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魔法はやはり素晴らしい  作者: 栗鮑菊
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年齢に沿う

「私はカナタ。10歳です。よろしくお願いします。」


何度目になるか分からない自己紹介の練習をしている。


「まだ固いよー!カナタ様はそんな10歳の女の子見たことあるの?」


小さい方の元悪魔が言う。


「カナタでーす。10歳でーす。よろしくでーす。」

いい加減うんざりしてきて投げやりに言う。


「あははは。バカっぽーい!もうそれでいいんじゃないですか?」


やめてくれ。流石にこんなの続く訳がない。


「もう少し真面目にやって下さいカナタ様。」


大きい方の元悪魔がたしなめてくる。


「そうは言ってもな。私は長いこと婆さんだったんだ。無茶を言わないでくれ。」


私はそう言ってため息をついた。


こんな謎の練習をしているのには訳がある。

明日から学校に行くのだ。

前世でも学校に行っていたが碌に魔法も使えなかったのであまりいい思い出はない。

だが今は少しなら魔法を使える。

今度こそ楽しい学校生活を送りたい。

そう漏らしたら言葉使いから改めましょうと言われたのだ。


「カナタ様と一緒に学校に行けるなんて楽しみすぎるんだもん。いっぱい友達作るんだー!だからちゃんと子供っぽく振る舞ってね!」

などと盛り上がっている。


「ん?待て、お前達も通うのか?」


初めて聞いた事に少し戸惑う。


「そうですよカナタ様。ちなみに私もですよ。」


大きい方までそんなことを言い出す。

どうやって学校に入学申請したのかと訝しんだがそれよりも気になった事があった。


「お前達、名前どうしたんだ。」


「あぁ、そう言えば悪魔だった時は無名でしたね。私はテナ、こっちはテトと名乗る事に致しました。」


「テトって可愛いよね!自分で付けたんだよ!」

楽しそうに2人は名乗る。


「テナにテトだな。わかった、私もそう呼ぼう。だがまだ疑問がある。学年、というよりは年齢だな。」

どう見ても姉妹にしか見えない。


「もちろんカナタ様と同じにしておりますが?」

それが何か?と言った顔のテナ。


「ま、まぁ結構身長差がある年齢か。分かったよろしく頼む。最後にもう一つ。お前達こそ学校でもそんな口調で私と会話するつもりなのか?私の口調より違和感があるだろう。」


「それもそうですね。ではこれからは少し砕けて話しますのでご容赦ください。。コホン。カナタ様、これからよろしく。」


「待て、テト、色々突っ込みたいが。まず世間で私達はどんな設定なんだ?親が居ないのだぞ。」

私は頭を抱えながら問う。


「とある貴族様に支援をしてもらいながら生活をしている隠し子。という事になっています。」

結局少し崩したが丁寧な言葉でテナが答えた。


この後も疑問に思った事を片っ端から聞いた。

まとめると大体こんな感じだった。

謎の貴族の隠し子である。

ほぼ同時期に産まれた為同年齢である。

お金だけは貴族から仕送りがある。


おや、頭痛がする。。

無茶にも程があるだろう。

しかし本当の事など言えるわけもなく、実際お金だけはあるようだ。

しかも例によってテナはお金に関しては答えられないと言う。

まともなお金ではないのだろうが知らぬが仏とも言う。いや、聞かぬが花か。


「よし、分からないが分かった。だがテナ、様はやめてくれ。明らかにおかしい。私もお前達なんて言い方はやめるから。」


「わかりました。えっと、カナタ。」

そう言ってテナは恥ずかしそうに笑った。多少丁寧過ぎる口調はもう諦めるとする。


「じゃあ私も!カナタ!宜しくね!」

テトはそう言って私を抱っこし始めた。テトは違和感が無いな。元からこんなだった気もする。


さて、口調強制の練習再開をしよう。魔法を使う為の努力に比べればなんてことは無い。

次話から主人公の可愛いを作ります。

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