも一緒にやるんだよ?」

「え? 特訓場所が欲しくて付いてきたんじゃないのか?」

「それもあるけど、今日は土魔法のお勉強をしようと思うからね。興味あるでしょ?」

「え、いや、俺土魔法使えないし……」


前世の時代でも魔法は使えて当たり前だったが、土魔法に関しては当時も今ほどではないにしろ使えない人が多かった。


「あぁ土魔法は使える人が少ないんでしたっけ。なら氷魔法を教えてあげるから」

「氷? それって上級魔法になるんじゃないの?」

「土魔法よりは簡単だよ。水と火は使えるんでしょ?」


そう言えばテトとテナも氷魔法は火魔法が必要になるとか言ってたな……。

あの時は自力で使えるようになりたいと思って詳しく聞くのはやめたが戦争に行くなら知っていて損はないか。


「私も氷魔法の方が気になるしそっちを教えてもらえるかな?」

「構いませんよ。ミントさんはどうします?」

「私も氷魔法がいいかな。土魔法使えないし」


そういうわけで氷魔法のお勉強が始まった。


「いいですか? 氷は水が凍ると出来るものです」

「当たり前だろ?」

「流石のユウヤも知ってましたか。そして凍らせるという現象は温めるのとは真逆の現象なんですが……そこで火魔法のイメージを反転させるんです。すると───」


ルミナスが手をかざすと凍えるような風が吹いてきた。


「こんな感じになります。これは風魔法と一緒に使ってますが、冷たいでしょう? これを風ではなく水魔法でやると氷になるわけです。こんな風に」


今度は綺麗な球状の氷を作り出した。

火魔法が必要と言ってもイメージを反転するだけとは意外と単純なんだな。


「理屈は単純でしょう? とりあえずやってみましょう」


それからしばらく練習してみたのだが結局一度も成功しないままだ。


「ねぇルミィ? 私ずっと教える側になっちゃってるんだけど良かったの?」

「いやー助かりますー!」

「まさか最初からそのつもりで呼んだな!?テナめー分かってて押し付けたなー!? 今日はたっぷりお菓子を作らせてやる!」


凄く嬉しそうな顔を見るに適当な理由でクッキーとか作って貰いたいだけだな。


「今度はテナさんにも手伝って貰いましょうか。教えるのとか上手そうですし」

「少なくとも私よりは上手いと思うよ。なんかこう言葉にするのが下手なんだよね」


本人はそう言うがなんだかんだ理解出来るように考えてくれているのが分かる。

昔から雑なようで気配りの出来る子だ。


「うーん。やっぱり火を反転させるっていうのがよく分からないなぁ」


ミントは自分の手を見ながらウンウン唸っている。


「そこよね。私も今まで魔道具で氷を作る時は単に水を固体にしてるだったから」

「そこがまずおかしいんだよ?冷えてもないのに氷になるわけがないし」


即座にテトにツッコミを入れられた。

とはいえ出来てるものは仕方がない。


「いえ、そうでもありませんよ? あまり詳しくはないのですが、要は分子が動かなくなればいいので……いや、あやふや過ぎて確信が持てないからやめておきましょう」

「あぁうん。意味不明そうだから聞くのはやめておく」


テトも分からないのか。


「でも可能性はあるって事よね?」

「そうですね。ざっくりですが動きを止めると固まる、と考えて貰えれば」

「分かるような…分からないような…まぁやってみればいいわよね」

「その意気ですよ」


そしてまた練習を再開するのであった。

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