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魔法はやはり素晴らしい  作者: 栗鮑菊
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死後の世界

うん…?

いつの間にか寝てしまっていたのか?

ぐぐぐっと伸びをしながら起き上がってみると知らない部屋だった。


え?

困惑しながら辺りを見回していると不意に扉が開いた。


いよう。目が覚めたか?

青年だ。歳は15程だろうか。


あー、俺の事、分かるか?

私が返事をしないままだったからか心配させたようだ。


え、ええ。大丈夫。えっと、ここはどこ?いえ、その前にあなたは?

思考がまとまらない。まだ混乱しているようだ。


俺はディング。ここは俺の家みたいなもんだ。

みたいなものと言った事に違和感を感じたが別荘か何かだろうと思い直す。


お前、ここに来る前の事思い出せるか?

そう聞かれた瞬間記憶が蘇ってきた。


……えぇ。訳の分からない魔物を倒して、その余波みたいなものに巻き込まれたわ。

まぁテナの事だしなんとかしてくれたのだろう。

…私がここに居る理由までは分からないが。


ははっ、全部覚えてんのか。そりゃ好都合だ。

何が好都合なのだろう。

首を傾げて説明を促す。


いいか?ここはテキトーに説明すると死後の世界だ。あぁお前は死んじゃいないから安心しろ。まぁ死にかけてくれたお陰でこうやって会えたわけなんだが。

???

益々分からん。

なら今の私は何だ?魂か?


で、今お前を元の世界に戻すにはちょいと危険だと判断した。だから少し稽古をつけてやろう。合格ラインに達したらお前を元の世界に帰してやる。

は?何を言っているんだ?何故私が稽古なんてしなきゃならない?

確かに魔物にやられてミントを囮にした上、テナに丸投げしたが……十分酷いな。

だが。


待って。稽古をつけてもらうのは良いんだけど、まさかあの魔物を基準に言ってないわよね?

流石にアレに勝てるまで稽古は無理だ。

何年掛かるか分かったものじゃない。


あぁ、あの魔物な!んな訳ないだろ!

ハッハッハと笑うディング。

そりゃそうだ。


で?稽古って何をするの?正直言ってディングも強そうに見えないし。


言ってくれんじゃん。ま、見た目がコレだと仕方ないか。それよりカナタ、腹減ってないか?


ん?私名乗ったっけ?


俺くらいになると色々知ってんのさ。……だから話し方を元に戻してもいいぞ。ここには俺しか居ないからな。

!?

どうして話し方まで知っている?

いや、そういえば化け物と戦う時に戻っていたか。


……いえ、生き返った時に困るからこのままでいいわ。まだ口調が安定してないし慣れておきたいの。


そうか。お前がそう望むのならそれでいい。で、腹は減ってるか?死んだ訳じゃないから腹も減るだろ。

そういえば少しお腹が空いている気がする。


ちょっとだけ減ってるかも。

そう伝えるとディングはご飯を持ってきてくれた。




よっし!じゃあまずは準備体操ー!

ご飯を食べ終わったら早速稽古をつけられる事になり今に至る。

外に出てみたら驚く程に何も無い世界だった。

いや、一応あるか。草原が。だだっ広いだけで木も無い。ひたすら草原。

死後の世界なんて言うからもっとドヨドヨした感じかと思っていたのだが案外気持ちのいい場所だ。


ねえディング。準備体操って何?


は!?運動する前に準備体操すんの常識だろ??

嘘だろ!?と大袈裟に頭を抱えたディングに思わず笑ってしまう。


何笑ってんだよ!もういいよ、どうせ怪我しても治せるし。じゃあ今度はコレ持って。

空中に光の玉を作り出して渡してきた。


それはクリエイトウェポンの種だ。持ったら勝手にその人にとって最適な武器になる。

受け取ってみると更に光ってグニャグニャと動き始めた。

しばらくすると光が収まってきて、、


ねえディング……武器って?

形として残ったのはどう見ても私の愛用しているキセル。


予想外デス……。

片言になる程動揺している。


ま、まぁ武器になるよ!とりあえず素振りから!

誤魔化すように素振りの仕方を教えてくるのだった。

喧嘩キセル

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